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遥美沙樹のメヲミヒラク#03「 9.11はここにも… 」

※これは以前にブログに掲載していた記事です※

2001年9月11日は私にも、忘れられない日となりました。
これは、私がまだ女王様だった頃の話です。

あの日、私が僅かに恋心を抱いていた男性が、
あの場所に居ました。

幸いにも彼はその日、寝坊をして遅刻したおかげで、
あの被害には遭わなかったのです。
急いでオフィスへと向かう道すがら、あと5分で到着という場所に居たそうです。
しかし目の前に拡がる光景は、
とても言葉では表現できるものではなかったようです。

私がそれを知ったのは、
それから1年後のことでした。

まるで他人事のように話す彼の口から、
私はものすごい違和感を感じていました。

何か、表現できないものを感じていたのです。

彼とのセッションはいつも、
いつも官能的な雰囲気とはなりませんでした。
彼は緊縛が好きで、全身ガチガチに縛られながらも冗談を言える、
本当に人を楽しませることに長けた人でした。

しかしその日は、
まるで置物を縛っているような気にさえなっていました。

全身から淀むエネルギーは、
この好青年から、なにか大切なものを奪っていった感じがしたのです。

「どうしたの?なにかストレスでも溜まってる?」
「ううん、別に。」
「・・・・・そう。」

何をしても響かない。
何をしても感動がない。

それは彼も感じていたようで、
縄を解いても、淡々としていました。

「今日はダメみたい・・・。」

そう言って残念そうに帰っていったのを記憶しています。
それから彼の消息はわかりません。
今もアメリカに居るのか、日本に帰ってきているのか・・・・・。

あの日、彼が奪われたものについて考えてみました。
それはおそらく、パッション。

常識的に考えると、
事件に巻き込まれたわけでもなく、
本人に被害は殆どないのに、
何故そうなるのかと思うかもしれませんが、
あのような事件は、多くの人々の心に傷跡を残します。
そして、潜在意識の何かしらとリンクするのです。
それが、その後にも大きく影響します。

それが解ってから、
私はミストレスとは何であるのか、
なんのために存在するのかを考えるこことなりました。

単に排泄を担当する情婦などではない!
もっと人のココロの奥底、深淵の部分を癒やせる者でなくてはならないのではないか−
相手がそれに気づいていなくても良い。
私がやっていることは尊いものではないのか−
与えるものは、ひとときの夢ではない。
包まれる安心感、そして充溢感、そして愛される喜び・・・

ミストレスという意味が果てしなく追いかけてきました。

彼にしてあげられなかったことが、
今も私を責めるときがありますが、
あの事があったからこそ、
私自身が私と対峙するよいチャンスを頂いたことになりました。

今、どうしているのか解りませんが、
どうか情熱を取り戻し、
幸せな日々を暮らしてくれている事を祈ります。

そして、あらゆる角度から被害に遭われた方々の心が、
少しでも癒されるよう、祈っております。

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