見出し画像

公共空間を設計するということ

今回は私が仕事を始めてから初めて設計した場所が形になった仕事について紹介します。

設計場所について

 設計地は和歌山市役所前の広場と広場に隣接する中橋線という市道です。
中橋線を挟んで市民会館(仮称)市民文化交流センターと和歌山県立医科大学薬学部の建設が予定されており、訪れる人がたくさん増えることから歩いている方が楽しく、快適でまた、来たくなるような場所に空間再編することが求められていました。
また、この設計地から和歌山城はよく見える場所となっていることや堀川やその先のぶらくり丁という商店街とつながる道であることから、和歌山市の中心的な場所になると考えていました。


検討過程について


デザインコンセプトから基本設計、詳細設計まで全てを一貫して行う業務だったのでさまざまな関係者との調整を行いました。
和歌山市の中でも発注者以外に工事をする部署、維持管理を行う部署、周辺施設の工事をする部署などと調整し、対外的には警察の方、和歌山県、地元の方などと協議を行いました。
公共事業は関係者がたくさんいることから一つずつ調整事項を整理して、話し合ってきました。

様々な課題

設計者として提案したことは数々ありましたが実現まで至ったもの、至っていないものがあります。デザインとして最適だと思っても維持管理が難しかったり、自動車にとって不便だったりとある方面から考えると簡単には受け入れられない理由があります。そこを一つずつ、すり合わせていき、お互いが納得のいく妥協点、解決策を見つけていくことが事業を進めていく上では必要です。難しいことではありますが公共事業ならではの面白いところでもあると思います!

施工途中の様子


様々な課題があり、いろんな人の意見を踏まえて、形を変えながらもなんとか設計は終わりました。現在では、中橋線は1区画、城前広場はほぼ完成まで工事が進んでいます。
設計したものが形になることはとにかくとても純粋に嬉しく、感動しました。細かい部分では協議がうまくいかずに妥協してしまった点や詰めきれなかった点など反省はあります。
様々な人の思いが詰まった公共空間ができることは街にとってとてもインパクトがあり、変化を起こすチャンスがあふれていると感じました。作ってからこの場所をどのように使っていくのか、使ってもらえるのかこれからも引き続き、見ていきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?