見出し画像

僕らがデザインにこだわる理由

創業以来、Natureではデザインを中心にしたプロダクト開発を行ってきた。

プロダクトのコンセプトが決まってから、最初に考えるのはそれをどういうデザインで実現するかだ。つまり、デザイン100%でスタートしている。事実、最初にNature Remoのプロダクトアイデアが生まれてから、僕が一緒に仕事をしたのはデザイナーの長尾だ。

ここで言うデザインとは、単純な見た目だけではなく、使いやすさも含めた広い意味での製品としてのデザインのことだ。

僕らがデザインにこだわる理由は、それがユーザー体験の支配的な部分を決めるからだ。

プロダクト開発において、デザインというのは強いこだわりを持って進めないとすぐに毀損されてしまう。それは、デザイン性の高いものというのは得てして作るのが大変な傾向があるからだ。

特に、ハードウェアのデザインについては、これまで強いこだわりを持ってデザインを軸に開発してきた。

結果として、昨日からNature Remoユーザーの方に向けて実施しているアンケートでも、5,254人の方に回答していただき、95%の方が筐体のデザインに満足していると回答してくれている。

そんなうちのハードウェアの製品開発において、デザインを追求するためにいろいろ苦労してきた。ここでは、Nature Remoの発売までのいかに大変だったかという話を紹介したい。

ユーザーに存在を意識させない

Nature Remoのデザインの思想としては、ユーザーに存在を意識させないデザインというものがある。

どうして意識させないデザインを志向したかというと、製品が置かれるのは部屋の見えるところだし(赤外線デバイスなので隠れたところには置けない)、いちばんのユースケースのエアコンは、楽しく操作するというよりは、快適な空調設定をしてくれればあえて操作したいものではないというのが理由だ。

それをIndustrial Designのコンセプトに落とし込むときに、"空間に溶け込む"というデザインコンセプトを決めて、筐体の色を真っ白にすることにした。

画像1

実は、それが僕たちの開発を相当苦しめ、製品開発を難航させた。

世界で初めての試みに挑戦

僕たちがNature Remoを発売するまで、世の中の常識は、赤外線リモコンの赤外線透過部の樹脂の色は黒となっていた。事実、僕の調べた限りでは、真っ白な赤外線リモコンは存在しなかった。筐体自体が白くても、赤外線の透過部は黒かったり、透過部は白でも内臓物が透けて見えるような半透明だったりするものはあった。

画像2

つまり、Nature Remoが赤外線リモコンとして世界で初めて完璧な真っ白の筐体を実現したのだ。

これだけでも大変なのに、Nature Remoを白くする大きな壁はもう1つある。

それは、人感センサーだ。

人感センサーが付随しているデバイスは、人感センサーの反応エリアを広げるためにフレネルレンズという平らなレンズを搭載している。エアコンや玄関の照明の一部に丸い物体が埋め込まれているのを見たことがある人は多いのではないか。例えば、その人感センサーだけ切り出したPansonicの製品がこれだ。

このようにフレネルレンズのある箇所だけ、丸い物体が挿入されるというのが一般的な人感センサーのデザインだった。だが、これはデザインの視点からすると格好の良いものではない。

そこで僕らは、この人感センサーを完全に筐体に隠すことにしたのだ。なので、Nature Remoを手にするとみんなどこに人感センサーがあるのか戸惑う。

つまり、Nature Remoの開発において、赤外線も透過出来るし、人感センサーのフレネルレンズも隠すという2つの難問を解く必要があった。

最後は工場のラインに立って全品検査

そのために何をやったかというと、ひたすらトライ&エラーでデザインは犠牲にしないで性能を引き出せる方法を見つけていったのだ。

画像3

これは本当に苦労したし、今でも歩留まりと戦い続けている。

最初は、工場探しに奮闘し、実現するために作ったサンプル数は数十個に及ぶ。期間にして、これだけで半年から1年くらいかかったと思う。最初の生産での最後の品質チェックは、僕自身が工場のラインに立って、1つずつ確認した(これは今でもうちのデザイナーやエンジニアが新製品の発売前や問題が起きた時にやっている)。

じゃあ、もう1度やり直すなら、白色の筐体をやめたか。

僕は、間違いなく白色の筐体を追求したと思う。それは、僕らが組織の中心においているのは、プロダクトだからだ。

Mission/Productを中心した経営

先日、採用面談の際に、会社の経営思想について質問を受けた。

Natureのイメージは以下の通りだ。

画像4

「自然との共生をテクノロジーでドライブする」というMissionが中心にあり、それを実現するためにProductが存在する。それを使うCustomerがいて、全てを支えるのがTeam(僕も含めたNatureのメンバー)だ。

これまでハードウェアの開発においてはデザイン起点を追求できているという自負があるが、残念ながらアプリのUI領域ではハードウェアのデザインほどデザインを追求した開発ができていない(もちろん、デザインにはこだわりを持って開発している)。

そこを改善し、さらにプロダクトの質をあげて行くために、Natureでは、今、一緒にNatureのMissionを実現してくれるUIデザイナーとグラフィックデザイナーを募集している。

ご興味のある方は、ぜひ気軽にご連絡いただきたい(カジュアル面談でランチご馳走します)。

Twitter: https://twitter.com/haruumi524 (DMはこちらから)

採用ページ: https://nature.global/jp/careers/279052774445

2020年2月5日追記:世界的権威のあるドイツのiF Award 2020をNature Remo Eが受賞しました!!

メルマガ-200205

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
スキありがとうございます!嬉しいです!
26
「自然との共生をテクノロジーでドライブする」Natureの代表。エンジニア、商社マンからの起業家。ハーバードMBAだけど誤字多め。もっと自然を感じられる世の中にしたい。English Blog: https://medium.com/@haruumi