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第8話 アルバイト始めます in???

〜前回までのあらすじ〜
高校二年生のさと子さんはパンが大好き。パン作りが趣味なおばあちゃんと二人暮らしをしています。同い年で起業をしようとしてるでっちゃんに、「さと子のパン屋さんをやろうよ」と言われたさと子さん。おばあちゃんに連れられて…?


着いた。

今日は定休日らしく、「closed」という札のかかったドアが見える。

青い olive の看板は、屋根の上にのっている。

窓からは陽の光が差し込んでいるようで、お店のなかは暖かそうだ。

「みつろうさーん!」

おばあちゃんが、インターホンに語りかける。

ガチャっとドアが空いて出てきたのは、小柄なおっちゃんだった。




「よぉ!お孫ちゃんかのぉ。よー来たね。」


はい。お孫ちゃんです。


「さと子と言います。」


「さと子ちゃん。わしのことはおっちゃんとでも呼んでくれろ〜」


おっちゃん。かわいいなぁ。なんだかカエルみたいだ。


案内されて、席へと座る。

おばあちゃんは、昨日包装してたチョコとナッツのクロワッサンを出しはじめた。
何個持って来たんだ、、、ってくらいいっぱいある。

「はい、これ。頼んでたやつ。一個、いくらにしましょう?」

「ほぉ〜こんなにつくりはったんか。…213円やな。」

小柄なおっちゃんが微笑んでいる…。

「ん?どういうこと?おばあちゃんこれここで売るの?」

「そう。」

し、知らなかった…。
確かに、パン屋を作らなくてもパンを売ることなら出来るんだなと納得。おばあちゃんと2人でパンを売ったら楽しそうって話をしてたあの日からきっとおばあちゃんはおばあちゃんで動いていたんだな。。。
さすが、女手一つで息子を育てただけある。。

なーんて考えてるうちに、2人の会話はどんどん進んでいって、どうやら明日から、このパンを売ることになったみたい。
名前は、「なっちクロワッサン」

ナッツ の ナッと、
チョコの チ で、
なっち ということらしい。

また、カエルみたいなおっちゃんが笑う。


「はいこれで私の用事は終わり。さと子はどうするの?」


そうだ……自分の口で、ちゃんと、言おう。

「ここで、バイトさしてもらえませんか?」


「ほぅ。ほぅほぅ。いいよ〜。」

意外とあっさりした返事に拍子抜けしてしまった。
何はともあれ、バイトとして雇ってもらえるみたいだ。

「え、ありがとうございます!
仕事内容とか、シフトとか時給はどうなりますか?」

「さと子ちゃんの希望にそうで〜な。」

この、私に全てを委ねてくる感じ。不安になるこの感じ。このおっちゃんが、私のことを自分で立たせようとしているのがわかった。

「平日、毎日来ます。だいたい、夕方16:30〜21:00まで。仕事内容は、まずは見学させてください。それで決めます。時給も、、見学してから決めさせて下さい。」

「ふむ。よかろう。」

「よろしくお願いしますっ!明日からでいいですか?持ち物はなんでしょう?」

「私服で来てくれればそれでええよ〜。エプロンとかはこっちにあるから気にせんといてーの。」

「わかりました!ちなみにパンは作れません!」

「聞いとるよ〜。パンに囲まれるのが好きなんしょ。」

おばあちゃんの方をちらりと見ると、私は知らないよ〜って顔してそっぽ向いてた。それがなんかおかしくて、3人で笑った。


「明日から、よろしくお願いします。」

カエルみたいなおっちゃんはニコッと笑ってる。握手して、また明日。


「おばあちゃん。連れて来てくれてありがと。」

「い〜え〜。」



2人で歩いて帰る。
ちなみにoliveというおっちゃんのパン屋さんは、私の家から徒歩10分。


家に着くと、でっちゃんが玄関の前に座っていた。

「え?!でっちゃん?どうしたの??!」





つづく

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パンをこよなく愛する高校2年生のさと子さん。パンを作るのが趣味なおばあちゃんと二人暮らし。それが、ある日、パン屋さんをやることに…?!気まぐれ更新中🍞

望月遥菜が書く初の小説です。

「さと子のパン屋さん」一覧はこちら

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