サークルの先輩のはなし

私は髪を切った。切ってすぐあった時、気づいているはずなのに先輩は指摘してくれなかった。
サークルの2個上の先輩はたまに複数人での遊びに誘ってくれたり、飲み会の二次会で家にあげたりしてくれた。先輩には恋人がいる。だから2人で遊んだり飲みに行くことはしない。その恋人は私もよく知っている人。浮気と誤解されてしまう行動はしないように心がける。ついこないだの飲み会の帰り、先輩の恋人は先にお店を出ていてその場にいなかった。私は気になっていた人に懸命に話しかけていた記憶がある。気になっていた人と話していると先輩が私たちの近くをキープしているように感じた。
そのまま私は気になっていた人に話し続け、解散する場に着いたものの皆が名残惜しくその場にたまり込んでいた。その後も先輩は私たちの近くをキープし同じ話を共有した。先輩は飲み会でよく話していた一個上の先輩にこう言った。
「おまえ2時間もハリちゃんの隣で喋ってるんじゃねえよ」
先輩はその後私と話したかったことを私本人に伝えれば言えばじゃんと周りの人達に指摘され、ほんの数分私と先輩は2人で話すことになった。
飲み会の前にもサークル活動で先輩とは飲み会の前日にも会っていた。サークル活動の日の2日前に私は20cm髪を切り、髪色も変え、黒髪のショートボブになった。先輩はサークル活動の日会ってすぐに髪を切っていたのに気づいていたらしい。でもその場で言わなかったが、その時うっわかわいいって思ったと言ってくれた。その話に続けて先輩は、「ハリちゃんは俺の推しだから」と言った。推し
推しって言葉はずるい。好きとかじゃなくて推しなのだ。先輩いわく「みんながいる前で可愛いとか推しっていうのは恋人に伝わると恋人が可愛そうだから」らしい。それを言われた私はサークルに入ってから2ヶ月くらい経った頃に先輩に恋人がいると知り押し殺した気持ちが生き返ってしまった。かっこいい先輩の甘い言葉に騙されたのだ。その後名残惜しくその場にたまり込んでいたサークルの人達と二次会に行った。二次会の会場でたまたま先輩と2人になった数分のうちに先輩とまた話した。先輩は私がネイルしているのに気づいてまた褒めてくれた。先輩が私への好意を伝えてくれている状況に私は嬉しさと同時に哀しさを感じた。それでも私は最低でもその先輩の2番、またはそれ以下なのだ。彼女がいるのになんで、じゃあ私と付き合ってよ、という私の中のメンヘラ思考が止まらなくなった。
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