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スタートアップ交流拠点「CO-DEJIMA」(テキスタイルmemo)

先月のことになりますが、長崎・出島に新しくスタートアップ交流拠点「CO-DEJIMA」がオープンしました。私はテキスタイルまわりのデザインを担当させていただいています。
オンデザインパートナーズさんが空間全体のコーディネート・ディレクションを手がけた、新たな事業や出会いが生まれる予感に溢れる場所となっていますが、このnoteではテキスタイルにフォーカスして書きたいと思うので、テキスタイルがお好きな方、興味がある方はよかったら読んで下さい。

今回のテキスタイルの制作物は三種。
西日が差し込む側の窓一面に取り付けたカーテンと、「バンコ」と呼ばれるベンチに敷くシートクッション、そしてクッションと同生地でできたスツールの座面です。

プロジェクトチームからの希望は、

・建物の2階に入る場所なので、通りを歩く人の目印となるような、外の目もひくカーテンであること

・バンコなどの家具を自在に動かすことでプログラムごとに人の集まり方が変わる、この空間の可変性を助長するような。様々に組み合わせて使えるシートクッション、スツールであること

・利用者の方々に長崎らしい固有の文化を再認識してもらいたい


プロジェクト全体を牽引されたオンデザインの森さんは、私が以前に別案件で作ったクッションの画像を見てくださって、


神宮前のシェアオフィス| 植原雄一建築設計事務所
クッション制作:庄司はるか+西井保奈美 写真:高木康広

「今回もこの場所の為だけの、特別で魅力的なテキスタイルにしたい」と、自由度高くバトンをもらったので、しっかり濃いめに構成させてもらいました。

小さいスワッチ(サンプル)から全体の仕上がりを想像。

納期の限られた中でしたが、このコットンキュプラ生地はCO-DEJIMAの為に別注で織ることができました。


360×310mmのシートクッションからはみ出すような太ピッチでボーダーを織ることで、出来上がりのクッションにはリズム良く個体差が発生します。
織りのお願いをしたのは山梨・富士吉田のWatanabe Textile。さらさら、ツブツブとした気持ちの良い上品なテクスチャーがこの生地の持ち味です。


又、こちらの美しいダマスク柄の生地は和歌山・高野口の機屋さんが古くからずっと織られ続けてきたものを使わせていただいています。

「出島」という歴史ある場所に合う素材を考えた時、全てをシンプルにそつなく揃えてしまうよりも、時代を越えてきた品格漂う”アク”を混ぜ込みたいと思っていました。
ちょうどこのプロジェクトのお話が来る直前に和歌山の工場まで訪ねたところだったので、すぐにサンプルをたくさん送ってもらい、一番ふさわしく、美しいと感じたこの柄に決めました。

去年の暮れに工場を訪ねた時。
和歌山まではやや遠いので、東京でお会いしたことはありましたが、普段は電話とメールでお願いをしています。やっと行けました。


最後に、今回のプロジェクトで嬉しかった出来事は、スツールの生地張りをCO-DEJIMAに集まった人たちがやってくれたこと。

カーテンとシートクッションは完成形で納品しましたが、スツールについては私は必要m数の生地を発送したのみです。オープン直前に行われたそのワークショップには参加できなかったけれど、送ってもらった写真を見ると、これから始まる場所で、すでに人の交流が生まれている。その「スタート」の時間の媒介役としてテキスタイルがあり、色とりどりのマル(スツールの座面)を皆が掲げている光景に、自分が目指したいと思っている「パブリックな中で、テキスタイルを活かす」という活動が可能にする、豊かさの欠片を見た気がしました。

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私は東京から遠隔でテキスタイルのお手伝いをしただけですが、たくさんのテキスタイル的見どころのあるプロジェクトになったので、記録しておきたいなと思いました。もしこの場所自体をもっと知りたい方は、より詳しい情報が「CO-DEJIMA」のWebサイトやオンデザインパートナーズさんから知れるはずなので、探してみてください。

*CO-DEJIMAの写真は全て宮崎慎也さん撮影

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Haruka Shoji Textile Atelier  IG: @shoji.haruka
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