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ティーバナの変遷で考えさせられたナンバー4と8の意味

 アメリカからティーバナ(TEAVANA)のハーブティ2種類が届きました。ティーバナは元全米で展開していたお茶専門店でした。出会いは10年ほど前、夫が一人でハワイに行ったとき、「すごく美味しいハーブティのブレンドがある」と興奮気味に語り、お土産として大量に買ってきたのです。

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 私はコーヒー党ですが、ティーバナのハーブティのブレンドはどれも芸術的にレベルが高くて、生まれて初めて「ハーブティって美味しい!」と思いました。特に感動したのが「Peach Momotaro(ピーチモモタロウ)」というお湯を注ぐと花が咲いたように広がり、桃の香が立ち上る Blooming Teaでした。

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アマゾン買収で売り上げ不振の陥り、2018年に全店舗閉鎖

 ティーバナは1997年、ジョージア州のアトランタ(『風と共に去りぬ』の舞台です)で アンドリューT.マックと彼の妻がPhipps Plaza(フィップス プラザ)という高級ショピングセンターにオープンしたお茶専門店でした。

   社名はTEA(お茶)とNIRVANA (安息の境地)を合わせた造語で、「Heaven of TEA」 という意味が込められています。彼らのビジネスは成功し、一時は全米、カナダ、メキシコ、中東にまで店舗があったのです。ところが2012年にスターバックスが同社を買収、当初思ったほど売上は伸びず、2017年7月に「2018年までに379の店舗全てを閉店する」と発表したのです。

 私は5年前の4月、ボストンに出張に行った際、バックベイエリアにあるマリオットホテルに連結するThe Westin Copley Placeという高級モールにあったティーバナで大量の茶葉とティーポットを2つ購入しました。プラスチックなのですが、茶葉がよく広がる構造になっている優れものなのです。いま思えば、それが劣化前のティーバナ商品を買える最後のチャンスだったのでした(涙。

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コーヒー専門店でハーブティを注文する人は多くない

 ティーバナの創業者夫妻がどうして自分たちの会社をスターバックスに売ったのかはわかりません。アメリカは日本と違って、起業家とマネジメントができる経営のプロは別という考え方があるし、起業するのが好きな人は、ある程度会社の規模が大きくなったら売却して、その資金をもとに、また違うビジネスを立ち上げることが多いものです。ただ、扱う商品によっては、それが良い結果を生まないこともあります。その好例がティーバナだと思うのです。

 スターバックスはお茶の選択肢が増えれば、お客の満足度が上がると思ったのかもしれません。ですが、スタバに入る人は元々コーヒー好きで、コーヒーが飲みたくて入るのです。お茶が飲みたいときがあっても、せいぜい数種類あれば満足でしょう。ハーブティを愛する人たちは、そういった人たちとは嗜好性や文化が違います。夫はコーヒーが嫌いなので、スタバどころか、タリーズにもドトールにも一人で入ることはありません。私の親友の一人もはやりコーヒーが苦手なので、コーヒー専門店には入りません。

 世間にハーブティはたくさん出回っていますが、ティーバナのブレンドは他社とは次元の違うクオリティの高さがありました。ところが、オンラインショッピングで取り寄せたティーバナのティーバックは袋の中身の量が極度に違っているものがあるし、味は薄めでパンチに欠けるしで、ブランドは同じでも別の商品のようでした。せっかく築いた文化や優位性が買収によって失われたしまったのは残念でなりません。

4と8に優劣や上下はなくバイブレーションが違うだけ

 数秘術は1から9という9つの数字を使います。その中で4はお金や不動産、安全・安心、堅実がキーワードですが、イメージとしては戸建やマンション一棟くらい。8は4の倍数で目に見えないビジョンを組織で達成するバイブレーションを持っており、都市開発のイメージです。スタイリッシュで個性的な戸建と壮大なスケールの都市。どちらも必要なものですが、手がける側の適性や才能は異なります。

 例えば、家の近くの商店街で一番おいしい鯛焼きがあったとします。一店舗だけだった時は、食べたくなったら歩いて行って、その場で焼きたてが食べられました。ところが、大手に買収されたら、防腐剤の入った鯛焼きが真空パックの袋に入っていて、食べる時はレンジでチンする商品に変貌したとしたら、あなたはその鯛焼きを食べたいと思うでしょうか?

 数秘術のナンバーに良い悪いや、上下はありません。ただ意味やバイブレーションが異なるだけです。ただ、4を生きるべき人が8の人を羨ましく思って、大きな組織でないと達成できなプロジェクトに取り組んでも幸せにはなれないし、かなり苦労するはずです。

 ティーバナというお茶専門店は、人口が多く文化度の高い枢都市やリゾートの高級モールやショッピングセンターで存在感を発揮していた店でした。オンラインでも販売していたのですから、スターバックスグループに入って、全米中で売る必要はなかったのです。むしろ独自性を保つために、店舗数は制限するべきでした。

人の人生を羨むより、身の丈に合った規模を知ることが成功の秘訣

 コロナ禍で好きだった飲食店やブティックなどが次々と閉店していきます。ティーバナの店舗が消滅したのはコロナ前ではありますが、久方ぶりに対面したティーバナ商品の変貌はショックであり、寂しくもありました。そして、昔、アメリカ人の年上の友人から言われ言葉がふっと脳裏に浮かびました。

 Don’t Envy the Lives of Others, You May Have it 
    人の人生を羨ましがってはいけない、もしかしたら、
  あなたが同じ人生を手に入れてしまうかもしれないから

 人は自分よりお金があったり、地位が高かったり、華やかに活躍して世間から注目されている人を羨ましく思うものです。自分も年収2千万あったらとか、有名大学の教授で休みもたっぷりあるんだ等々。ですが、いざその人の立場に立ってみると、はたからは伺い知れぬ苦労や努力、心労があるという意味です。

  人も会社も同じではないでしょうか。全国どこに行っても同じ店舗があるのは便利ですが、この世にたった一つ、あるいは数少ない店を運営して、ファンのお客様の顔を見ながら、その人たちをハッピーにするビジネスもまた素敵です。各々身の丈にあった規模があるのです。それを知ることが成功の秘訣です。

  ああ、ティーバナが身売りをせずに、4を全うしてくれていたらなぁと、「覆水盆に返らず」と知りつつ、つい愚痴ってしまう私なのでした。






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