ハル教育研究所

ミッション:未来の学びを深掘り。教育AI・異文化理解・自由進度学習・インクルーシブ教育…

ハル教育研究所

ミッション:未来の学びを深掘り。教育AI・異文化理解・自由進度学習・インクルーシブ教育など。学生、現場教員、大学の実務家教員との実践コミュニティーづくりを目指す。代表:上條晴夫(教育研究者)。著書に『理想の授業づくり』『リフレクションを学ぶ!リフレクションで学ぶ』など。

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教科書で勉強する世代/動画で勉強する世代/AIで勉強する世代

「進研ゼミチャンネル」で落合陽一さんが「僕が小学生のころは教科書とか紙で勉強する世代だったんですよ/今の子たちは多分、動画で勉強する世代で/今年生まれた子はきっとAIで勉強する世代なんですよ」と語ってました。 保護者向けのYoutubeチャンネルです。 先日発表のChatGPTのデモを見ると、個に寄り添う対話型AIが完成しちゃったようで、昨日は一日中、AI教育のことを考えていました。AIと対話しながらどんな教科学習や探究学習をするようになるか。ワクワクします。 たとえば

    • 中学生のためのリフレクション入門①

      先生が教える勉強法のベースにはPDCAモデルがありますPLAN(計画)・DO(行動)・CHECK(評価)・ACTION(改善)。計画して実行します。うまくいったらそれを継続し、うまくいかなかったら改善を加えていくという考え方です。 このモデルを別の言い方で言うと「先生がこんなふうにするといいよと(計画を)教えてくれたやり方で勉強します。もしもうまくいかない部分があれば、自分でそれを少しずつ変えていきます」です。つまり計画には正解があります。 一度くらいは聞いたことのあるか

      • 中学生のための「成人発達理論」入門

        みなさん、こんにちは。今日は「成人発達理論」という面白い考え方についてお話しします。この理論は、ハーバード大学の有名な先生、ロバート・キーガンさんが中心となって研究してきたものです。 成人発達理論とは?以前は、人間の発達は青年期までで終わると考えられていました。でも、キーガンさんは、そうじゃないって教えてくれたんです。人間の成長は子どもの時期で終わるんじゃなくて、大人になってからもずっと続くんだよ、って。この考え方は、すごくワクワクすると思いませんか? 成人発達理論では、人

        • AI時代の教育を切り拓く!武藤佳恭氏の考えを教育現場に取り入れる方法

          武藤佳恭さんの『AIとオープンソースで真贋を見る目を養う―素人の発想力・玄人の技術力』(春秋社・2022年10月)を読みました。武藤さんは、AI技術を活用して、カメラ付き携帯電話や紙幣鑑別機、脳腫瘍判別機などの革新的な技術開発を行い、さらに東日本大震災後には温度差発電や床発電などの代替エネルギー製品を発明するなど、広範な分野での活躍が知られています。本書を通じて、私は武藤さんのAI技術開発に関する考え方が、教育学の分野にどのように応用できるかについて考えを深めました。 ①

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          AIで広がる作文の世界:ChatGPTと子どもの文章力の共通点

          かつて小学校の教員として、子どもたちに作文の書き方を指導してきました。その経験から『書けない子をなくす作文指導10のコツ』(学事出版・1992年12月)という本も出版しました。最近、山田稔さんの『コンテンツホルダーのためのChatGPT超入門』(太陽出版・2023年6月)を読み、教育現場での指導方法とChatGPTを活用したコンテンツ作成法に多くの共通点があることに気づきました。 作文指導のコツとChatGPTの活用法の共通点 書き出しの指示 感想文で「満足度○点である。

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          学生たちの「世界観」とは何か

          最近、学生のレポートや会話の中で「世界観」という言葉を耳にすることが増えました。彼らの日常語彙に自然と組み込まれているこの言葉。何気なく使われる一方で、深い意味を持つ言葉でもあります。私もずっと「世界観」という言葉に興味を持っていましたが、具体的にどう捉えるべきか悩んでいました。 世界観エンタメの新潮流 『〈面白さ〉の研究―世界観エンタメはなぜブームを生むのか―』(角川新書・2015)という本を手に取ると、エンターテイメントの新しい潮流が見えてきました。「スター・ウォーズ

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          AIアプリMapifyで学びを可視化する!マインドマップと対話への活用法

          Mapifyとは?MapifyというAIアプリがあります。このAIアプリは、動画、学術論文、ビジネスデータなど、さまざまな資料を与えると、そのデータの全体構造を瞬時にマインドマップに変換してくれる人気のアプリです。 マインドマップの可能性教育AI系YouTuberたちがMapifyの使い方を動画で紹介してくれていますが、私は、マインドマップは自分の考えを可視化する時に使うのが面白いのではないかと感じていました。これまで、個人でマインドマップを「理解」ツールとして使ったことが

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          『深津式プロンプト読本』に見るパターン・ランゲージ的発想

          深津貴之著『ChatGPTを使い尽くす!深津式プロンプト読本』(日経BP)を読みました。この本は、単なるプロンプト集ではなく、ChatGPTを効果的に使うための対話方法の基礎を学べるガイドです。既にネットなどで見かけた情報も含まれていましたが、体系的に整理されていて、理解が深まりました。実際にプロンプトを考える際、すぐに活かせると感じます。特に面白いと感じたのは、この本の構成やアプローチに、井庭崇さんの「パターン・ランゲージ」の考えとよく似た要素がある点です。 「パターン

          『深津式プロンプト読本』に見るパターン・ランゲージ的発想

          『クリエイティブ・クラスルーム』発言まとめ:自由と制約が生む学びのバランス

          『学習科学ハンドブック(第二版)』編者キース・ソーヤー氏の『クリエイティブ・クラスルーム―「即興」と「計画」で深い学びを引き出す授業法』(2021)の発言まとめです。 本書は認知科学の最先端の知見に基づいた実践的な授業づくり指南書です。それを学生たちが授業づくりを考えるための資料とするために粗く「発言まとめ」形式にしたものです。

          『クリエイティブ・クラスルーム』発言まとめ:自由と制約が生む学びのバランス

          通常学級でインクルーシブ教育を実現する方法:岩瀬直樹さんの教育観の変遷に学ぶ

          軽井沢堀越学園校長の岩瀬直樹さんが、公立学校時代にどのように教育観を変えてきたのかを描いた青山新吾さんとの対談本『インクルーシブ教育を通常学級で実践するってどういうこと?』(学事出版)を読みました。彼の教育の進化が鮮明に語られており、とても面白い一冊です。 内容を簡潔に言うと、岩瀬さんはこれまで「プロジェクトアドベンチャー」「作家の時間」「振り返りジャーナル」などの教育コンテンツを次々と提案してきましたが、本書では「コンテンツ中心の発想」からの転換を示しています。 もちろ

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          生成AIに没頭して見えた教育の可能性:パパートと構築主義の新しい視点

          自分は最近ずっと生成AIに没頭しているし、学校教育界もそれなりに盛り上がっているようだけど、教育AIの可能性がいま一つ読み切れてないなと感じていました。その「読み切れてないなぁ」を引きずりながら、シーモア・パパートの話を読んだらめちゃめちゃ納得した、という話です。 以下は、福田誠治著『オンラインリテラシーと読解リテラシーの葛藤―デジタル時代の新しい学び』(東信堂・2023)の「第3章 新しい学びの可能性を作り出す」のごく粗い要約です。この章では、パパートの「構築主義」に基づ

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          行動経済学の魅力:バナナマンCMが教える「ナッジ」の秘密

          住友生命のCMで、お笑い芸人バナナマンの設楽さんが「ナッジという言葉を知っていますか?」と問いかけます。「ナッジ」という言葉の由来は、肘で軽く押すように相手に気づかせることだそうです。CMでは、エレベーターの前で、紳士服を着た日村さんに「いい時計ですね」と声をかけ、日村さんが自分の万歩計の数字に気づく場面が描かれています。 その後、日村さんは「あ、もうすぐ一万歩だ!」と気づき、階段を使って歩き始めます。「ナッジ」とは、このように自然に気づかせて、行動を誘導することを指します

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          『「普通」の人のためのSNSの教科書』(徳力基彦)から気になったこと10選

          1. ビジネスパーソンのSNS発信には高度な文章力は不要 SNSで発信する際に、文章が上手である必要はないと改めて気づきました。そうではなくて仕事にどう役立てるか。そこが分かるとイッキに書きやすくなりそうです。 2. ブログでお金儲けは簡単じゃない ブログがうまく書けたからといってお金を稼げるわけじゃない。しかし過去に何十回も「これ、案外バズるかも」と夢みたことがあります。(笑) 3. 役立つ情報かどうかを自分で判断しない たしかに、ニッチな話題でも必要な人には価値があり

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          ChatGPTと文学対話:なぜ『手袋を買いに』は愛され続けるのか?

          ChatGPTとの出会いから始まる 鈴木秀樹さんが監修した『おとなもこどもも知りたい 生成AIの教室』(KANZEN)を読みました。鈴木先生は、東京学芸大学附属小金井小学校の先生で、教育AIの実践者として知られる方です。 『手袋を買いに』の謎に挑む 私は、長年抱いていた『手袋を買いに』に関する疑問を解明するため、ChatGPTと対話を始めました。まず、著作権が切れていることを確認した上で、ChatGPTに『手袋を買いに』の全文を表示してもらいました。そして、次のように問

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          ハノイで発見!Googleマップで巡るエッグコーヒーからフォーまでの美味しい1日

          2023年3月、コロナ明け、はじめての海外旅行。ベトナム・ハノイに行きました。スマホで撮影・編集した食べ歩き動画です。初のYoutube動画(1分未満)です。

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          note初心者が試してみた!簡単な引用表示と画像挿入のステップ

          ぷらいまり。さんの著書『はじめる 楽しむ 発信する noteのガイドブック』(技術評論社)を手に取り、noteの活用法を学んでいます。現在はChapter 4「テキストの記事を投稿しよう」のページに進んでおり、note投稿の新たなスキルに挑戦中です。これまでにも何度かnoteに記事を投稿したことがありますが、引用表示はまだ試したことがありませんでした。そこで、今回は<初>の引用表示にチャレンジしてみました。(笑) 無事に引用表示ができました! 引用表示の方法はとてもシンプル

          note初心者が試してみた!簡単な引用表示と画像挿入のステップ