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オリジン

それが有史以前から面々と
紡がれた儀式の一部であるかのように
薄膜に匿われた二重螺旋を
僕は君に差し出している
ガラス細工のようなそれは
乾いた表皮では触れられない
君は器用に舌を伸ばして
テラテラと光った唾液と混ぜあっては
暗号に隠れた本能に逆らう僕をあざ笑う
何故脚の谷間にそれが具えられたのかといえば
誘いのためだ
接吻のためだ
滴り落ちた性で濡れた土の上、交わす契

溶け合っている間に世界は
再び息を吹き返していたが
それはもうどうでもいいことだ
開かれた門の前でまた
愛に狼狽えて泣いている子羊

もう本当にそれはもうどうでもいいことだ
分子振動と電気信号が出会ってしまった
宇宙の臍のゴマ
うめき声が漏れた
この世界はみんな朝の要らない夜を待っている
名前のつかない、形容不能な知覚は
たしかにここにあったと彫り込まれたままで
鈍く痛む精通の記憶

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