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【ウィッチウォッチ】今週のオフ会回が最高に面白くて解像度鬼たけえ話(第99話/12巻収録)


◆ウィッチウォッチ

ウィッチウォッチ』とは2021年から週刊少年ジャンプで連載中の魔女っ子コメディであり、基本ギャグコメディ、時々しんみり、そして縦軸は………あらすじ書くの面倒なんで単行本買ってください。

せめて今回の話をしたいがために最低限の紹介くらいしておけよと自覚はしているのだが、そうだな。そうしよう。
今週の話はあまりにも面白すぎてブッ刺さりまくったわけで、こうして突発的に単独記事を書きたくなったレベルにヤバすぎた。単刀直入に言うと、今週の内容は作中作のファンが集うオフ会である。

察しの通りぼくは毎週ジャンプ感想を書いているこれまでの人生の大半を費やしてしまったくらい続けている。
それはもう、まってむり限界女子みたいな勢いで感想書きまくったし、もう大分語り切った気がするのだが、そちらは元々Twitter投稿用に140文字以内で区切って感想を書くスタイルだし、ふと書き終わった後まだまだ書きたいことがあったし、今回は一気にまとめて分かりやすく紹介風に伝えたいという試みだ。
「ジャンプ感想とこのnote、文体とかテンションとか違いすぎじゃね?」「別人くさくね?」「なんでちんこみたいな硬い文体なの?」と思う人はいるかもしれないが、ぼくはペルソナ使いなのでこれくらいのテンションは誤差の範疇内である。ピカチュウとあしゅら男爵のかわいさくらい五十歩百歩と捉えていただきたい。

◆オシエシニッシ

元よりこの漫画は色々シリーズものがあるのだが、その中に作中作『うろんミラージュ』を巡るファン二人の話がある。シリーズ名は『オシエシニッシ』…でいいのか?

うろんミラージュ』(通称うろミラ)とは、まあ、サムライ8がなにかの間違いで成功しちゃったような少年漫画だと言えばしっくりくる。ずらしはないと思うが。

そのふたりのファン。
本作の舞台となる学校の生徒にして神絵師・嬉野久々美ちゃん(通称クックちゃん)(画像左)と、そんな彼女を崇める担任の真桑先生(画像右)。
ひょんなことで真桑先生は『うろミラ』のファンだとクックちゃんにバレてしまい、けれど徐々に親睦を深め合い、やがてマジのガチで同人誌即売会にサークル参加する関係まで発展していく。要するにオタ活と言えるだろう。

改めて、週刊少年ジャンプ本誌でなかなかアブノーマルなことやっているなあと思う。
まず女子二人がメインなのがアブノーマルだ。
少しねじを曲げると百合姫に移籍しそうですよ、『私の推しは神絵師でしょう。』『私に神絵師が舞い降りた!』『ふたりオシテール』『ささやくように推しを語る』ってタイトルに改題できますよと忠告できるほどエモい関係になっている。
だって、学校の先生と同じ好きな漫画で会話が弾むとか、うちの生徒がフォロワー万越えの神絵師だったとか、フィクションだから当然とはいえなかなかそういう関係にはなれないわけですよ。どの社会にも言えることだが、趣味をみんなの前でフルオープンとかなかなかそうはできないわけですよ。故にふたりの関係が羨めるわけですよ!高校時代友達がいなくて即帰宅してシコシコジャンプ感想書いていたぼくは余裕で羨めるわけですよ!

うろんミラージュ 第119話「ファジー討伐-4」より

うろミラ』は少年漫画なのがキモだ。
これが仮に完全女性向けアニメや乙女ゲー、BLだったら流石に無理というか、そもそもジャンプでは理解は求められないと思う。ヤだよホモに目覚める少年読者とか。
けれど、女性ファンがいてもおかしくない少年漫画は絶妙なチョイスではないだろうか。キャラをかっこいいと思えるのは男女とも理解し合える感情共有だろう。
なにかの間違いで一度ジャンプに『うろミラ』が掲載されてしまったのだが、如何にふたりがファンであるのか、作品への理解と納得を深めるに十分な機会だった。アクションはかっこいいし、女性ファンが黄色い声を上げたくあるシチュ燃えもよくできている。ファンが求めるものが提供されている。

ここまで前置きが無駄に長くなってしまったが、事前知識として上手くまとめられたし、色々ネタにもできた。未読の人に伝わったかどうかは知らんけど、まあ…ざっくりいこうぜ!

◆ブッ刺さり①:オフ会が超リアル!

今回、『うろミラ』のファン数名が集まったオフ会だが、ネット上ではどいつもこいつも濃いやつらだ。
考察勢、メリバ大好き、テンション鬼たけえ、炎上上等厄介オタクというステキラインナップ。TwitterならTLが混沌でグランドクロスしていそうな予感しかしない。果たして会話は成立するのだろうか、大丈夫なのだろうかと不安が早くも立ち込める。

※イメージ図

しかしこういう奴らはいなそうでいそうのが絶妙であり(メリバ大好きなんて初めて見たけど)、特に炎上上等厄介オタクの

うろミラはキャラ漫画っていうやつ、私は全然読解力ない人間ですって自ら言ってるだけなんだよな

あまりにも生々しくて爆笑した。
マジでいるよこういう他の読者を見下すようなやつ!キャラ漫画って言ってる奴はただdisりたいアンチかもしれねえけどさあ!でも流石に読者を傷つけるのはダメだよ!敵を作るだけだよ!
こんな奴がオフ会に参加するのすげえな
と感心したのだが、肝心のリアルでのご尊顔が、

考察勢⇒ファッションが派手な女の子
メリバ大好き⇒二児の母
テンション鬼たけえ⇒サブカルに精通していそうなメガネ女子
炎上上等厄介オタク⇒痛バ持ってきた着物の御婦人

いったいなんのアベンジャーズなの?

ここで「オフ会あるある ネットの人格と実際の姿のギャップに驚く!(らしい)」というナレーションが挿ほんとそれな。
実はぼくもオフ会には実は参加したことがあって、といってももう10年くらい前になるのだけれど、ネットではやけにテンションたけえなと思った人が隣のクラスにいそうなヤツでびっくりした。「あれ?あなたA組の西田くんでしたっけ?」と声かけそうになった。

なおぼくは特にギャップすげえとは言われてなくて、案の定想像通りと言われまくりだった。まあ、ネットでもリアルでもおっぱいばかり言ってるからな。そのへんぼくも納得しているよ。
当時「でさあ!閃乱カグラがさあ!おっぱいがさあ!」と熱弁していたとき、ああこいつらしいなと数名視線を向けられたのは今でも忘れられない。

因みにこのギャップ現象は漫画家やイラストレーターにも共通して言えることである。数年前サイン会行った時も「あれ?思ったより普通だな」と変な安堵を覚えていたから。Vtuberみたいなキラキラしてそうな人と勝手に想像していた。

ナレーションの末尾に(らしい)が付け加えられているのは、作者の篠原先生は実際にこの手のイベントに参加したことがないそうだ。が、その前にやった同人誌即売会回といい、「嘘つけ絶対参加したゾ」と疑い深くなれる解像度が鬼たけえから不思議である。誰かにネタを提供してもらったのだろうか?

◆ブッ刺さり②:ひとりでもファンができた歓び

ここはネタ抜きにまじめに良い話。
先のハイテンションガール・Noraさんは、実は真桑先生にサインを求めたくらいファンであることが判明した。同人誌即売会かどこかの委託でゲッツしたのだろう、それを手にして同人誌に付箋までつけるほどのファンなのである。

さっきまで解像度鬼すげえとゲラゲラ笑っていたのにすごいうるっとした。

や、なんかこう、クリエイターとしてはわかりみある~ってブッ刺さった人いるんじゃないですかね?たとえひとりでもファンが生まれた歓びってとてもかけがえのないものなんだと思う。
世の中六桁のフォロワーがいて、ああ自分は一生追いつけられないのだろうなと劣等感を抱くケースはぼくにもなくはないのだが、今回のエピソードを見ていて勇気とモチベーションをもらえたようだった。数で見るのではなく愛で見るべきなんだなと認識させられた。
よし、次もがんばろう。せっかくファンがいるんだから、私の愛で喜ばせたい、満足させたいな。そんなWin-Winの精神はとても素敵である。

Noraさんが同人誌に付箋つけまくっているあたり、本当にファンである説得力を増していることにも注目を置きたい。いや付けすぎちゃうんかと思わなくもないのだけれど、これだけでもNoraさんの普段の姿が想像できるのだ。後でハイテンションツイートしようとメモ感覚で付箋を付けたのだろう。実際オフ会を通してリアルでその人の解像度も増していくのが素敵だ。
本当に自分の作品が読まれている実感も湧いてくるのだから。

この話は今回中盤、僅か2ページのみのちょっとエピソードなのだけれど、創作活動をやっている人は是非読んでいただきたいくらいブッ刺さった話である。いやぼくは絵も文章もヘタクソだから創作活動なんて全然やっていないんだけど、ウヒョ~!ぼくも創作活動やってみてえ~!と感化されたレベルだと言及しておこう。

◆ブッ刺さり③:オフ会たのしい!

わかりみペラペラ

オフ会が始まったとき、うまく皆さんの会話の輪に加わるのだろうか、自分は学生時代話しすぎて周りにヒかれてしまった想い出があるから…と不安になっていた真桑先生。

けれど、先のNoraさんとの会話のおかげでギアがペラペラ入るようにペラペラ会話がペラペラ止まらなくなったペロペロ。

真桑先生だけ会話量が多くてひとりだけ浮いてる…す…すげえ…になっているのはさておき、これもわかりみしかなかった。
「なにこの心地よい空間」「話がスルッスル通る」「笑うタイミングがピタリ同じ」という感想がわかりみありすぎる。特に「なにこの心地よい空間」がぼくにはぶっ刺さりまくりだった。楽しいオフ会ってデスティニーランドや江ノ島から帰りたくないくらい夢中になっててクッソ楽しいのがザラなんだもん。今回の会場となったカラオケは時間制限があるのも良い感じにもどかしい。楽しい時間には、何事も終わりがあるのが醍醐味なのだ。

というわけで、オフ会メッチャ楽しいですよ。
その場でグッズ交換するのも楽しいし、ネットやSNSではなかなかできないような話もできるし、新たな側面が広がるので一度は経験したほうが良いと思う。
ぼくは人生経験に乏しいけど、食品工場の最終面接でオフ会の話をしたら渋い顔をされたのに内定をもらったので、自分の引出しを増やしていくのにもオススメだ。ホント、こういう機会じゃないとなかなか会えない人はいるからなあ。

◆げんしけん

以上、ぼくがウィッチウォッチの『オシエニシッシ』は特に好きなシリーズなのかを語り切れたわけだが、このシリーズ、なんとなく『げんしけん』に似ているなあと感じられた。
今週は特に顕著だったと思う。作風は全然異なるのだが(どちらとも濃いが)、いちおうげんしけんも笹原くん攻・班目先輩受のBL本を作っていた(あれ??本当に作っていたっけ????)からなあ。

篠原先生もげんしけん好きなようで嬉しい。うん、ぼくも大好きSA!
そして大野さんを挙げるあたり自分の性癖を隠し切れていないのがモロバレである。

そういえば『げんしけん』も週刊少年マガヅン連載の『くじびきアンバランス』という作中劇があったんだよな。くじアンも単独アニメ化、漫画化、小説化(MF文庫J)されたのだから、まさか『うろミラ』も微レ存…?とワンチャン期待している。すげえ作るの難しそうだけど。

『げんしけん』は大学生らしくディープな世界への突入にして野郎が多い。一方で、ウィッチウォッチは高校生らしくライトかつ、はじめての異世界文化に触れる、そこが大きな違いなんだと思う。濃いけど、少年ジャンプらしくまだ健全の領域である。今思えばげんしくんも笹原くんがはじめてのコミケとかエロゲとか童貞卒業はあったけど、真桑先生とクックちゃんは女子らしくライトな初体験なものばかりであるな。

そんなわけで次号のジャンプは『うろんミラージュ』が一年ぶりにマジのガチで掲載!
記念すべき第100話が作中作に乗っ取られるのはどうなんだと思わなくはないが、めっちゃ楽しみです。今回もきっとわけわかんねえ曖昧な内容なんだろうけど、ざっくりいこうぜ!

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