孤独な育児

小学生や中学生の頃、自分の学校だけが世界の全てだった。
もちろん何らかの手段を取れば、誰かと繋がれたはずだったのに、私たちにとってはそこだけが全てだったから、そこで居場所がなければ世界のどこにも居場所なんてないと思っていた。

育児をしていて、部屋の中で、真夜中。
まだ意思疎通の出来ない子供を抱えて揺れながら、そんな感覚になる。

世界で、たった独り。孤独の戦い。

自分だけが自分の味方で、誰にも頼らずこの子を寝かしつけなければならない。
そんな感覚。

世界には同じことを考え、経験し、頑張りあっている母たちがいても、繋がれるわけでもなく鼓舞し合える訳でもないから、仲間という意識がない。

私だけじゃない、戦ってる人がいる。
そんなふうに考えられるだけで、少し気が楽になるはずなのに。

孤独は、閉塞感を生み出す。
この部屋だけが自分の世界の全てで、他は視界に入らない。

だから無理やり、視界を広げようとする。
そうして私たちはネットの海で手を取り合って助け合う。
相談に乗って乗られて、孤独をやめようとする。

ネット社会で私は孤独に勝てた気がした。
まだまだこれから長い道のりを、世界の母たちと繋がり、鼓舞し合い、乗り越えようとしている。

私たちはある意味では恵まれた時代で子育てを出来ているのかもしれない。

孤独な育児から今日もまた、誰かが救われますように。

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