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前から私そう言ってたじゃん、のときの地味な苦しさについて考える

はじまりは(いつも)ケンカ

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昨日旦那と家を買うことについて話していて、いつのまにかケンカになっていた。

ここ数年旦那はとにかく早く住宅ローンを組んでしまいたくて、買えそうな手頃な家を見つけてきては内見行こうと誘ってきていた。
私は嫌々ながら、去年何度かついて行った。
なんで嫌々だったかというと、私の方はいろんなことにまだ夢を見ていたかったから。
「自分の仕事がこれからどこまでいけるかわからない。今年一年はチャレンジしたいからその間は家の話は待って」と旦那にも伝えて、去年一年間は待ってもらうことを承諾してもらっていた。

だって稼ぎがめちゃくちゃによくなれば買える家も変わってくる。
手頃な家で済ますというのは理想のマイホームへの憧れも仕事の可能性も、その時点であきらめて捨ててしまう感じがして嫌だった。

それでも無情にも時間は過ぎ去り、私の仕事に関しては特別悪くはないけどめちゃくちゃによくもない普通の日々が過ぎた。
約束の一年が過ぎた。
私はやっと現状を見つめ、今の私たちが買える家を真剣に探し出した。
その矢先、旦那が言ったのだ。
「おまえがこれはどう?って勧めてきた家、俺が去年おまえに勧めて『やだ』って首振られたようなやつばっかり。なんか、正直イライラする」

私は最初意味がわからなかった。

だって去年は猶予期間だったでしょ?そんな中で決められないじゃん。
待ってくれるっていう約束だったでしょ。
内見連れて行かれても自分の中には本当はこれがいいっていう理想があるし「今の自分はこれは嫌だな」って正直に言うしかないじゃん。
けど今は違う。
約束の期限が過ぎたでしょ。
だからやっと私はあなたと同じ立場で選べるようになったんだよ。
だからあなたがかつて勧めたような家を私も選択肢に入れるようになったんだよ。

驚くことに彼は約束の期限を忘れていたらしい。
だから急に変わった私に戸惑い、苛立ったようだった。

その苛立ちの原因を考えるうちに、私は自分の経験を思い出した。
私もそういえばよくあるなぁ、こんなこと。

私の場合

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旦那は結婚当初からすごく変わったのだ。
例えば食の好み。
子供っぽいメニューが大好きで、単純な舌を持つ彼だったけど、大人になるに連れて繊細な味のものも美味しいと思うようになってきた。
前に作ったときはノーリアクションでむしろ「俺はあんまり…」みたいな感じだった料理も、最近作ると「なにこれ?うまっ!」みたいなことが多々ある。
前作ったときのことを伝えると「え?そうだっけ?てか作ってくれたことあったっけ?」みたいにそもそも記憶が飛んでいる。

あとは、私がずっと行きたかった小洒落たお店。
美味しいワインとイタリアンがあって、雰囲気も気取りすぎずちょうどよくて。
でも昔の旦那はワインも好きじゃないし、食事も「量が少なそう」という理由で、私がどれだけ誘っても行きたがらなかった。(今思い出してたらめっちゃムカついてきた…笑)
だけど現在。
「今度ここ行かない?すげー良さそうなお店見つけた」と言って旦那が見せてきたそのお店は例のところだった。
彼はちゃんとしたところで本当に美味しいワインを飲んでから、ワインの美味しさに気づいたのだ。
食事も「質より量」の時代は彼の中で終わっていた。

彼がそのお店を見せてきたとき、私は瞬時にイラついた。
そのときの気持ちを丁寧に思い出してみた。
「だから前にも私そこがいいって言ってたじゃん」
→「あんなに言ったのに、そのときは全然聞いてくれなかったじゃん」
→「私は正しいこと言ってたのに無視された」
→「私の意見に価値はないと思われてるんだ」
→「過去の私は認められてなかった」
→「ムカつく」

昔とは相手(または状況)が変わったんだから、反応が変わるのも仕方ない。頭ではそうわかってるけど、感情が納得できないのはこの思いがあったからだった。
満たされない思いに蓋をして見ないようにすると、ふとした時にあぶり出される。

自分の中の闇を見る

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私の大好きなあきこさんという方がつい昨日タイムリーに言ってた。
「自分の中にある闇を見るのは世界で一番怖いこと。でもそれができれば無敵になれる」
自分の中にある闇っていうのはブロック(思い込み)やインナーチャイルドのこと。
今回の私の場合は蓋して見ないようにしてきた「私の言ってることをちゃんと聞いてほしい。認めてほしい」という苦しい思いだった。

旦那の「以前薦めて否定された物件を今逆に薦められてイラつく」というのもこれと同じ感情を味わってるんだろうなと推測できた。
「だから前にも俺そこがいいって言ってたじゃん」
→「あんなに言ったのに、そのときは全然聞いてくれなかったじゃん」
→「俺は正しいこと言ってたのに無視された」
→「俺の意見に価値はないと思われてるんだ」
→「過去の俺は認められてなかった」
→「イラつく」

世界は私が作ってる、と信じてる。
だから今回は私の中の苦しい思いが旦那という役の人間を使って、私の世界に「こういう思いがあるよ。ちゃんと見つめれば癒せるから早く気づいて」と現れてくれたんだろうな。(と思ってる)

見つけたことで、また少し私は軽くなれる。

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