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昔、小説と共に書いていた「自分向けのあとがき」の話

商業で小説を出せるようになって三年と二ヶ月が経ちましたが、その前、公募に送りまくって落ちまくっていた時期が私には7年くらいあります。
小説自体は中学生の頃から書いてたけど、本気出して公募に送りまくるようになってからの期間がそれくらいな感じです。

で、昨日ふと過去に書いた作品のフォルダを眺めてたら見つけたんですよ。

あとがき。

どうやら自分、ある時期から作品を応募する前に、総括として自分向けの「あとがき」を残してたようなんですね。

テキストファイルに500字~1000字くらい。日付を見てみたら2010年の11月がどうやら最初のあとがきのようで、冒頭に「自分向けのあとがきをつけることにした。」と書いてありました。十年前の自分なんなんだろう。

書いていたことも忘れてたくらいなので、内容は今見るともはや新鮮。
どういうきっかけでこの話を書いたのか、どこに応募してこんな選評をもらったからこう改稿した、テーマはこれ、ここが気に入ってる、ここがダメ、などなど結構詳細に書いてある。

今見ると考えが足りなかったり構成も文章もいまいちな作品でも、書き上げた当時は色々考えて取り組んでたんだなぁというのを思い出しました。

明るい話じゃないので詳細は伏せるけど、学生時代から自分の中にずっと燻ってたテーマをちゃんと消化しようともしてた。
ある作品のあとがきには「賞に届かなくてもこれを形にできたことがよかった。このモチーフとは一度手を切って前を向く」って書いてあって、こういう気持ちは書き続ける上では大事かもしれない。

また、製作過程をあとがきに残してるのは自分らしい。
プロットが役に立たなかったとか、初めてプロットどおりに破綻なく書けたとか、プロット作りに二ヶ月かかったとか。こういう試行錯誤を経て今のプロット作りまくる自分が形成されたんだなと思うと感慨深いですね。

このほか、このモチーフは今の自分には書ききれないけど何年後かに書きたい、みたいなこともあちこちに書いてあって、かつてやりたかったことを思い出せたりもしました。
あと「このキャラめっちゃ好き」って書いてるキャラが概ねドSメガネなので、基本的なキャラの好みは変わってないのも確認できました。

なおこのあとがき、二年くらいで書くのをやめている模様。

今見ると面白いのでもっと続けりゃよかったのにと思ったものの、最後の方に書いてたあとがき、公募に落ちまくってどうやらメンタル的に続けられなくなったよう。

最初の頃は「楽しく書けた! 達成感! 賞とりたい!」って感じだったのが、「○○で落選したのでここを意識して書いてみた。この題材を書けて楽しかった。結果を待つ」みたいな語調になってて、公募落ちまくればそりゃそうやなってスンとしてしまった。
「書くの向いてないかも」とかも書いてて、ガツガツ送るようになって現実が見えてきた辺りですね。人間なので落ちればヘコむし負け犬根性も育つ。

そんな感じで向いてるかわかんないまま、自分向けのあとがきを書くのをやめて5年、応募回数も3桁に到達し、なんとか賞に引っかかって現在。
過去の自分のためにも書き続けたいなぁと改めて思いました。

出版する作品につけるためのあとがきは今も書いてるけど、自分だけのためのあとがき、また書いてみるのもいいかもしれない。

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