高架下の小宇宙 ~私的ライヴレポ③照井利幸さん
ご無沙汰しております。久しぶりのライヴレポです。
ただでさえ独特の蒸し暑さが厳しい名古屋で、長すぎる猛暑にすっかり弱りきっていた筆者ですが、楽しみに待っていた芸術の秋がようやく見えてきました。
居住している団地の自宅にて、とある設備が壊れ(寿命)買い換えるなどした為に、前代未聞の節約を強いられている今日この頃です。よって今月は唯一のライヴ参加となります、照井利幸さんです。
来月は今のところ、brainchild's(初見)、THE GROOVERS(久しぶりのバンド公演@近場)と続きます。楽しみです!!
照井利幸さんは、音楽ファンの方には説明不要かと思いますが、地元名古屋が誇るBLANKEY JET CITYのベーシストであり、チバユウスケさんとのROSSO、RAVENなどのバンドを経て、Signalsなど現在のソロに近い音楽へと移行する傍ら、アパレルや絵画など多才な創作活動を展開しているアーティスト。現在はソロでの音楽活動が中心となっている感じです。
ブランキーなどのロックンロールとは違う音楽性とも言える一方で、その世界観には同じ人が創るものとしか言い様のない共通性が確かにあり、やはりそこが最大の魅力なのかなと個人的には思っています。
その音楽性を一言で表すなら、言葉の要らない空間。まさにSound of Silenceなのです。即ち、レポというものがそもそも矛盾になってしまうので、前置きはこのくらいに。
◇ ◇ ◇
TOSHIYUKI TERUI
独響 Sound of Silence
出演:照井利幸
2022年9月21日(水)
名古屋
K・Dハポン ―空き地―
台風とともに長かった猛暑が過ぎ去り
強制アップデートみたいに秋になりました
少し冷たい風と朝晩の冷え込みが
涼しいを超えて寒いくらいに感じるほどに
雨の予感と蒸し暑さがありましたが
予測不可能だった服装は長袖に決定
照井利幸さんのソロライヴは
個人的には2回目となりました
前回はひとつ前のアルバムのレコ発ツアーで
コロナ禍直前の冬でした
アコースティックギターのあたたかい音
エレキギターの真冬の空気みたいな透明感
心地よいリズムと静謐なメロディ
後ろのほうの席から聞こえてきたお客さんの
開演前の会話が忘れられません
「照井さんなくしてブランキーは有り得なかった
とソロを聴いて改めて思う」
まさにその通りだなあと共感していました
そして今回は 会場も初めて行く場所で
それも含めて楽しみでした
K・DハポンさんはJRの高架下にあって
数分おきに電車の音が聞こえるのですが
不思議と騒音には思えず 味があるというか
レトロ感のような独特の雰囲気があります
建物としては古民家風の木造で天井が高く
吹き抜けの2階部分にも少し座席があって
友人のお宅に遊びに来たような感じで
ゆったり寛げる快適な空間でした
ドリンクは辛口ジンジャーエールを選択
音楽はアコースティックギターを中心に
ノイズっぽいエフェクトが重なったり
強めのベースが絡んだりと いずれも
中毒性のある心地よい音に引き込まれます
今回はハープの生演奏も聴けました
照井さんは いつの間にか静かに登場して
いきなり演奏が始まるイメージでしたが
今回は こんばんはと挨拶から始まり
天気が回復してよかったねと会場に向け一言
ニコッと満面の笑顔が見られました
物静かで少し厳つい感じの照井さんですが
話す時は小さめの声で笑顔いっぱいになり
人柄の良さが弾ける感じがとても好きです
今回のアルバムは初回限定枚数少なめで
あっという間に売り切れてしまったので
諦めかけたところ ツアーが決まって
再販となりました その為
私はアルバムの新曲は未知の状態でライヴへ
次の機会があればまた必ず行こうと思った
中毒性のある心地よい音の世界へ暫し耽溺
終演後の帰り際 表へ出ると
照井さんが店先で喫煙休憩中でした
話しかけるお客さんが次々と足を止めるので
煙草も中断し握手やサインに応じてくださり
段々と人だかりが出来てしまいました
新譜のジャケットが全面黒っぽいこともあり
状況的にも申し訳なくサインは諦めましたが
ライヴがとても良かったと直接お伝えし
思いがけず握手をしていただきました
コロナ禍以降 こういった直の交流は
あまり機会がなかったので 偶然とはいえ
貴重でした ありがとうございました
また来てください!と
お声がけしているお客さんが多かったですが
本当に総意だと思いました
秋の夜長に相応しい深遠な音楽なので
涼しくなった朝晩のひと時に
やっと入手できた新譜をこれから
じっくり聴きたいと思います
ありがとうございます!