お水と塩とお米と貝
2月の終わりに恩人を訪ねて 沖縄を旅した。
恩人の案内で 北部やんばるの山の中に湧いている お水を汲んだ。
お水をいただいたお礼に 娘と二人で「パフ」を演奏した。
私はウクレレで、娘は学校で習いたてのソプラノリコーダーで。
お水の神様はドラゴンの歌が好きかなと思って「パフ」。
やんばるで汲んだお水は 道中喉が渇いたら飲んだ。
残っていた水は
最終日に
首里城へあがった時に やんばるから切り出された木が通ったであろう木挽門に届けきった。
それで 今回の私が運ぶ水の旅は終わったと思っていた。
明石の家に帰ってから 恩人の家に忘れ物をしてきていることに気づいて、送ってもらうことになった。
しばらくして、恩人が送ってくれた小包の中には 忘れ物だけではなくて「やんばるの山で一緒に汲んだ水」と、お菓子と、シーサーの根付けと、ヤンバルクイナの絵が描かれたタオルが一緒に入れられていた。
「この水は 沸かして飲んでもいいし 明石の海に届けてもいい」と書かれ
ていた。
首里城まで。
今回は首里城まで。とおもっていた。
だから、私が持ち歩いたやんばるの水は沖縄に全て返してきた。
明石の海にお水を届けようかな 持って帰ろうかなということは、頭をかすめていたけれど
沖縄と明石をつなぐという意味を持つ気がして、安易に今の私はしてはいけない気がして、自分の汲んだ水は明石に持って帰らなかった。
でも、忘れ物をしたおかげで、お水が届いた。
お水がきたなぁ・・・。 でも沸かして飲んでもいいって書いてあるなぁ。
その数日後
石垣島を旅してきた友人がお土産に塩を持ってきた。
「新月の塩」という表書きの塩だった。
「新月は全ての始まり。人々は月と共に唄い、海の生き物も月と共に息吹を上げます。新月の日に海水を汲み上げ、丹念に仕上げたお塩です。」
と書かれていた。
友人はこの塩を作っている方に偶然出会い、塩を作る場に案内してもらったと話してくれた。
そして、この塩を私に持って帰ってくれた。
「この塩は、普段食べるためのお塩じゃなくて、神事に使うお塩だって」
お水が届き
お塩が届いた。
始まっているんだなと思った。
静かな穏やかな気持ちで 感謝してお水とお塩を受け取った。
始まりはどこから。
始まりはいつ。
どのようにして。
しばらく 何も考えずただ眺めて過ごしていた。
そして今日 歩きはじめた。
お水とお塩と玄米 (岡山で農業をしている方と淡路島で会った時に頂いた無農薬の)をリュックに入れた。
それから。
恩人と一緒に辺戸岬へ行った帰りに海岸で拾った貝殻が、たくさんあることを思い出してひろげた。
その中に対ではない二枚貝の貝殻2枚とタカラガイがあって持っていくことにした。
いまの私の大切な龍宮からはじめよう。
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