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食も農もだいすきです|2020年振り返り

今年は体を動かせなかった分、頭をたくさん動かして勉強できた1年だった。大学ではいろんなとこにあちこち行っては、見て聴いて感じて学ぶことが多かったけど、大学院では本とか論文で理論的なことと合わせて整理したいなって思ってた。コロナであんまり外に行けなかったのもあって、そういう勉強がかなり捗った。オンラインだったから、農学部以外の授業も受けやすかったし、学外でも友人らと「食と農のもやもやゼミ」という勉強会を10回も開催して、全国の食や農に関心のある人たちと議論できた。

今年は私的にかなり前に進んだなあと思う年だったんだけど、端的にまとめると、今まで社会に対してなんでなん?って思ってたことの根っこの部分をつかまえて、これからどういう方向へ向かっていけば良いのか確信が持てて、そのための行動を始めた。一個ずつ言語化してみる。

資本主義の本質は人間と自然の搾取にある

私は途上国の貧困問題題にずっと関心を持ってて、食や農業から解決するんだと思って大学で勉強してた。勉強する中で思ったのは、先進国と途上国の間には動かし難い大きな構造的な問題があって、そこの部分を解消しない限り、開発援助やフェアトレードではどうにもならないんじゃないかということ。同じように気候変動についても、日々自分のできるアクションをしているけど、やっぱり構造的な問題や根本の部分に突っ込まないとどうしようもないんじゃないかと思っていた。でもその根本みたいなものがずっとよくわからずにいた。

秋くらいに経済学者の玉野井芳郎先生の本に出会った。そもそも今の社会がどういう風に成立してきたのかってことが書かれていて、資本主義/市場経済っていう知っているような知らないような概念について、かなり深くまで掘り下げられていた。私はそこで初めて、資本主義の本質に人間と自然の搾取があることを知って、それが私の知りたかった根本みたいなものだったってことに気がついた。そんなことあたりまえな人にはあたりまえな話なんだろうけど、じゃあなんでいずれ崩壊に向かうような社会をそのまま突き進んできたんだよ〜〜と言いたくなってしまう。

古い本読んでると、1960年代には公害や環境問題、70年代にはオイルショック、80年代にはチェルノブイリの原発事故って感じで、このままだとダメだなって振り返る瞬間はたくさんあって、その度に声をあげた人はいたし、それで良くなってきたこともあったみたい。でも、大局は変わらず資本主義で進んできた。来年で10年になる東日本大震災や福島の原発事故もそう。今年のコロナはどうだろう。変われるだろうか?

人間をヒトとして生態系の中に組み込む

根本をつかんですぐに思ったことは、資本主義が成立する前の世界、農耕社会に戻りたいな〜ってこと。でも現代の多くの人はそれを望まないから、おそらくもうちょっと現実的なことを考えなくちゃいけない。

マルクスもポランニーも資本主義を歴史的に特殊な状態だと考えていて、経済学をもう一回考え直そうということを言っていたらしい。玉野井先生は、人間と自然を商品化してそれらがすり減ることを考慮しない「狭義の経済学」から、植物・動物・微生物という生命系を核とする生態系の世界の内部に人間をヒトとして配置して再構成した、「広義の経済学」へ向かう必要があると主張している。そしてその実践として、「内発的地域主義(地域に生きる生活者たちがその自然・歴史・風土を背景に、その地域社会または地域の共同体に対して一体感を持ち、経済的自立性をふまえて、自らの政治的・行政的自律性と文化的独自性を追求すること)」を唱えている。

農業や食べることって根源的で大事な営みで、社会のいろんな問題を解決しうるツールになるんじゃないかっていうのは、ずっと感覚的に思ってたんだけど、確信に変わった気がする。先人たちの主張を完全に理解したわけじゃないけど、今まで資本主義によって置き去りにされてきたものは、自然や生命にあって、だからそれらと人間が接点を持つ農業や食べるという行為はすごく大事なことなんだと思う。具体的な道筋はまだ見えてないけど、とりあえず食や農を大事に思って、自然の世界にある置き去りにされてきたものに気づく人を増やすという方向性でやっていきたいと考えるようになった。

私の実践

今年なんと言っても一番大きかったのは、ポケットマルシェCEOの高橋博之さんとの出会いだ。ご縁があって47都道府県の生産者をまわって講演するREIWA47キャラバンに同行させていただいて、高橋さんの考えに直に触れた(詳細はnote書いてるのでよかったら↓)。

高橋さんは人間と自然が離れ過ぎてしまった現代社会にずっと問題意識を持っていて、東日本大震災を機にそれが確信に変わり、食べもの付きの情報誌「東北食べる通信」をはじめた。生産者と消費者、都市と地方、自然と人間という離れ過ぎてしまったもの同士を、食べものを手段につなげ、かきまぜ、両者の課題を同時に解決することを志向してきた。そして全国にその動きを広げるためにはじまったのが、生産者と直接やり取りしながら食材が買えるECサイト「ポケットマルシェ」。

目指している世界に共感して、12月から広報のインターン生としてジョインさせていただいていた。まだ働き始めて1ヶ月だけど楽しくて充実している。難しいなと思うのは、長期と短期、マクロとミクロの視点の両方を持つこと。私の勉強は長期とマクロの視点ばっかりで、理想の社会やそれにどう近づくかを考え続けてきた。でも日々のお仕事はもっと短期とミクロの視点が必要で、自分の中で答えが出ていないものについても選択を迫られたりする。でも前に進むっていうのはそういうことなんだろうな。

来年は学生最後の年。軸足は学問の方において、修士論文とか農学の勉強を引き続きがんばる!目指す世界と道のりをもっとクリアにできたらいいな。ポケマルでは広報の勉強しつつ、自分の貢献できること探してどんどんやっていきたい。来年もどうぞよろしくお願いします!

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東京大学大学院農学国際専攻M1|ポケットマルシェで広報のインターン| 大好きな農学から暮らしを良いものにしたい
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