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むめさん

富士宮市にお気に入りのお好み焼きさんがある。
「むめさん」

もう腰も曲がってきているおばあちゃんが焼いてくれるお店。
店内はそんなに広くなくて、真ん中に大きな鉄板が置いてあってカウンターのように座れる席が10人分くらいかな。その周りに2卓のテーブル席。あとは混んでくると使用する別棟のお座敷がある。(トップの写真の青い屋根の裏側にある)

おしゃれなお店とかではなく年季の入った漫画が置いてあったりする、どことなく懐かしい、人情味を感じる店内。何気なく見上げた壁には手書きの文字があって今年は桜えびが高騰らしく、「えびはありません」って書かれてた。*2019/06/16現在。

お好みを焼いてくれる鉄板の前にはおばあちゃんが1人立つ。真剣な眼差しで混んでくるといくつもの生地を焼いてキャベツをたっぷり載せて、それぞれのトッピングをして…の繰り返し。おばあちゃんのいる鉄板前は人一人が立つ分のスペースしかない。
その横をたまたま店員さんが通った時におばあちゃん呟いた。
「まったく邪魔だねぇ」
でも来てるお客さんはそれを見て聞いて思わず微笑む。そんなお店。

決して愛想がいいわけではないのだけど、こちらの会話を聞いてて鉄板越しに返事をしてくれる。
愛想を振りまくでもなく真摯に一生懸命焼いてくれるその姿をみんな見てるから、頼んでから20分程かかるけどみんな大人しく待ってる。いや、ワクワクしながら待ってる。

キャベツがたっっっぷり入ったお好み焼きはじっくり時間をかけて焼くから中はとろっとしていて外はカリッ。その味ももちろん、おばあちゃんの人柄もあって結構混んでるお店。休日にもなれば駐車場はいっぱいになって駐車場の空き待ちがでる。

遠いからそんなに頻繁には通えないしいつも結構待つけれど、行くたびにその味とおばあちゃんの顔を見てほっとする。
通い初めてもう何年か経つけど、できればずっとずっと続いて欲しいお店。

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