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街を"再"体験できた日々のこと

今夜は、CHOUB Gospel Choir(シューブゴスペルクワイヤー)「クリスマスチャリティコンサート2019」のリハーサルにお邪魔していた。いち出演者の"ヘルパー"として毎年のように参加している。彼は知的障害のある青年(いや、自称"こども")で、アフリカキカクでつくった絵本『からすのチーズ』の著者でもある。明日、12/7(土)大田区の東調布教会にて、14時半開演、です。

ぼくが"支援"の仕事を始めたのは、2012年の9月なので、もう7年が過ぎた。ということは、明日の出演者であるしむら氏とも、7年の付き合いになる。その仕事を始めた月に初めて会ったのだが、それは"外出支援"の現場ではなく飲み会の席で、だった。そういう人も、います。

ぼくはその頃から、直感で、「どちらが支援されてるんだか、わからない」と言っていた。もちろん仕事はしますよ。でも、自分の方が一方的に支え、援助しているだけ、というような気がしたことは一瞬たりともない。

彼らから受け取っているものは、自分にとって大きかった。その一端が、2014年1月の『アフリカ』(赤いりんごが表紙の号)に載っている「「外出」という仕事」に、ぽろっと出ている。

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それからも、もう、5年? もうすぐ6年がたつ(書いたのは、昨日のことのようだけど!)

冒頭は、こんなふうだ。

 さて、どこへ行こう。
 ということからはじまる。
 これは「仕事」ということになっている。どこへ行ってもいい。でも、ぼくの行きたい場所へ行けばよいというわけではなくて、彼が出かけるための「支援」ということになっているのだが、さて、彼はスキップしながら、ただ歩いて行く。
 どこへ行く、とは言わない。
 そもそも、彼はことばをもたない。いや、もっているのかもしれないが、ぼくに(他人に?)伝えられるようなことばをもっていない。
 ──ねぇ、どこへ行く?
 と、いちおう聞いてみる。
 彼はぼくをちらっと見て、すぐに、またどこかちがうところを見ている。

ぼくは彼らと共に、街をあらためて"体験"することができた。街が、ひとりで歩いている時とは、別の表情をして見えてきた。その街が、どう感じられるか、書くことから始めたのだった。

(つづく)

日常を旅する雑誌『アフリカ』最新号(2019年7月号)、相変わらず発売中。在庫が少なくなってきたので、お早めに。

「道草の家・ことのは山房」のトップ・ページに置いてある"日めくりカレンダー"は、1日めくって、12月6日。今日は、美しい雲の話。

※"日めくりカレンダー"は、毎日だいたい朝(日本時間の)に更新しています。

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