OSAKA 橋と物語 跳ねる指 5/6 at 筑前橋
5バーよりもピアノが中心となっている店作りだった。店の中央にグランドピアノが鎮座し、壁の一面にバーカウンターと調理スペース、残り三面をテーブル席でピアノを囲っている。川に面した窓にカーテンはなく、夕日が差し中央のピアノを暖かく照らしていた。映画やドラマに登場する夕暮れの音楽室を彷彿とさせる。客席の四割程が埋まっていた。全ての客の前にあるグラスには何らかの飲み物が注がれていた。かずしがカウンターの出入り口に近い端の席に落ち着くと、牧羊犬髪の男がさっとメニューを差し出し、かずしが