マガジンのカバー画像

本棚

34
運営しているクリエイター

記事一覧

いつだって行ける海

茨城に行った。みたもの、きいたおと、感じたこと、忘れる前に書き留めておくメモ 雨。6…

呪いが解ける日

2019年12月6日。いつものように慌ただしく出勤の準備をしながら、その僥倖は突然に訪れた。 …

夜更け
4年前
9,129

五体満足なのに、不自由な身体

***ブザーが鳴り、幕が上がる*** 1.わたしはわたしをインストールして家庭とか社会と…

2,120

夜明けの猫より大切なもの

 今夜もあやつは帰ってこないのだろう。取引先との飲み会だの何だので、二軒三軒ハシゴして、…

m
5年前
163

あなたの頭撫でた嘘のような朝日だった

 ドアを開けて、粗く切り刻まれた無数の写真が雛を守る鳥の巣のように、座り込む彼女を取り囲…

すなば
5年前
367

生きることを怖がるあなたへの手紙 #短編小説

親愛なるあなたへ  手紙を書くことは、むずかしいものですね。何度も書き損じたせいで、ごみ…

48

公平である、ということ。

こちらの記事には虐待、犯罪などのセンシティブな内容が含まれております。読み進めるかどうかのご判断は、各自でお願い致します。 何かしらの犯罪が起きたとき、いつの世も人々は思い思いに声を上げる。その声は、立ち位置によって違う。両極にある考えの人もいれば、似ているけれどすべて同じとは言えない人まで、その様相は様々だ。 プロフィールにもある通り、私は虐待サバイバーだ。傷付けられる側の生活を、長年強いられた。両親から逃げたいあまりに人気のないところをふらつき、他の犯罪に巻き込まれた

感性の自衛

10代の頃、毎日を生きるのが苦しくて苦しくて悟りを早く開きたいと思っていた。 悟りを開けば…

ちぃころ
4年前
98

ひとつひとつ丁寧にこしらえて

人は優しさを持って生まれてこないから。優しさは個人個人の手造りみたいなモンなんだ。だから…

ちぃころ
4年前
49

僕には芸術がわからない。【短編小説】

晴れ渡る水色の空の下、彼女は、雨に打たれながら踊っていた。 ___ 頻繁に天気雨が降る我…

玄川阿紀
4年前
82

香水のように愛してる

他の言語になるとその詳細がガラッと変わる言葉の一つが『愛してる』だなと思った。 きっかけ…

ちぃころ
3年前
61

一人前の男になるために三十年を棒に振った女

【メンバーシップ限定記事に移動しました】

原田時枝
4年前
2,433

17さい、スイとのこと

 はじめて付き合った男の子の名前はスイという。スイを好きになって間もなく、向こうから付き…

アカリ
3年前
219

ひとりでいたい/いたくない

自分から追いかけるのはいつも「私のことなんか簡単に好きにならなそうな人」だった。うわべで愛想を振りまいたくらいじゃ微塵もなびかないような人で、適当にニコニコしている私をかわいがったりしない人のことだ。心を開くのに人より何倍も時間がかかるくせに、とにかく私は「内」を見てほしがった。中身のある人間だと驕っているわけではないけれど、ただ、外から見た自分の姿を好む人のことを信用できなかったのだ。惰性で愛想よくする私をどうかきちんと見破ってほしい。人間くささに気がついてほしい。飄々とし