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はじめての版画展へ行った話

Twitterで流れてきたプロモーションとして、このツイートを見かけた。
アールジュネス主催の、Hiten先生の版画展か。ラノベの表紙挿絵で見たことあるな。確か今度アニメ化する『義妹生活』の絵師だ。
…ん?

え!?
モラージュ菖蒲!?

◆モラージュ菖蒲

ネオサイタマ屈指のクソデカショッピングモール・モラージュ菖蒲。
これについて語ると別記事でやるべきなくらい超長くなってしまうのだが、丸一日遊べるクソデカショッピングモールと言えばしっくりくるだろう。マジでデカい。幕張のイオンと良い勝負できるレベル。マジでネオサイタマ民の誇りだと思う。
映画館(上映館数が少ないアニメ映画も密かに押さえている)、ゲーセン、アニメイト、らしんばん、ヴィレヴァンetc、一日で全部回れなくはないと思うがきびしいだろう。けれどとても楽しい。年に2,3回は行っている。ここ数年は全然行っていないのだが、鷲宮神社の初詣の帰りに寄るのが楽しみのひとつだった。

まさか、アールジュネスの版画展がモラージュで開催されるとは…
アニメイトやらしんばんといったアニメ関連のショップがあるとはいえ、ここへアクセスするのはちょっと大変なんだよな。最寄だと久喜駅か桶川駅で降りて、路線バスで2,30分で行ける。徒歩で行くのはかなりの無謀なのでやめておこう。見事に田舎なのん。

というわけで、入場無料なので行ってみた。あらかじめWeb予約を取り、

きたわ!

きましたわ!!
Hiten先生以外の絵師版画も展示されるのは後程知った。カントク先生も三嶋くろね先生も好きなのでラッキーだ。お二方も画集を持っている。というか、アールジュネスの看板絵師だからか今回ソロ展示じゃないんだな。

若干気付きにくいが、このお手洗いのお通路をまっすぐ向かった左手のホールで開催されている。モラージュは10年以上通い続けているのだが、モラージュホールに入るのは何気に初めてだな。如何にもな催し物の会場として利用されるのだろう。確か去年、元カノとワンピ見に行ったときワクチン接種の会場として利用されていた覚えがある。

◆会場

会場内は撮影禁止なので、ここから9割方は文字の海で大変恐縮である。稚拙ながらもがんばって雰囲気を伝えたい。
MAPはこんな感じだ。展示スペースはそこまで広くはない。コンビニの半分くらい。青いTwitterバードはなにを意味しているのかというと、

こんなふうに展示されているわけだ。
展示数はざっと数えていないのだが、20前後くらいか?『絵師100人展』のほうがもっと広いらしい。

受付で事前予約メールを提示し、

Hiten先生のクリアーポスターゲッツ。
入場無料なのでこれ目当てでも行くしかなかったわけだ。なお事前予約しなくても入場できる。その日がたまたまそうだったのもあるが、会場内はそこまで混雑していなかったので、一枚一枚じっくり鑑賞できた。

なお受付時、軽いアンケートとして「好きなイラストレーターは誰ですか?」と尋ねられた。

エロ系が多いんだよな…
というか、そういうのって口頭で伝えるの恥ずかしくない!?
一番好きなエロ漫画家は12年以上贔屓にしていて色んな意味でお世話になっている守月史貴先生なのだが、果たしてピンと来るかは分からないから答えづらい。フォロワー10万↑だが、知らないと反応されたときが怖い。
とりあえず無難に「上連雀三平先生です」と答えた。

◆版画鑑賞

さて版画だが、Hiten先生、カントク先生、三嶋くろね先生以外の絵師の作品も展示されており、それはもう一枚一枚すごかった。
ネットで画像を見たのとは迫力が段違いで印象が違うし(最大でA0サイズ)、額縁がゴージャスなのでこれを添えることでやはり印象が変わっていくし、ラメが入っててキラキラしてる作品があったし、いやこれふわっとしてて伝わるんか?ビミョーに伝わらなくない??
とりあえず実際にキミの目で確かみてみろと言うしかない。Vジャンプの攻略本ばりにアテにならないが、仕方ないんだ。

なにより版画のお値段が40万とか50万とか最高100万えっ待ってちょっと待って。

………100万????????????
まじで?????????????????????????

実はぼくは複製原画を数点持っている。
安いもので2万円、高いもので5万円(直筆サイン入り)だ。控えめに言って十分お高いお買い物である。けれどもその分印刷がすごく良い。これだけでも最高と言っていい。正直沼りそうだ。「タペストリー買うよりこっちを買ったほうがいいんじゃね?」と気持ちが切り替わったくらいにだ。なお守月史貴先生の複製原画が殆どである。ファンだからなあ。

で、今回の原画。
作品によって金額が変わるが、あまりにも桁違いすぎてぼくの中で一気にインフレした。すごい世界を刮目してしまった。

◆営業トーク

「すごいな」「ぼくもこういう絵が描きたいな」「えっちな絵は昔描いてたけどデッサン厨イチコロキックでダウンできないんだよな…」「なんでも鑑定団以外でこういう金額見られるんだな」といった物思いにふける中、受付のお兄さんがどうですかと言わんばかりに声をかけてきぎええぇ!?勧誘か!?

たぶん、事前予約したぼくが印象に残ったからかもしれない。なにせ興味深そうに鑑賞していたし。リングフィットでバキバキに肉体鍛えたし。単純に営業ターゲットとして狙われたとも言えるかもしれないが。

で、90分くらい版画について語り合っていた。
コミュ障として定評のあるぼくなのによく話せられたな。
まあ3分に一回は「なるほど~」と語彙不足アッピルしてたんだけど。

いや90分はどう見てもおかしいだろ!絶対営業の類だろ!
でもとても有益な話を聞かせていただいたことに大変感謝しております。いや、こればかりは話を聞かなければ版画の印象が変わらずにはいられなかった。マジのガチですげえすごいお話だった。
ちょっとこれ、ここに書いていいことなのかは分からないけど、軽くググったらフツーにインターネットにも載っていたので大丈Vだろう。流石に全部はアレなので、最低限のことだけ述べるが。

◆版画とは?

そもそも版画とはいったいなにか?
小学生の頃、木板で版画を作った経験はほとんどの人にあるのではないだろうか?彫刻刀でボリボリ削っていた、あの版画だ。

※個人的な版画のイメージ

そう、その版画と同じだエエエエエエエエエエーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?
「えっ!?デジタル絵じゃん!?」「どういうことなの!?」「つーかどうやるの!?」という当然の疑問が生まれてくる。
まず、複製原画とは作り方が全然異なるのを最初に知った。

で、ここからもうすごい情報がたくさん溢れ出てきた。
流石にすべてを記憶したわけではないのだが、一枚につき3ヶ月かかる(元の絵の色が多彩な分、何層も重ねまくる)とか、鉄板に印刷されているとか、絵師が一枚一枚きびしく印刷をチェックして100%OKな状態で商品として出せる・サインを入れる(たとえ99.9%の状態でもダメなものは処分されるらしい)とか、流石にこれらの情報を一気に注ぎ込まれたわけではないのだが、無量空処喰らったみたいだった。

このページに制作風景が紹介されているのでイメージしやすいかもしれない。

とても信じられない話かもしれない。
というか、今これを書いているぼくも未だに134%信じ切れていない。スゴイシツレイだが、催眠術にかけられたような気分だ。というか、90分営業トークの時点で「所謂エウリアンなんじゃねーの??」「壺買わされる気分はどうだい?」と勘付いた人もいるかもしれない。

まあぶっちゃけそうなんだけど。
アールジュネス(アールビバン)は軽くググってみたら厄い話が出てくるからなあ。予めそのことを承知している上で今回行ったわけだが、別に冷やかしでもないぞ。そんな精神で行くのはスゴイシツレイだからな。

だいたいあっててこわくなった。
「この版画がもし100円だったら買いますか?」って、ぼくも言われたよ!

けれど話を聞けば割と興味深かったし、(できるかは知らないが)工房見学してみたくなったし、話を聞くたびに「云十万するのもなんとなく納得した」に帰着してしまった。今回の話がマジかは分からないが、軽い気持ちで信じてしまったし、真実を追求したくなってしまった。版画にあまり興味がない人にとっては退屈かもしれない。

あと解説以外にも、お兄さんが展示された版画(デカいし重そう)をわざわざ直接持ち出してきて「光を様々な角度で当てて試してください」と言われてやってみたのだが、これも楽しかった。新たな絵画鑑賞方法として沼りそうだった。これは是非試していただきたいと素直に勧めたい。

◆で、版画欲しくなったの?

守月先生のえっちな絵なら買うかもしれない…

真面目に答えると、流石に無理です。別に初めから買うつもりで来たわけじゃないし。高確率で後悔しそうだし。タダだから今回来たんだし。

そも、まず他人から理解は求められないだろう。
当然云十万だなんて、すぐにお金を出せる額じゃないでしょう。車やPC買えちゃうもん。流石に冷静に衝動買いだなんて、石油王じゃない限り無理だ。複製原画にも言えることだけどさ。いちおう数回に分けてのローン払いがあるそうだが。

勿論、今回そのお兄さんから購入を強要されたわけではない。
これだけはハッキリと真実を伝えたかった。
つーか仮にそうなったらやべーからまず断るし。「考えておきます」とナイーブにスルーするし。ぼくは断りベタの安田さんばりに断るのがヘタクソなクソザコだが。
最後には「長々と申し訳ございませんでした」とご丁寧に対応してくれたし、お話自体は面白かったから結果オーライの好印象である。ええんやでありがとナスの精神で優しく対応するしかなかったのだ。
あと公式HPに「※グッズ販売はございません。」と記載されているのにここでお金を出す話になるのは変だし。まずいし。ローン払いのくだりで「まさか買わされないよね!?」と正直少し焦りの気持ちが生まれたが。

でもそのお兄さんとも強く共感を得た話なのだけれど、「本当にこれを買うべきか」「後日また欲しいものが出たらどうするか」という永遠の問題・ジレンマが発生するわけだ。版画以外にも言えることだろう。フィギュアでは特にありすぎる。なお期間限定受注生産で復刻の可能性が低いらしい。なんでかは聞きそびれてしまったが。逆に言えばそこが購入の決め手(今買わないと後悔するぞ的な)に繋がるのかもしれないが。
また、お兄さんも言っていたのだけれど「商品の価値は人それぞれ」で本当にそれなんだよな。強要するのは勿論ダメだけど、版画(に限らずだが)という媒体で、このお値段で買うかどうかは結局自分自身の意志で決めることだ。営業トークに乗せられて衝動買いした人もいるそうだけど、そういうのは結局自分に正直になるかどうかが大事なんだと思う。

最後にまとめると、ぼくの意見としては、今回とても楽しかったし、良い機会・経験になったし、色々話が聞けたのは良かったし、版画自体に興味は持てたし魅力もなんとなく伝わってきた。複製原画で十分かもしれないが。
購入する可能性は恐らく低いだろうけど、気が変われば可能性はあるかもしれない。お気に入りの神絵が見つかったのなら是非検討させていただきます。(※今のところ無理して買うほどの絵はないかなあ~の意)

とりあえず守月先生のえっちな絵が来たなら検討するか。
あーでもアールジュネスはえっち系NGっぽいんだよな…そもそも専属的なものじゃないとだめっぽいな…やっぱ複製原画で満足するか…





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