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白旗は誰がために

優しい死に方を探しています
誰もが
風に舞い上がるように
この地表から姿をくらまして
そうして人っ子一人いなくなった草原で
鳥たちは初めて羽を休めることができるのです

昨日買ったかき氷のシロップは
多分夏が終わっても無くならないのに
競うみたいに、探すみたいに
どこか遠くへ行こうとしています
置いていかれるのはもう嫌なのです

藻掻いた、肩に擦り傷をつくって
それが勲章だなんだ、笑う群衆に
滲んだ文字は見えないのだろうなあ
やけに冷静なこめかみには
マイナス3℃の銃口を添えて

はい、もうキミが優勝。
始めから勝つつもりなんてなくて
放り込まれた先が、たまたまリングだっただけで
早く白いタオルで顔が拭きたい
汗と血と涙のせいで、生きていることを忘れられない

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