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元産業看護職がCarely SustainableExpoを見て学びと感想をまとめてみた②

こんにちは!今日も昨日に続き、株式会社iCAREのDevチーム、小川が執筆します。今回の内容は、前回の内容の続き・産業保健EXPOのまとめの第二弾となります。

前回のまとめ
これからの産業保健はWell-beingの観点で考えていくことが大切。この価値観は一人一人が持ち個別的なものであり、正解などはない。iCAREでは5-Ringsという視点で健康づくりを行うこと、さらに事業戦略と経営者のコミットメントにより持続的な事業成長が望めると考えている(CEO/山田洋太)。そして私個人の意見としては、我々従業員も、働く人の一員として自身のWell-beingを問い続けてほしいと思っている。

では今回は、

「ひとりひとりのWell-beingを、
どうしたら実践できるのか」

という、より具体的な内容や例をまとめていきます。EXPOでの学びとしては今回の記事の方がわかりやすいかもしれません。

本エントリーは iCARE Advent Calender 2021 の7日目です。🎅🎄🍷

対象者とする人

・医療や健康に関する業務効率化に興味がある人
・働く人の健康に興味がある人
・「iCARE」「Carely」について興味がある人
・Carelyの開発に携わる人

結論:「デジタル化・データの活用によってWell-beingを実現することができる」


(1)デジタル化の波を活かそう

デジタル革命が解決の鍵になる

・ひとりひとりのwell-beingはデータの活用、やAIによって、実現可能になってきている。
・デジタル革命の本質は、つながること。データを共有しながら、どうやって価値のある社会を作っていくか。その軸としてwell-beingを意識することが大切
・テクノロジーを活用して、我々が何をできるのか考えることが大切
・個々人の価値観は、健康データの利用によって、その価値観を支援することができる
・イメージ作りの企業戦略だけでは済まなくなり、世界各国も数字の指標を大切にし始めている
                   ___EXPO登壇者(複数)より

個別性をデータにして管理することによって、その個別性は守られるらしい。
・・・・・ふむふむ?どういうことや🤔

医療の現場ではひとりひとりの個別性を大切にするため、本人のプライバシーに配慮しながらコミュニケーションを丁寧にとり、各々に合った健康プランを医療職が提案したり、情報提供することが多かった。
相手のWell-beingに寄り添おうと個別性に向き合えば向き合うほどに、時間や人手が足りなくなるという葛藤があり、いくつ身体があっても身が持たない・・😭💦と思う部分でもあったが、デジタル化することでむしろ個別性を尊重することが可能なようです。

データ化を通じて見えること

・それぞれの誰がどう考えているののではなく、サーベイによるデータによって、個人の支援することができる。「誰が」どう思っているかは、特定する必要はない
・ストレスチェックなどの指標は、あくまでとっかかりである。水際だけでなく、そこから本質的な問題を見つめることにより、人員配置や「本当に従業員に求めてられている健康施策とは何なのか?」を考えることができる。
・以上にデータの活用、集団分析の意義がある。
              ___EXPO登壇者/ iCARE代表取締役・山田

これは個人的に「確かに!」とハッとし納得させられる内容でした。全ての従業員に1対1で向き合うことも必要だが、データを活用することにより、集団を効率的に捉えることができる。

(2)データを誰がどう活かすのか?

経営側が活用し、体制を整える
では集めた健康データを使うのは誰なのか?企業である。そして企業の施策決定権のある経営者側が、従業員がどのように健康を位置付けているかを把握するのに活用することができる。

5-Rings実践のために、事業戦略と経営者のコミットメントが土台となる。
経営者が取り組まないと実現しない。   __ iCARE代表取締役・山田
現場だけではなくて、企業全体・個人のデータ分析を通して、文化の浸透と実践をするために現場の従業員、外部への情報開示で投資家・経営層・広報や経理の面で「健康経営・推進担当者」が進めていく必要がある。
                      ___iCARE・CFO加藤
・健康経営を目指す企業では、長期的・持続的な事業成長につながるように、健康に関するKPI(目標数値)を定めている。
・KPIの重要視のポイントは、企業によって違う。また、同じ企業でも事業所によって違う。              ___iCARE・CFO加藤

弊社iCAREの考える健康経営は、経営者が率先して会社全体の取り組みとして健康データを活用した施策・取り組みの実践のPDCAを回すことについて語っている。
このデータ活用からPDCAを回す際のポイントとなるのは、

・元データを直接見ること。数字は嘘をつかない
・ファクトベースで進め、「事実」と「所感」を分けること。
・PDCAのPは最小限にして、Doに時間を使う。
                    ___株式会社圓代表・澤円

企業それぞれが健康データの活用によって集団の健康施策を考え、企業がその施策をオープンにすることで、企業に所属する従業員の共感が得られ、健康施策への理解・参加が得られます。こうしてPDCAを回すことが可能になります。

どれくらい取り組めばいいのか


産業保健の取り組みは、短期的に成果の出るものではない。1〜2年だけでなく、10年もしくはそれ以上のスパンで評価をする必要がある。
                      ___iCARE・CFO 加藤 

まさにその通りで、職場は病院のような治療や養療を目的をする場ではないし、多くの精神的にも肉体的にも健康の範囲にいる人が多くいるし、多くの人は自分が病気であるという認識は日常的にあるわけではない。数百人規模の従業員に対して1人〜2人の産業看護職が働きかけるには、一朝一夕では成し得ない。
これは産業保健現場でも強く感じたことで、ある意味いち産業看護職として多くの従業員にできることなんて大してないのではないのでは、果たして自分がいる意味はあるのだろうか、と無力感に襲われたこともありました・・・。
しかし、産業保健職の取り組みが無駄であるということが言いたいのではない。それほどの長期間、企業や従業員との関わりを見ていくことが必要であるため、企業や従業員との信頼関係やスムーズな連携が取れるコミュニケーションや体制がとても重要になってくるのです。

従業員たちによる取り組み
取り組みは企業の経営側だけではありません。従業員一人一人、そして従業員をまとめる上司やマネージャーも、事業の持続的な成長のために健康課題に取り組む義務があります。
例えば、

・マネージャーが、部下が相談しやすい環境を作り、自らコミュニケーションを取る。
・部下とマネージャーが情報共有しやすいラインケアの仕組みを整える。
・従業員一人一人が隣にいるメンバーや他部署のメンバーに興味を持ち、他人の立場になり、あらゆる価値観を知ってみる。

主体性のある働き方が認められる社会に変化を遂げる中で、一人一人の働きも求められるようになりました。
弊社iCAREも、一人一人が自然に意識しており、この文化を体現できている企業だなと日々感じています❗️流石は産業保健に取り組む弊社😊👏
マネージャーやリーダー陣が、1on1、イベント、社内情報共有アプリ、対面でのコミュニケーションを積極的に行い、部署をまたいだオープンな雰囲気を作り、日々活発なコミュニケーションが交わされています❗️

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個々人の健康に対する価値は、高まってきている
近年、デジタルデバイスやアプリの活用も目立つようになりました。

・性別世代を問わず、ポケモンGOのアプリユーザー増加に伴いウォーキングや外出の機会がふえた
・AppleWatchも経皮的血中酸素飽和度:SpO2を測れるようになったり心電図測定の機能が追加された
・食生活管理アプリや睡眠測定アプリの普及

デジタルの活用によって「楽しみながら」、「これまでのライフスタイルに加えて」、「おしゃれの一環として」、健康を生活に自然に取り入れることに成功しつつある。

しかし、ここで課題となるのが健康データの取り扱い。

(3)健康データの位置付け

健康データを活用する上での現場の意見と問題点
EXPOで弊社CEOの山田は、産業保健現場の人事・看護職・産業医に自身で行ったアンケート調査の結果を公表していた。
まとめると、

・これから活用したい健康データ:ストレスチェック・勤怠・検診結果
・健康データ活用の目的:組織開発と改善・健康施策の立案・仕組みの業務効率化
・健康データ活用の価値:情報の可視化と検索・業務効率化と自動化・将来予測と傾向分析     
            _____iCARE・CEO山田のEXPO資料スライドより

しかし、こんな問題点もあるのです。

・健康データが活用できない理由:忙しい本業・属人化・不明瞭な目的
さらに、データの取り扱いが不慣れ(半数以上)
            _____iCARE・CEO山田のEXPO資料スライドより

う〜〜〜〜ん、これは紙カルテ文化の産業保健分野ではすごくわかる・・😭💦現場は常に精一杯で余裕がなくとても手が回らないのです😱本来見るべきデータにすら手が回らない、そんな現状。
利用しやすいデータが用意されていたら是非使いたいし、そういうのあったらイイナ・・🥲と言いながら過ぎていく日々・・。(ぼやき)

健康データは機密性の高いデータ
医療情報は、特に個人情報の取り扱いに厳しいもののひとつです。
個人が自身の健康データにアクセスする権利も必要だが、その管理はどこまで許されるのか?という議論はついてきます。
(ここらはあまり私自身詳しく無いのでこれから勉強していきたい)

(4)健康データをどう取り扱うか?

では一体どうした良いのでしょうか。ここまで長くなりましたがEXPOで話されていた方向性は以下にまとめました。

データの透明性を担保する

データの取り扱いについては、医療機関でもなく企業でもない第三者的で中立的な立場から透明性・信頼性を確保していくことが望ましい。
まさに弊社の製品、Carelyはそれを叶えているのでは?

■ オープンにするデータと、クローズにするデータを分ける
健康データの透明性が確保されることは望ましいのですが、その中でもセンシティブな内容はあります。特にメンタルヘルスですね。
こういった、透明性にも現実的なものと非現実的な内容があります。そのような時に、以下の方法で解決できるようです。

・オープンな内容とクローズ内容に分けること
・それらを個人で選択できること

データの信頼性を支える技術
企業の従業員の健康データとなると、膨大な量のデータとなり、さらに機密性の高い情報となります。データの漏洩や不正なアクセスなどがあってはならない。そこで、その機密性を実現するのが、弊社の製品Carelyでも使われているSaaSという技術。具体的には以下のような対策をとっています。

・脆弱性診断を定期的にやっている
・企業様ごとに独自のパスワードの有効期限とかをカスタマイズできるようにしている。
・IPアドレス制限、2段階認証など      ___iCARE・CTO 荻野

他にもCarelyを支える技術はたくさんありますが、以上のような技術も活用することで、品質を維持し、お客様の要望を満たせるように日々進化しています。

(5)まとめ

如何だったでしょうか?
大変長くなってしまい恐縮ですが、大まかな産業保健のこれからの流れを感じてもらえたのでは無いでしょうか?EXPOでは、産業保健の質の高い実践は、あらゆる立場の人々が支え、考慮し、組み立てられているものであることを学びました。それらも、まだまだ発展途上かもしれません。
「AIに仕事を奪われる」と怯えたり、何でもかんでもとりあえずデジタルトランスフォーメーションするのではなく、人がデジタルを活用していく術を学んでいかなくてはならない時代になっているのでしょう。

私の感想と、私が開発チームでやっていきたいこと
前回の記事では、産業保健の基盤となる、「健康」やその先にある「ウェルビーイング」について書きました。しかし、ウェルビーイングという理想の状態は思い描くだけで実現するには多くの障壁がありました。それを解決するのが、デジタルの力だと思いますし、EXPOを通じてさらに確信できたと思います。
現場で活用しきれなかった健康データはたくさんあり、思い出しても悔しい思いです。しかし、iCAREでのCarelyの開発を通して、産業保健の経験も生かしながら、私の知らない業界や企業や多くの知らない人たちが、幸せになってくれたらいいなと思います。
まだまだ技術的には開発チームの一員としては一人前ではありません。ですが私のできることに一つ一つ取り組み、できることを増やし、働く人の健康を世界中につくることを実現する人の一部になりたいと思っています。

最後に

産業看護職の中でも読まれている本をおすすめします。わかりやすいので気軽に読めます。産業保健の現場では、医療職はどんなことをしているんだろう?興味がある方はどうぞ。チラ見したい社内の方、声かけてくれれば貸しますw

産業保健に、健康経営に、iCAREに少し興味を持ってもらえましたでしょうか?エントリー募集してますよ!
ではでは、次の iCARE Advent Calender 2021 の8日目は、誰か・・さんにバトンタッチ・・・したい!誰かー!

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