感覚をどう書くか?──「オトナのための文章教室」
横浜でも(ぼちぼち)始めている「オトナのための文章教室」、2回目の今日は具体的に参加者の書いたものがポツポツと出てきて、それを"読む"というところから始めた。
ハッとしたのは、"「わからない」を書く"という課題(のようなもの)に、いちおう応えて書いたものと、それとは関係なく自由に書いたものを2つ、短い文章で持ってこられた方がいらっしゃったことだった。
スケートに、ショート・プログラムとフリー・プログラムがあるなぁ、ということを思い浮かべたりもした。
その場では、レコード好きなぼくは、アナログ・シングル盤のA・B面、なんてことを思って話したりした。B面は手を抜いて、というか、軽品をあてることがあるかもしれないが、それがあることによって感じられることも少なくないのだ。B面をあなどるなかれ?
自分に見えたり聞こえたりしたことを、きれいに表現する、ということが、表現するということだというふうには、ぼくにはちょっと感じられていなくて、書こうとしたら、書くことによって見えてきたり聞こえてきたり、感じられてくることがあるはずだ。ということの方が大きい。
今日、読むことのできた"B面"には、おそらく書いた当人にも予想できなかった何かが、秘められていた…かもしれない。
NPO法人風雷社中が主催の「文章教室」らしく、障害のある人との暮らしを書いた文章も出てきて、興味深かった。
ひらいている文章 ⇄ とじている文章(どちらも要る、という話)
何を伝えたいのか? どう伝えるか? という話
"文体"は、どうやって生まれるか、という話(の簡単な考察)
人称、具体性、どう感じる?(感情)といった話
自己と他者、の話
感覚的なことをどうやって書くか、という話
情景をどう書くか、という話
こうやって羅列するだけだと、ふ〜ん、と思うくらいのことかもしれないが、それを具体的に手元にやってきた文章を前に一緒にやって(観察して、感じて、考えて)みる面白さがある。
とくに「感覚的なことをどうやって書くか」にかんしては、もしかしたら、考えたことのない人にはまったく未知の世界なのかもしれない、と思った。
以下は参加者の声から、簡単なメモです。
「自分の書いたものから、こんなにいろんな話ができるというのが面白かった。普段気づけないものが得られました。文章について話し合うのが楽しい時間でした」
「普段はひとりで書いているので、こうやって目の前で読んでもらって、話ができるのは貴重な時間だった」
「書きたいと言いつつも、じつは最近、文章を読むこと自体が減ってきている。こうやって読ませてもらって、読むというのは気持ちのいいことだなぁと思った」
あと今日は純粋に"見学"に来られた方もいらっしゃいました。横浜では、また年明けに、という予定。ぼちぼちやりましょう。
(つづく)
三鷹での「オトナのための文章教室」は、こんどの土曜(11/23)14時半〜17時の予定です。メイン・テーマは、「私の好きな風景(をことばで書く)」。こちらも、もう少し参加者募集中。興味あるなぁという方はぜひ。ご連絡ください。
日常を旅する雑誌『アフリカ』最新号(2019年7月号)、相変わらず発売中。在庫が少なくなってきたので、お早めに。
「道草の家・ことのは山房」のトップ・ページに置いてある"日めくりカレンダー"は、1日めくって、11月17日。今日は、久しぶり(?)に「道草ハンター」の話。
※"日めくりカレンダー"は、毎日だいたい朝(日本時間の)に更新しています。
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