スキ と向き合う時間
私は昔から『これが好き!』と主張することがとにかく苦手だった。
○○が好き と言ったら、周りの人に変って思われないかな?
えー!なんでそんなの好きなの?って言われないかな?
今思えば、周りの人に『変だね』と言われようと、自分が好きで幸せならそれで充分なのだけど。
まだ若くて、こころがフワフワだったわたしは、到底そんなふうには思えず、趣味の話題にはいつも
『えー?趣味とか特にないなあ。休日はお酒飲んでるか寝てますね。』
とテンプレのように返す20代の女の子になっていた。
それでもそんな中、縁があって結婚し、息子が産まれた。
想像以上に過酷な、育児に追われる日々。
自分より大切で守るものがある日々。
充実しつつも、『育児と家事ばっかり。虚しい。』と、灰色のきもちが芽生える日々。
『このままでは腐る。いつか息子が大きくなって手を離れたとき、からっぽの人間になってしまう。』
珍しく焦った。このままではだめになると思った。
息子が昼寝している短い間に、やりたいことや好きなこと、少しでも興味があることをとにかく書き出した。
読書・音楽・お笑い・語学・映画・物書き・水彩画・漫画・ネイル・メイク・筋トレ・掃除・花・料理‥‥
あれ?
わたし、意外とこれ好きだったんだ。
そういえばこれも好きかも。これも興味あるなあ。
なんかワクワクしてきたかも!!
ほんの30分、1日のうちのほんとうに短い時間、数年ぶりに自分の『好き』と向き合った、それはそれは尊い時間。
『好き』なことをやる時間はまだまだ今でも足りないのだけれど、こうしてあのときのように、自分の『好き』という気持ちをまずは大切にしてあげるだけで、こころは癒やされていくのかもしれない。
日々増えていくわたしの『好き』達を大切にしながら、今日も息子と手を繋いで、眠りにつく。
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