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微熱

なんでもない今日の夕焼けを
忘れたくないなぁって、思ったんだ
世界が呼んでるみたいでさ、私を
歩みは止められなくってさ、いつも

後悔なんていつも忘れた頃に
ポケットからはみ出してきて
洗濯機で洗ったはずの心が
涙にまみれて困ったもんだよ

同じ歩調で、同じ歩幅なら
離れることはないって、そう信じてた
この道はいつからか
こんなにも遠くなって、いた

空に混じった君の横顔が
雲に、

隠れていった

いつもはブルーな冷たい雨に
傘をさしたくないなぁって、思ったんだ
心が火照ってるみたいでさ、熱くて
でも濡れたら風邪を引いてさ、いつも

ありがとう、なんていつも喉の奥に
つっかえて咳に混じって
解熱剤で下がったはずの熱を
言い訳にしてずるい私だよ

そうだね、今が続くだけで
そうだね、微かにズレていくだけで
そうして、いつかまた別の太陽が登るとして
それでも、私の影はまた少し深くなる

気づかないままでいたいけど
伝えないままでは痛いから
右手の温度を覚えておかなくちゃ
さよならとありがとうが また喉に詰まっても
キミに大好きって言えるように

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