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「スマホを捨てよ、旅に出よう。」2019.11.28 モーニングクロスオピニオン

先日、僕も行きたかった菅田将暉さん主演「カリギュラ」の客席でスマホが鳴りまくっているというニュースを見かけて、「うそでしょ?」と、思わず自分の目を疑いました。若手やアイドルが多い舞台では観劇経験のないお客様もたくさん来るので良くあることなのですが、一流の劇場と一流のキャスト、舞台上はローマ帝国だと言うのに、スマホが鳴りまくる?そんな馬鹿な。

実際、今までどちらかと言うと重厚な作品でスマホを鳴らす人は比較的少なめだったせいもあり、「多少は作品の雰囲気と客層によるのかな」と思っていたけど、ついに新国立劇場でもここまで大きな被害が出るようになったのか…と、絶望的で頭が痛くなりました。僕も来月同じ場所に立つので、スタッフ・キャストさんの心情を思うと真剣に泣きそうです。やめてくれ😭

これで僕がハッキリと確信したのは、「最近、客席のマナーと作品の質は比例しなくなった。」「作品がつまらないからスマホをいじるのではない。」ということ。今や、治安の良い劇場でも映画館でも、いつでもどこでもスマホテロは起こりうるんだと。

ちょうど同じころ、映画館でのスマホマナーについてもこんな記事が出て

「カメラを止めるな!」の上田監督が、「マナー違反をする人を切り捨てたくはない、スマホを閉じさせて映画を楽しませたる!」って仰ってて、それは創る側として皆が思っている事だし、めちゃくちゃ素晴らしいな、上田監督らしくてカッコいいなって思うんですけど、残念ながら僕が思うに、スマホをいじる人っていうのはたぶん、監督がどんなに面白い映画をつくってもスマホをいじると思うんですよ。んで、「いま映画見てるんだけどめっちゃ面白いよ!」って言って、上映中に悪気無くネタバレツイートしたりするんですよ。多分もう、面白い作品をつくることでは、スマホを止めることは出来ない。そういう人は作品がつまらないからスマホをいじるのではなく、たとえ作品がおもしろくても、きっとスマホをいじるんじゃないかと思うんです。

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今、いろんな人がこの問題に頭を悩ませています。

🐤スマホの電源を切らない人の主な言い分はこちら、

・映画はYouTubeより長いから飽きる ・2時間も集中して映画を見られない ・既読がついたらすぐ返信しないとハブられる ・興味がなくても流行りの映画を見ておかないと話題に乗れない ・話が難しくて分からない ・スマホを見ながらでも話が分かるからずっと見てる必要はない ・二時間もスマホを見ていないと不安 ・じっと見てる時間がもったいない ・他の客に迷惑とか言われても、自分は他の客がスマホを見てても気にならないから

🐤それに対する対策としてあげられているものがこちら。

・スマホが使えなくなる妨害電波を流す ・受付やロッカーにスマホを預ける ・スマホを使ったら罰金 ・スマホをいじる人を隔離して、スマホOKの上映回をつくる ・映画館内でスマホに映画を配信してみんな小さい画面で映画をみる笑 ・何度も注意していくしかない ・そもそも映画館に来るな

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まあ僕も「そもそも来るな(っ'-')╮ =͟͟͞͞💢!!!!!!」って毎回思ってるんですけど。でもそうやってマナーの悪い人を排除するために何度もしつこく注意してしまうと、映画や大劇場はまだ良くても、小劇場演劇なんかは確実に先細りして衰退しちゃうんですよね。前説や場内アナウンスであまりしつこく注意喚起しても、今度はちゃんとマナーを守っているお客さんがうんざりして来なくなったりもするし、守らない人は何を言われても守らないし、本当につらいところです。

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で、もっと根本的なところで、こうなってしまった原因って何なのかなあと思って考えてたんですが…これはきっと、「作品の見方が分かっていない」人が増えたんじゃないかなあと。映画や演劇の中にどっぷり入るのではなく、「あーこういうあらすじなんだなー」って、誰が出ててああしたとかこうしたとか、記号としての情報を手に入れに来ているだけじゃないのかなーと。

僕は本を読むと、感動で言葉が出なくて感想が書けなくなってしまうんですが、そのとき母に教わった「読書感想文は本を読まなくても書ける。」っていう裏技がありまして笑

①あとがきやAmazonレビューやネタバレサイトであらすじを把握 ②自分の生活と似たエピソードを探す ③自分の体験や感動したことの自分語りをする ④そこで学んだことは、この本に教えられました、と書いてまとめる

たぶん映画館や劇場でスマホをいじる人っていうのは、この裏技の①をやりに来てるだけなんですよね。映画や舞台を「情報」として見てるから、別世界を外から眺めてあれこれ喋ったり、現実世界のスマホがいじりたくなる。でもそれは、作品を半分も楽しめていない。本当に本当に、勿体ない。勿体ないよー!!って叫びたいです。

映画や舞台のチケット、本当に正しく使えてますか?

俗世との連絡手段を絶つことで、はじめて観客は二時間の旅に出ることが出来る。こんなに大勢の人たちと同じ夢を見ることが出来る、このチケットは、そのための切符なんですよ。これから映画館や劇場で起こることを、登場人物と一緒の世界で味わってこそ、映画館や劇場に行く価値がある。

スマホの音や光がまわりのお客様の迷惑になるからとか、そもそも公共の空間を他人と共有する時のマナーがなっていない!とか、その注意喚起ももちろんその通りなんだけど、僕はマナー以前の問題として、あなたたちは旅に出る切符を買ったのに、一歩も旅に出ないまま家に帰ってしまっている!!って事に、まず気づいて欲しいです。

スマホを捨てよ、旅に出よう。

そのチケットは、異世界への切符です。せっかく買ったのだから、ぜひ使ってください。映画の中に、舞台の上に、物語の世界に来てください。その結果、感動したりショックを受けたりして、レビューブログが書けなくなってしまっても良いんです。一緒にお話の中に行きましょう。スマホを置いて旅に出ましょう。

全ての観客が物語に入ることで、はじめて完成する世界がある。きっと、そこには情報だけじゃない、本物の感動があるはずなのです。



春名風花🐤🍀



【追記】文中の「本を読まずに読書感想文を書く方法」について

母によると、小学生のとき本の内容について書いた読書感想文が「本から何を学んだか書かれていない」と先生にダメ出しされて、ムカついたので一行も本を読まずに「この本のおかげで〇〇の大切さが分かりました!」と適当に教訓めいたことを書いたら賞を取ってしまい、キレてずっとそうしていたそうです。それもあって「本は何かを学ぶために読まなくてもいい」「誰かに褒められるような感想を持てなくてもいい」が我が家の家訓なので、僕と弟は何の規制もなく、良い本もくだらない本もたくさん読ませてもらえました。あ でも僕は真面目なので、いちおう読書感想文の本はちゃんと読みます!笑🐤✨

※Twitterでいただいたこちらのコメントがめちゃくちゃよかったので紹介させてください。ありがとうございます!!!

https://twitter.com/keiten5959/status/1199875094450851845?s=21

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96
18歳になりました

コメント1件

「鑑賞」という文化が廃れ始めているのかもしれませんね。
周りでもなんとなく、作品をYouTube感覚で「消費」しているような雰囲気を感じますし、恥ずかしながら自分でもそのように「消費」してしまう気持ちを自覚しています。

10年ほど前、初めて舞台演劇を観たとき、映画とは違う、「演者と同じ空間を共有する」という感覚に衝撃を受けたことがあり、以来映画やドラマも見る目が少し変わりました。
どんなものでも、誰かが生命を懸けて作った「作品」なのであるということを、誰もがどこかで実感する機会が必要なのかもしれませんね。
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