親に猛反対されても中国人彼氏と同棲した話7

こんにちは。今日も続きから投稿していきます。

2人で北陸に行くと決まった時に課せられた私の1番初めの課題は、
それを学校側に伝える事だった。
高校生の女の子が4つも年上の男と、親元を離れて北陸へ行くことに担任はなんと言うか。就職担当の先生に何か言われないか。
憂鬱だと思いながら、季節は夏休みに入ろうとしていた。

高校生が学校斡旋で就職先を探すのは夏休みに入る少し前、そして会社見学は夏休みに入ってからが一般的で、大体10月頃に初めて面接などが行われる。
その見学する会社をどこにするのかを決めるのに、進路指導室のハローワークにある様な求人票を見る。
ただ、私はそこからは決められなかった。関東の高校の子が北陸に就職するなんて滅多にある話ではない。そのため、求人はおいてあるはずもなかった。

学校斡旋で就職するのが1番楽だと思った私は、まず担任に相談することにした。
2人きりの時間をもらい、担任と向かいあい話した。
実は、と北陸に就職したい旨とその理由を話す。担任は、私の予想を裏切り、思ったよりも喜んでくれた。
「はるたさん、彼氏と北陸かあ!そんな決断できるなんてすごいね。先生は応援するよ。はるたさんが大事な話打ち明けてくれたから先生も大切なこと伝えるね」
と唐突に言われ、何を言われるんだろうと思った。
「先生も実は、彼女と婚約したんだ。結婚は君たちが卒業してからだけどね。これは内緒だよ。」
思ったよりも幸せな報告だったので、え!すごい!おめでとうございます!と伝え、2人で少し話したあと、担任が切り出した。
「ところでさっきの北陸に行くって話だけど。先生はわかった。でも、就職担当の先生には理由は言わない方がいい。多分なんか言われるから。先生から北陸に行くことは言っておくから、後で進路指導室で就職担当の先生に指示仰いで」
私も就職担当の先生には何か言われる気がしていたので、そう言って貰えて少し安心した。

その日の5~6限目は進路指導の時間で、進学の人は各々勉強やオープンスクールなどの日程などを調べたり、どこへ進学するかを考えたりする時間、私たち就職組は見学先を決める時間だった。
進路指導室へいくと、就職担当の先生に、「あ、はるたさんは県外よね。こっち」と、隣の部屋へ呼ばれた。
そこは普段生徒は立ち入り禁止なのだが、そこにあるパソコンを使って斡旋専用の求人のホームページを開き求人を探すことになったので、少し特別感を感じながら見学先を探した。
おそらく、県外に就職する場合ここからしか探せないのだろう。

当時アルバイトで接客が嫌になっていた私は、事務で絞ることにした。
ところが私は、彼が就職した先の住所がどこかもわかっていない。
近くにすると言っても土地勘もない。
今思えば無謀なのだが、とりあえず仕事内容と年間休日だけを見て見学する会社を2社に絞った。
見学するとなれば北陸に行くわけで、交通費が出るわけもないので一日で済ますことになる。そうなると2社が限界だと思った。
北陸に1人で泊まる勇気も経済力もなかった。

ここにします、と先生に渡し、先生は先方に連絡を入れてくれる。
そして私は北陸へ行く準備をする。そのような流れだ。
高校生はまだ大人に甘えられる貴重な期間だったと、思い返すと改めて思える制度だ。
1人で新幹線に乗って県外に行くのは初めてなので、その時からとても緊張していたのを覚えている。

そして夏休みに入るが、私は夏休みの約半分を学校に通わなくてはならなかった。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?