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poésie(と詩っぽいもの)

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詩っぽく綴ったものをまとめています
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2021年8月の記事一覧

呼吸(詩)

息をした 久しぶりに 息が できた ちょっと 押しつぶされていた 胸が 肺が 少しだけど 少しずつ 拡がって 闇夜の 密やかな香りを含んだ風が 流れこんできた (この香りをなんと名付ければいい?) 久しぶりに 地球と繋がった 呼吸すること それは 地球と繋がること 宇宙と繋がること 内側に息づく生命が 神秘と 手を取りあうこと いのちが めぐること

朝霧〜付き纏う不安に押しつぶされそうな人に

尽きない不安に悩まされていた 「いま出来ること」 そこに集中したとしても 自分が気づかない水面下で何かが動いているんじゃないか? 何も起きていないのに まだやるべき何かがあってそれを見逃しているような そんな無謀な脅迫を突きつけてくる こんな不安からはもう逃れようがないのかもしれない いっそもう精神をどこか病んでしまったのかもしれない なんて ひとり不安に押しつぶされそうになっているのなら 出口のないこころに閉じ込めておかないで さっさと打ち明けたほう

愛。変わるものと変わらないもの~SS風の詩

ねぇ、お母さん こどもに期待することは愛情だって思ってるでしょ? 信頼してるからだって思ってるでしょ? 「あなたならできると思ってるから」 「あなたのことが心配で言ってるのよ」って でも違うよ。 それは押し付けだ。 本当のわたしを見ていない。 わたしのありのままを見ようとせずに ただ否定してる。 わたしは お母さんの 理想と綺麗ごとの影で ずっと殺され続けてるんだ ずっと ずっと。 どうしてこんなに生きるのが辛いのか わかっていたけれど 気づかないふりしてた

幻想の境界

見ているわたしがいる 感じているわたしがいる 何かにこころ動かされながら 「わたし」を錯覚している 何かを拒絶しながら 何かと同一視しながら それらを見ながら わたしはわたしに気づいていない ほんとうのわたしには どこにもいない「わたし」 すべてである「わたし」 * * * * * * * 写真は@単体研究室さまからお借りしました。 素敵なお写真に助けられました。ありがとうございます。

Inner Voice

誰かを助けたい人 あなたは 自分自身を助けなければいけない人 自分の内側との会話が途切れて久しくて もう 自分の内側からの声の聴き方を 忘れてしまった だから 世界の声に耳を傾ける 思い出して あなたが拾っている声は あなたの内側からの声なんだよ かわりに泣いてくれているんだ かわりに声を上げてくれているんだ 抑え込んでしまった あなたの かわりに 思い出して 自分の内側の声に 耳を傾けること あなたの内側の 平和のために 世界の嘆きを