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『スタンフォード式デザイン思考』

きっかけ:先輩の地方創生ワークショップを手伝うために読んだ
読んだ日:2021年5月
オススメ:社会問題や地方創生のような定義が曖昧で答えのない(答えが幾
     つもあるような)問題に複数人で取り組んでいる人
学べる事:事業設計にあたっての考え方(マインドセット)。スタート支援や事業立案のファシリテートの流れ・導き。インタビューのコツ。

※基本の流れが丁寧に解説されているので、一冊で十分にワークショップやファシリテートを組み立てることができる本です。ぜひ、原本の購入をお勧めします。
※サムネはオリコンニュースから拝借(https://www.oricon.co.jp/pressrelease/541851/)

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デザイン思考とは

デザイン思考とは、人々がもつ本当の問題を解決するための考え方(マインドセット)である、と述べました。最近は、「人」こそがサービスや製品、あるいはシステムのあり方・つくり方に影響を与える、非常に重要な要素となってきました。私たちはデザイン思考の方法論を使って、人々のニーズや問題を見つけ出し、解決することができるのです。
現代は新しい情報が毎日のように現れ、私たちの周りは日々たくさんのテクノロジーや新しいサービスにあふれています。人間の行動は、新しいサービスを受け入れることによって変化しており、私たちは常に「人々が何かに困っていないか、不便を感じることを改善できないか」と考える必要があるのです。
デザイン思考は「考え方」であって「方程式」や「英単語」といった「ある問題に対する決まった解き方」とは異なります。つまり、「教わる」という受け身の姿勢でなく、「繰り返しやって身に付ける」「実際に手を動かしてやってみる」ことが大事になるのです。

デザイン思考のプロセス

⓪問題定義👉トピックを決める
①共感(Empathize)
👉トピックをもとに、関係していそうな人々のインタビューを通じて、どこに問題があるのか探すための情報を集める
②定義(Define)
👉インタビューで集めた情報をもとに、説くべき問題を探します。問題を一つに絞ることもこの段階で重要なことです。
③アイデア(Ideate)
👉問題を解決するためのアイデアを考えます。ブレストで多くのアイデアを出し、優先順位の高いものから次のプロセスに進めていきます。
④プロトタイプ(Prototype)
👉アイデアを実際にテストするため、プロトタイプと呼ばれる試作品を作成します。早く、多くのアイデアを試すことが重要ですので、凝りすぎないことに注意です。
⑤テスト(Test)
👉ユーザーにアイデアを評価してもらいます。フィードバックをもとにプロトタイプを改善し、ゴールが見えたらアイデアの実現に動き出しましょう。

この5つのプロセスを行きつ戻りつしながら進んでいくのです。このプロセスは一見するとシンプルですが、デザイン思考を身につけることは簡単ではありません。考え方というものは、その人の経験や環境の中で積み上げられてきたものなので、デザイン思考を学んでも、急にその考え方を変えるのは難しいということです。

共感について(メモ)

・インタビュイー1人につき、インタビュアーも1,2人。
・アイスブレイクから始めて、友達のような関係を築けるように努力する。
・好奇心を持って聞いてみる。(重要なのは、驚き、雰囲気の変化、矛盾)

ブレインストーミングについて

・多様性がチームのカギ

・ブレストの準備6つ
1.ファシリテーターを見つける
👉参加者が自分のアイデアを自由に言えるような、会話の場を活性化するための役割。良いファシリテーターとは、参加者の話を「よく聞き」「うまく会話を引き出し」「会話を活性化させる」指揮者のような役割。

2.スペース(場)を見つける
・ポストイットやマジックペンなどの小道具
・音楽
・四角ではなく丸いテーブル?

3.チームにエネルギーを与える
・スナックやコーヒーなどを用意する

4.トピックを明確にする
・アイデアの広がりすぎに注意する

5.時間を区切る
・緊張感を保つと同時に、ブレストの内容を細かくフォーカスする

6.人数は多様な5〜8人

HMWでまとめる

ユーザーのどんな体験を、私たちは手助けできるのでしょう?問題を明確にしてアイデアプロセスに進むために、説くべき問題を「How Might We....」の形で整理しましょう。

例:
・どうすれば外国人の切符を買う体験をよりよくできるか?(How might we improve the ticket experience for foreighers?)
・どうすればラーメンの夕食を、楽しいコミュニケーションにできるか?(How might we change his ramen dinner for exciting communication?)

HMVの作り方

トピック:地元の国際空港における地上での体験をデザインする
着眼点 :3人の子ども連れの母親が空港のゲートで数時間待っている間、子どもたちが騒いで待ちくたびれたほかの乗客をイライラさせないように、なんとか楽しませてあげる必要があります。

・よいところを伸ばす:
私たちはどうすれば、子どもたちのエネルギーでほかの乗客を楽しませられるだろう
・悪いところをなくす:
私たちはどうすれば、子どもたちをほかの乗客から遠ざけられるだろう?
・ひっくり返してみる:
私たちはどうすれば、待ち時間を旅行で最も面白い部分にできるだろう?
・前提を問い直す:
私たちはどうすれば、空港の待ち時間をなくせるだろう?
・形容詞を変えてみる:
私たちはどうすれば、「苦しい」待ち時間を「快適な」待ち時間に変えられるだろう?
・ほかのリソースを使う
私たちはどうすれば、ほかの乗客の自由な時間を活用できるか?
・ニーズやコンテキストから連想する:
私たちはどうすれば、空港を温泉や遊び場所のようにできるだろう?
・トピックに着眼点を適用してみる:
私たちはどうすれば、空港を子どもたちが行きたくなる場所にできるだろう
・現状を変えてみる:
私たちはどうすれば、はしゃいで騒いでいる子どもたちを静かにできるだろう?
・着眼点を分割する:
私たちはどうすれば、子どもたちを楽しませられるだろう?私たちはどうすれば、母親を落ち着かせられるだろう?私たちはどうすれば、遅れてきた乗客を和ませられるだろう?

アイデア出しのマインドセット

上記の問題に対して、アイデア出しをする際に以下のことを心がけていきましょう

・ジャッジしない
・大胆にいこう
・「Yes,and」
・一度に発言できるのは一人だけ
・トピックに集中する
・可視化する
・質より量


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