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ねずみファミリーの干支飾りと「ひなた工房」の2019年

この1年を振り返ってみると、今年の1月には、まだ「ひなた工房」はなかった。"豆マット"をはじめとする毛糸を使った作品をつくって、販売しようと考えはじめたのは2月じゃなかったか。冬の晴れた日の朝、道草の家(わが家)の2階で作業していると、エアコンはないのだが、部屋が日だまりになってぽかぽかになる。それで「ひなた工房」になった。販売のデビューは4月20日だった。

その前日には、ここ(note)で、「ひなた工房」のやろうとしていることを「暮らしの中にある"あそび"のおすそ分け」とぼくは書いている。

その"デビュー!"の日には、ひなた工房を代表する商品はたぶん「豆マット」で、それは何か小さな置物を置くためのマットであり、見本として私物を置いて売っていたら、上に置いてあるものを欲しがる方が続出した。他にも、「虹のドリームキャッチャー」とか「シェルポーチ」とか「太陽さんブローチ」とか「花クラゲ」とか「ヨーヨーフラワー」とか、毛糸をつかってつくられた作品(製品)が主だった。

ある時から、木の粘土を使い始めた。その頃のことを、本人(「ひなた工房」の暮らし遊び作家・ことのは山房さん)に聞いた。

 息子と博物館へ行ったときにお土産コーナーで初めて出会った木の粘土。紙粘土は使ったことがあったけれど、木の粘土というのを初めて知って、気になって買ってみた。おがくずが原料で、作っているときも手にくっつきずらくて、木のいい香りがして、子どもが遊ぶ粘土としていいなと思った。子どもと遊びながら私も一緒に粘土作品を作るうちに、木の粘土の触り心地が気に入り、乾燥させるとテラコッタ色のクッキーのような素朴な質感になり、軽くて丈夫なのもいいなと思った。
 最初は自分が使うキーホルダーなど暮らしの中で役立つマグネットを作るようになり、それが発展してブローチなどのアクセサリーも作るように。作品数が一気に増えたのは、開封したら数時間のうちに使い切らないと固まってしまうから。必然的に追い込まれる感じで作品数もバリエーションも増えていった。同じものを作ると飽きる性格なので。

どんどんつくった。秋に、横浜らいず「丘の上のマルシェ」に出店した時には、粘土作品が主力商品のようになっていた。

あの日は、「どんぐりホルダー」(どんぐりを置いて飾るためのもの)が大ウケで、ぼくはびっくりした。11月に珈琲焙煎舎とコラボした「道草だるま」もその時、生まれていたし、"役者"が揃った「ひなた工房」として真の"デビュー!"は「丘の上のマルシェ」だったと言ってもいいような気すらしている(横浜らいずの皆さんに感謝)。

その「ひなた工房」、年末には、2020年の干支である「ねずみ」をモチーフにした干支飾りをつくって、送料など全て込みで2020円で販売している。シャレがきいてるでしょ? もちろん全て1点モノ。同じものはひとつとしてない。

「ひなた工房」には、いつもこういう小さな"生き物"たちが、わいわい、しているのだが、今回は"ねずみファミリー"が干支飾りになった。

※上は製作中の写真。

ボタンが面白い、と思ってそのことも聞いた。

 ボタンはもともと20代の頃から好きで、形が面白いものやカラフルなものが好きで、海外のアンティークのボタンをよく集めていた。ときどき趣味で洋服のリメイクで使ったりして。素朴な質感の粘土とカラフルなボタンの組み合わせが、私好みというか、ひなた工房の作風に合っていてナチュラルな中にも存在感というか、インパクトがあってとても気に入っている。ボタンはあまり同じ物がなくて、干支飾りでも厳選したボタンを使っている。よく見ると模様が入っていたりしているのもあって可愛いです。どのねずみも一点物。

オリジナルの台紙がセットでついているので、これに飾ってもらうのでもいいかな。いろいろ工夫してます。

「ひなた工房」のウェブ・ショップで販売中。数が少ないので、迷っている方はお早めに。万が一、欲しいけどウェブ・ショップで買いづらいという方がいらっしゃったら、ぼくに直接、ご連絡いただくのでも構いません。

せっかくなので、「ひなた工房」で今年は何を大切にやってきたかな? あるいは、何が大切になってきた? という話も聞いてみた。

 毛糸や粘土、ボタン、着物の布地など自分がいいなと直感的に思った素材との出会いを大切にした。その素材を手にとり「あなたは何になりたいの?」と対話をしながら作品を作っている。そうやって問いかけながら手を動かしていると、湯気のようにアイデアが立ち昇ってくるので、その一瞬を逃さないように形にしている。乾燥を待つ間や色を塗る時には、時間と手間をかけて様子を見ながらいい塩梅を見極めている。なので完成するまでにはけっこう時間がかかる。パッケージも全部手作りだし。あと、マルシェなどで出会うお客さんや他の出店者との対話もすごく大切にしていて、毎回いろいろな発見があって面白い。お客さんの言葉に励まされて、アイデアをもらい、次の作品づくりにつながっているのがうれしい。

手を動かした結果、アイデアが「湯気のように」上がってくる、っていうの、いいなぁ。

頭で考えているより、手足を動かしている時の方が、いろいろ出てくるし、考えられる。ぼくもそう思っている。

マルシェに出た結果、その作品を手元に置く(自分以外の)人と実際に出会えたというのも大きい。今年はイベントを企画するんじゃなくて、こちらから人が集まる場に出てゆこう、という話もしていた。それは今年、「ひなた工房」あってこその試みだった。

(つづく)

日常を旅する雑誌『アフリカ』最新号(2019年7月号)、相変わらず発売中。在庫が少なくなってきたので、お早めに。

「道草の家・ことのは山房」のトップ・ページに置いてある"日めくりカレンダーは、1日めくって、12月26日。今日は、クリスマスの日のアレコレ。

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