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コンビニでネパールの方に計算してもらえない時もらえる時

家に帰って玄関でしばし待ち、奥からとてちてとてちて黒いのが出てくるのを待った。

出てこない。

代わりにまだパジャマ姿の詩人が出てきてどうだった?と言う。
人の名前を覚えない自分は、今朝、大変失礼なことをしてしまった。なので気分は最悪で、黙っている。

犬の方はソファで前足を垂らして顎をつけて、目だけこちらを見上げる。
「いやはや眠たい」と言う。
いやはやなんて言ったことないのに、どうしたの?

つまり、付き合ってくれなくても良いのに4時半に起きてくれて、一緒に散歩をするから眠たいのだ。こういう時きっと犬は忠実だ。1日中、靄のようなものが犬にかかっている。
夕方川辺を散歩した時に、小さな河原で放してやると、腹をすれすれに地面につけて、犬ゴーカートか、あるいは、ルーレットになった後、我に返った。回っている間、満面の笑みを浮かべていた。

午後、犬が二階の廊下で、脇を下にして横になり、前足の親指同士をつけて、手首で折って顎の下に持って行き、こちらをまっすぐ見上げた時があった。口は半開きにして「か」と「は」の間の音を小さく出す。これまでだったらこちらがケータイを探しているうちに、犬が元に戻ってしまうところだったが、今日は記憶に焼き付けられた。

「なんてかわいいの!」
手を伸ばすと、右前足をうんと伸ばしてこちらの手のひらを押した。ハイタッチより、ぎゅっと押す時間が長かった。

今日コンビニで、詩人が500円玉2枚と1円玉をトレーに出した後、苦悩しだしたので、後ろに列ができた。金額は806円。
そこでこちらは急いで10円玉を出す。何か言いかける詩人を手で止めて見てて、と言う。205円のおつりが返ってくる。

詩人は「ネパール人が計算してくれるのに慣れちゃった」と言う。
町田では見たことがないけれど、都心では暗算が早い外国のコンビニ店員の方を良く見かける。特にネパールの方が早い。うちの詩人みたいに手にコインを置けば、上記のような作業をやってくれる。多分ゼロを発明したインドの教育が根強いことが関係しているかも。もしよかったら試してみてください。いやそこはPayPayでしょうって言わないで。日本の店員さんは、暗算ができても失礼になると思って敢えて助けてくれないのかもしれない。


言い訳ですが、チップの習慣のある国は、おつりの計算できない人が多いと思います。TIPSと書かれたジャーにお釣りをそのまま入れますんで。

最近PCを立ち上げるとなぜかモノクロの地球が表示されるようになった。小さな合図のように。
こちらは「はっ」と目覚めるものがある。

昼:ゆで卵とチーズのオープンサンドイッチ
夕食:春巻きと野菜炒め