往生際

どれ程の長い年月をこの目で見届けていけば、
往生とやらを迎えて僕らは安らかになれるの?
あの、光を見ないまま散った
早咲きの桜の花びらたちは
次の春を迎えることもなく
儚さを押し付けられたままでいる

手のひらにのった花びらに涙を流す僕達は
一体どれくらい彼らを理解できるの?
延び過ぎた轍を誇る僕達に
頭上を吹きすぎた風の命を感じ取ることが
出来るなんて思い上がりだね。

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