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部屋の外に一歩でてみると、氷のような透明な冷たさが服越しに肌に伝わる。

ぱりっとした澄んだ空気。呼吸に合わせて白く浮かぶ息。刺さるように頬に吹く風。

冬だ。

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朝の靄がかかったようなふわりとした光の中を歩く。まだまだ準備不足な格好の私は少し早足になる。


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周りを見ると、触り心地の良さそうなマフラーにダークカラーのブーツ。何にも覆われていないそのままの指先は次第に冷えていく。夏の名残など感じさせない。

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コーヒーを両手で包み、体温を取り戻していく指で冬を意識する。ロンドンの冬は厳しいだけでなく、優しくもあるのだろう。


10月の終わり、晴れた日の朝。光の差す方へ向かって歩いていく。


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ハルノ

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