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漂白

生きている者は あとどれだけいるのか
あいも変わらずに 銀鮭の皮ばかり
好んで君は食べているのだろうか
声が届かないほどの距離が離れてしまったようだ
いつの間にか私は 何をしていた
呼吸の数だけ増える喪失
真白になっていく脳の海馬とやら
産声に飽いた私にそれは
断末魔の叫びとすら思えた
手をつなげば視界が曇った
何度となく繰り返して
一握の燐酸カルシウム
案外とヒトはこの生のうち
漂白されている

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