眼球
僕は見られている。
真っ暗な空間の中、ただ一つ白い眼球が浮いている。
虹彩の色は黒に近いブラウン。
僕は見られている。
僕も見つめ返す。
それの瞳には僕が映っている。
僕の瞳にはそれが映っている。
合わせ鏡のように永遠と続く、僕とそれの見つめあい。
ずいぶん長い間、そうしていた気がする。
それの瞳に白が映った。
黒の空洞がそれを見つめる。
だが、虚ろな穴はそれを映すことはできない。
僕は白い骨と化していた。
眼球と骨。一方通行の見つめあい。
永遠が終わった。
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