映画『彼らが本気で編むときは、』

2017年製作/127分
監督:荻上直子/出演:生田斗真・桐谷健太・柿原りんか

切ないんだけど、やさしい気持ちになる作品

「普通」ってなんだろう…

子育てを放棄してふらっと家出し、ふらっと帰ってくる母親
介護施設で穏やかに働き、恋人の姪を母性で包み込むトランスジェンダーの女性
トランスジェンダーの女性を誠実に愛する男性
男の先輩に恋をし、ラブレターをしたため、それを母親に否定され自殺未遂する少年
常識的に生きてほしいが故、少年の心を否定し、ラブレターを破る母親

どの登場人物も憎めない。

自分の心に素直に生きようとすると、社会の常識の中で傷つき苦しむ。
そんな中でも、理解者を得て、それぞれの場所で自分の心に誠実に生きようとする。

施設に入所している高齢の男性(おそらく認知症)の方が、
トランスジェンダーの女性の手をとり、
「この手はあれだ。きれいな心の人の手だ。」
というシーンが印象的。

のぞんだ形にはなることできなくとも、きっとこれからも、互いを思いやって生きていくんだろうな。

映画を観た後、静かに、やさしい気持ちで、
自分の心に向かい合いたくなった。

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