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"人手不足"の解消に必要なのは"人手"か

「ちょっと人手が足りない状況で・・・」

コロナが落ち着いてきたこともあって、多くの事業者様から"人手不足で困っている"という悲痛な声をお聞きしています。

また、

「以前と比べて、ハローワークに求人票を掲載しても、応募がほとんどない」

といったお声もよく耳にします。

"人手不足"の解消に必要なのは"人手"か

この問いについて、僕は半分正解であり、半分不正解でもあると思っています。
(こいつ何言うてんねん!と思っといてください)

"伝わりやすいもの"と"伝わりにくいもの"


突然ですが、みなさんは、どんな会社で働きたいと思いますか?

「理念に共感できて、給料が良くて、休みが多くて、福利厚生が充実していて、仕事にやりがいのある会社」

そんな会社だったら働きたいですよね。

働く会社を選ぶ基準は、"働きやすさ""やりがい"の大きく2つに分けられると思います。

さらに分解していくと、給料や休み、福利厚生などの"働きやすさ"は数字や文字で表しやすく"伝わりやすい"、一方で、仕事そのものや成長の可能性、達成などの"やりがい"は"伝わりにくい"と言えると思います。(「対人関係」はちょっと特殊ですが。)

"働きやすさ"と"やりがい"(GPTWの資料等より作成)

また、"規模の経済"などの理由によって、給料や休み、福利厚生などの"働きやすさ"は(一般的に)、

"中堅企業 > 中小企業 > 零細企業"

となってしまいます。

これは、"零細企業ほど、目に見えにくいもの、伝わりにくいものをアピールしていく必要がある"と、言えると思います。

ハローワークでも求人広告でも人材紹介でもない


信用金庫のお取引先様の多くを占めているのは、中小零細企業です。

ハローワークや求人広告では、働き手にはどうしても"伝わりやすい"情報から伝わってしまいがちですし、
人材紹介では、中小零細企業にとっては紹介手数料が高く、なかなか手が出せません。

※京信人材バンクでは、人材紹介を通じた事業者の成長発展が、長期的な視点で自社の収益にもつながるという観点から、中小零細企業の皆様にご利用いただきやすい手数料(理論年収の10%)としています

"労働力人口の減少"という、これまでにない環境の変化に対応するためには、従来のやり方では対応できなくなってきているように感じます。

"人手不足"の解消には"良い商品"と"営業マン"も必要


人材を採用するには、人材(働き手)に"選ばれる"必要があります。

ごく当たり前の話かもしれませんが、これまでは働き手が不足していなかった(バブル崩壊以降の有効求人倍率は1倍を切っていることが多かった)ので、この点を意識していなくても、人材を採用できていたのかもしれません。

"数ある会社から、働き手に選ばれる"ということは、"数ある商品から、自社の商品を購入してもらう"ということと似ています。

つまり、そこには"良い商品(良い会社)"と、その商品を販売する"営業マン"が必要になります。

"良いところ"を見つけ、引き出す


「いやいや、ウチみたいな会社が、いきなり"良い会社"になるなんて難しいし、社内に営業マンもおらへんよ!」
と、思われるかもしれません。

しかし、数々の事業者様を訪問し、経営者の方々をお話をしていて、僕は「それぞれの会社に、それぞれの魅力があるなぁー!」と常日頃から感じています。

これも、考えてみれば当たり前のことかもしれませんが、

そもそも、会社が売上や利益を計上しているということは、その会社に魅力や価値があるからですので、「魅力や価値のない(良い会社ではない)会社は存在していない」はずなのです。

どんな会社にも、良いところは必ずあります。

ただ、先ほど述べたとおり、零細企業ほど、"目に見えにくいもの、伝わりにくいもの"となってくるはずなので、"見つけにくいもの、まだ見つけられていないもの"なんだと思います。

「良い会社に変える」というよりも、むしろ「自社の魅力や価値(自社らしさ)はいったい何なのか」を見つけ、引き出すことが大事なんじゃないかと思っています。

営業マンは"関係人口"


「営業マンがいないのなら、ホームページを充実させて、SEO対策を万全にして、ホームページに営業してもらいましょう」という話もよく耳にします。

もちろん、これらの手法も1つの手だと思います。
ただ、WEB上では大企業やITベンチャー企業、インフルエンサーなど、数ある強敵を相手にしないといけません。

零細企業こそ、地域に根ざして、地域のつながりから営業マンを探す方が、ライバルも少なく、圧倒的に効果があると思っています。

近年、人口減少に悩む地方活性化のキーワードの1つとして、"関係人口"が注目されています。
会社の場合にも、"会社の関係人口"を増やすことで、その人たちを通じて、より多くの方々に会社の魅力が拡散されていくはずです。

"信用金庫らしい"新たな人材サービスのカタチ


"日頃からお取引のある信用金庫"、また、"地域に根ざした信用金庫"として、
「事業者様の良さを見つけ、引き出す、また、関係人口を増やすお手伝いをすること」
こういった活動が、"信用金庫らしい"新たな人材サービスのカタチだと考えています。

冒頭の問いに対して、京信人材バンクでは、

"人手の部分"を、「人材紹介(ひとつなぎマッチング)」
"人手では足りない部分"を「まちのタレントバンク」「まちごとオフィス」

として、サービスを展開しています。

どんなカタチがふさわしいのか、まだまだ試行錯誤の日々を送っていますが、改めて自分の中での整理という意味も込めて、今回ツラツラと書かせていただきました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!



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