優姫先生のこと

最後の振り返りは優姫先生について。

私は元教師です。いろんな理由があって辞めたけど、教師であった自分も過去も、今は大切にしています。

そんな私が、まさか、こんなにも早く先生の役が出来るなんて思ってもみなかった。インスタでも書いたけど、優姫先生は過去の私であり、過去になりたかった私です。

優姫先生にはね、脚本に描かれてない過去があるんですよ。割と早い段階でその過去について聞いていまして。
そのバックボーンをお客様にどう見せるかが今回の1番の悩みどころでした。
ここから先は、男澤さんに聞いた優姫の過去と私の解釈が混ざった形で書いております。

優姫の両親は、仕事人間で子どもよりも仕事の人たちでした。だから、おじいちゃんであるゴリ爺が小さい頃から親代わりで。両親よりもおじいちゃんのことが大好きだった。

だけど、中高校生くらいの年頃になると、だんだん周りの家族と比べちゃって。育ててくれるおじいちゃんには感謝しつつも、恥ずかしさもまた現れてきて。大好きなはずなのに素直になれなくて。ずっと、モヤモヤしてた。

高校卒業して大学進学する直前。きっかけは多分些細なことだった。でも、一度口から出た言葉は止まることを知らなくて。今までずっと心の中に押し殺していた気持ちや、その場で出た思ってもない言葉をひたすらにおじいちゃんにぶつけてしまった。

そのまま家を飛び出して7年。あの日のことを、ずっと謝れなくて。でも、おじいちゃんが好きだった音楽は優姫も大好きで。だから音楽の先生になった。

ずっとモヤモヤした気持ちを抱えながら教師としての日常を過ごしていたところに、家庭訪問で訪れた先で久々におじいちゃんと再開するわけです。

わざわざ心ちゃんの家まで家庭訪問するあたり、やはり心と自分を重ねて見ていたんでしょう。(家族構成とかそういう部分で悩んでいるのではないかと、察しはついていたとおもいます。)心は、どうにか救ってあげたい子だった。

第1幕の最後、心と横田がお互いに向き合うシーン。優姫先生は側で見ていて、安心する反面、すごくすごく辛かったです。特に、心の「ごめんなさい」って一言。たった一言だけど、自分は7年間も逃げ続けて、言えないでいる言葉で。

教え子に教えられたような、先越されたような。言葉にできない複雑な感情が、ぐるぐるしていました。

でも、そこは素直な優姫先生ですから。心のおかげでゴリ爺とまた向き合えた。最後のシーンなんてね、あんなことまでやっちゃうくらい本当は仲良しだったんですよ。(アーカイブ観てください。2回目)

ということで、7年越しにおじいちゃんと和解できた優姫ちゃん。よかったね。

時間というのは時に残酷で。残されたおじいちゃんとの時間がどれだけあるのかは分からないけど。これからは、いつか来るその日まで、おじいちゃんと仲良くね。



優姫先生は自分自身も悩みながら、でも横田には明るく接して、不安を与えない。一緒に解決しようとしてくれる。そんな先生でした。

私が教師をしていた頃に足りなかったのは、きっとこの明るさかな、なんて思ったり。若い先生なら特に、保護者の前って、何度会ってても緊張してしまうもので。でも、それがかえって不安を与えてしまう。

まだまだ若い優姫先生だけど、そういうところがすごいなぁって思います。

私も子どもたちの前では優しくて明るい先生だったけど、保護者の前でも同じ姿でいることが大切だったのかもしれませんね。


優姫先生として舞台に立ててよかった。
大切なことを教えてくれてありがとう。

A班 優姫役 立花春菜

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