週刊少年ジャンプ感想(2020年8号)

〇アンデッドアンラック(新連載)
以前に読み切りで載っていた作品の連載版。
設定やキャラクター、物語の流れもほぼほぼ読み切りと同じで、今週よりは次週以降がどうなるかに期待。
主人公コンビの性格や特徴が分かりやすく、大まかなゴールも1話目で明確にしてあるので、ストーリーはグイグイ進んでいきそう。
他方、キャラのデザインが地味目だったり、巻末コメントにあるように若干下品な方向性だったりという要素がどう作用してくるか気がかり。
単なる異能バトルものになると他の作品に埋もれてしまいそうだし、何をフックにしてくるだろう………。

〇ワンピース
ラフテル到達後のロジャー海賊団の顛末もそこそこに、舞台は再びワノ国へ。
ただ、そうは言っても前半の節々で今後重要になりそうなコマやワードが並んでいる。ここ数週間の情報はちゃんと覚えておいたほうがよさそう。
ワノ国の現状、そして妻のトキがオロチの手によって傷つけられたことを知り、おでん激怒。阿修羅のごとき強さと形相であっという間にオロチの眼前へ。
先を知っていても、この状況からオロチが逃れられる気がしない。それくらいの圧を感じる話だった。

〇鬼滅の刃
前回から続き、赫刀を手にした伊黒さん。しかし赫刀化することに集中しすぎて酸欠………!!ドジっ子かよ!!!
迫る無惨の触手から何者かが伊黒さんを救う。違和感に気づく無惨。見えないが、何かいる。
そう、ここでかまぼこ隊の登場。愈史郎の血鬼術で姿を隠しながら攻撃していた。彼らの乱入と赫刀での攻撃で鬼殺隊にわずかな余裕ができ、それを機に悲鳴嶼さん、不死川さん、冨岡さんも赫刀化に成功。
不死川さんに声かけられたときの冨岡さんのリアクションがツボ。死闘の中でなんて顔してるんだ。ファンが死ぬぞ。
鬼殺隊に光明が見え始めているが、だからこそ無惨が更に心を抉る一手を打ってきそうで怖い。あと、そろそろ炭治郎の元気な姿が見たい………。

〇約束のネバーランド
序盤のイザベラ、そして現在のピーターと、子供たちに立ちはだかる最大の壁は同じ人間という皮肉。
幼子の顔が恐怖と絶望に染まっていく様は、なるほどジャンプ漫画とは思えない。
しかし、そうした怖さと容赦のなさがこの作品本来のウリでもあったし、妙な懐かしさも覚えつつ、続きが気になる。

〇ドクターストーン
年を跨いで数週間待たせての、種明かしタイム。
蓋を開けてみれば当然というか、超シビアな瓶投げの難易度を少しでも下げるために全員が協力し、千空が全力でそれに応えたという話だった。
方法は地味だけど、作中で何度も言われてるように科学ってそういうものだよなーという妙な納得感がある。
驚愕するイバラの隙を突く形でトラップを発動させ、千空は石化装置の至近距離に。このまま装置を手に入れるのか、はたまたイバラが盛り返すのか。とりあえず今年も毎週楽しませてくれそうで安心した。

〇ハイキュー!!
各キャラの現状、対決するチームの全体像を経て、いよいよ試合へ。
初っ端からフルスロットルで描かれる日向の跳躍………!!!
正直、ここで「ハイキュー!!完!!!」ってアオリが出てても納得してしまうくらいにテンションの高まる回だった。
しかしここでは終わらない。形を変えたチームで、味方ではなく敵としてぶつかり合う日向と影山の勝負が来週からも読める。感慨深い。

〇ぼくたちは勉強ができない
成幸の看病イベント発生で、いつものようにてんやわんや………と思いきや、後半で思いもよらぬ展開に。
これが中盤くらいなら都合のいい勘違いで丸く収まりそうだけど、物語はもはや終盤。うるかは告白済み。
修羅場が始まるのか、それとも。ゆらぎ荘と共に、最近のラブコメ枠はシリアスに寄ってきていて読みごたえがある。

〇ZIPMAN!!
清々しいくらいに身勝手な悪役、恐怖に陥る一般人。迷いなく変身し、立ち向かう主人公。
ベタだけど、だからこそラストの見開きは爽快感があった。
今までの主役兄弟の葛藤や言い争いはぎこちなく感じた部分もあり、できればこの勢いを殺さず、読んでいて気持ちのいい展開につながっていってほしい。

〇チェンソーマン
前回から引き続いて描かれる、癖の強い刺客たち。
ただ、タツキ先生の作風からして彼らが長生きするようには見えないというか、正直来週あたりで全滅してそう。
そして、当のデンジは江ノ島行きを諦めない。アキくんも論理的に話しているようで諦めていない。この二人、わりと似た者同士なのでは………?

〇僕のヒーローアカデミア
デクの能力会議。次に覚醒させるべきはオールマイトのお師匠・志村菜奈の個性「浮遊」だと。お師匠の肉体、バッキバキやな………。
場面はインターン終わりのパーティーへ。ワイワイやりつつ、デクとオールマイトはそれぞれしんみり。
そうして新展開を明るく迎えるかと思いきや、そうはならない。ヒーローが消える?どういうこと???大きな疑問を残しつつ次週へ。
溜め回だと思って、ちょっと油断してた………。考えてみればそろそろシビアな状況になってくるわな。来週は構えて読もう。

〇アクタージュ
夜凪の怒りを鎮めるため、共演者は全力の演技で彼女に挑む。
それは届いた………確かに届いた、しかし。夜凪は予想外の、そして最悪とも言える行動へ。
「演技を止める」。正確には感情面の演技を無くし、ただ台本をなぞった動作を行って舞台を終えようとする夜凪。
怒りは収まらない。だが、共演者たちのためにも舞台の幕は降ろさなければいけない。
板挟みになった末の「感情のない演技」を目にして、声を荒げる千世子。自分が越えるべきは全力で演技した末の夜凪景であるとモニター越しに訴えかける。
ここで夜凪が無理やり矛を収めようとするのは個人的に意外だったが、羅刹女として取れる選択肢はほとんど絶たれているし、そうする他ないのか。
ただ、このまま終わるわけがないとも思う。もはや共演者の手も届かず、演技を修正する猶予もない破綻寸前の一瞬。ここで夜凪を変えるものは何なのか。目の前の観客?その中の友人たち??それとも別の何か???心して見届けたい。

〇AGRAVITY BOYS
ゲラルトとババが完全なるボケキャラに回り、クリスが安定したツッコミを見せる一方で、サガの特徴が弱くなってきた。
そろそろ作中でメタ的な指摘が入りそうな気もするが、果たして。

〇ブラッククローバー
ユノが勝ってよかったけど、最近のペースからするともう少し圧倒してもよかったのでは?

〇呪術廻戦
死んだはずのメカ丸が生きていた………とかではなく、やはり普通に死んでいた。メッセージは保険とのこと。
五条封印という現状を虎杖に伝え、メッセンジャーとなるよう働きかけるメカ丸。事が済んだら三輪ちゃんに別れの言葉くらい伝えろよお前。
一方の呪霊サイド。五条を封印してめでたしめでたしと思いきや、なんと夏油の肉体からわずかな反撃が。先生は先生で封印されても唯我独尊は健在、内側から圧力をかけにいく。さすがかつての最強コンビ、ただでは死なない。
おそらく物語は現役生サイドへ。各陣営がどう動くか、楽しみ。

〇ミタマセキュ霊ティ
覚醒ハゼレナ+ゾビロを見て、怖面白いという謎の感覚に陥った。

〇ゆらぎ荘の幽奈さん
先週のシリアス展開からどうなるかと思ったものの、ヒロインとしてのスタンスを示しつつ気持ちを伝え直して一件落着。
ただ、ぼく勉と同じくこちらもぼちぼち終盤なのでは?とも思うし、ラブコメ漫画としてどう決着するか気になるところ。

〇サムライ8 八丸伝
頼むから、これ以上ややこしいステータスやら何やらの話を増やさないでくれ………。

〇夜桜さんちの大作戦
まあ一矢報いて終わる。でも、ヒロインを絡めずに太陽だけのモチベーションで話が動いたのは良かった。
ここらで「史上最高のスパイになる」とかの最終目標を太陽が掲げるような展開にうまいことなれば、持ち直すか?厳しいか?

来週からの新連載、パッと紹介文読むと某高校の劣等生みたいな印象を受けるが、果たして実際はどうか。
主人公無双系はすぐに読み飽きてしまうので、ギャグに振り切るなり別の切り口で魅せるなりというのを期待。

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