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【開発者解説】 体験型ハラスメント研修の制作秘話

今回は、ハレガケの制作(曽根 智宏)がどのような想いで体験型ハラスメント研修を開発したのか、経験談を踏まえてお届けします!是非ご覧ください!

曽根 智宏

ハレガケで制作ディレクターをしています、曽根です。
軽く自己紹介をします。
私は、ハレガケ入社前に個人事業で謎解きを中心とした体験型のゲーム制作に関わってきました。

ハレガケ入社後は、比較的新しいものや変わったもの好きとしてXRなどの新技術を使ったり、チャットbotを使ってキャラクターと会話しながら進めるゲーム、謎解きを伴わない物語体験のコンテンツなど、前例があまりないものなど幅広く制作を担当しています!

そんな私が体験型ハラスメント研修をなぜ開発することになったのか?など制作にかける想いを経験談と共にご紹介します!

■体験型ゲームの可能性を模索

ハレガケが主に制作してきた謎解きゲームは、物語の主人公になった体験を与え、能動的な行動を誘発させることができるものです。
それはエンターテイメントに限らず、色々な事へ利用できる可能性があると思います。

その1つが研修や学習だと思います。
面白いゲームであることは学習へのモチベーションを高め、積極的な参加を促します。また学習テーマを主人公として体験することで、自分ごとの体験として強く記憶に残すことができます。

ハラスメントというテーマでいうと、あまり問題のない普通の会社であればハラスメントの判例などはどこか遠い話に感じてしまいがちで、自分に関係のある身近な話として感じることは難しく、ハラスメント研修があったとしても積極的に勉強してもらうことが難しいかもしれません。

しかし社会には、表立った事件にならないグレーゾーンなハラスメントが数多くあり、それは職場環境や社会環境を悪化させるものだと思います。
その事実に対して真剣に考えにくいのは、そのテーマが他人事であるからだと考えます。

実際にグレーゾーンなハラスメントが身近にあり、自分も被害者、もしくは加害者になり得ると感じてもらい、ハラスメントについて自ら考えて行動する体験ができれば、それは現代社会のハラスメントという課題を解決できる、良い研修になるんじゃないかなと思い開発に至りました。

■開発担当のきっかけは"面白そう"

自己紹介のくだりでお話したように、社内で前例がないものを比較的好んで担当する方です。最初の研修コンテンツを誰が担当しようかという話になった時に、面白そうなので喜んで引き受けました。

コンテンツ内容も作れるイメージがありましたし、研修に必要な課題をゲームの中でどう解決していくのかを考えるのも、今までにない考え方で面白いと感じました。
体験型ゲームの可能性も感じられます。

■グレーゾーンのゲーム

ある会社でのハラスメントにまつわるストーリーを、参加者自身がハラスメント対策係である主人公として調査するゲームになっています。

ゲームの導入は映像やちょっとしたお芝居の演出で表現され、ゲーム前には座学を行い、その知識を使ってストーリーを進めていく内容です。
途中で様々な情報をどう判断するか考えながら、参加者自身が当事者になり得る状況を設定しています。

大筋の用意されたゲームではあるのですが、1つの完全に正しい正解があるようなゲームではなく、調査を進めていくうちに判断に迷う情報、つまりグレーゾーンな状況ができていきます。

それについてどう判断するのか?ハラスメント対策係としてやるべきことはなにか?チーム内で議論をしながら進めていくことになります。
また、参加者がうっかり加害者になってしまうような罠も用意されたゲームになっています。

また、ゲーム後に体験したことを振り返る事で、どこか他人事になりがちなハラスメントというテーマを、自分や周りに起こり得ることだという印象を与えられると考えます。
調査を進めて行く際には、ミステリーや謎解きゲームの様なひらめきが必要なところもあり、単純にゲームとしても面白いものに仕上がったと思います。

実際にテストプレイヤーの方々に体験してもらった時、ゲーム中もチーム内で盛んに情報交換をしながら調査を進め、ゲーム後の振り返りでも非常に盛り上がりました。

自分の職場に当てはめるとどうあるべきだろう、などの議論をしていただき、イメージ通りのゲームに仕上がり一安心しました。

■自分ごとの体験として記憶に残す

研修というのは、自分自身が受けた経験でもありますが、多くの場合講義を中心に組み立てられ、中には面白いものもありますが、退屈なイメージが強いと思います。

例え知識の内容が素晴らしくても、退屈であっては集中できないし、学ばせたい内容が記憶にもあまり残りません。

研修の中で印象に残っているシーンというのは、なにかディスカッションの種があり仲間と議論したりだとか、課題について自身で考えて意見を言うとか、何かしらの能動的な行動があるシーンだと思います。

体験型のゲームを研修に取り入れることで、参加者自身が課題に対して集中し、能動的に自ら行動し考えることができます。
僕自身が参加者としても謎解きゲームや脱出ゲーム、イマーシブシアター等の体験型の遊びが好きで、それは参加している間、集中が途切れずシーンの印象が強く残ったり、設定やストーリーも長く記憶に残るものです。

この仕掛けを使った研修を作れれば、集中力を途切れさせず、強く研修の内容が記憶に残ると思いました。
そして、それが研修であれば学びとして効果的な内容でないといけません。
まずはハラスメント研修において重要なことをチーム内で検討しました。

他人ごとではなく自分ごとに感じてもらう必要があるということを中心に
・記憶に残るものにするということ
・積極的に参加してもらえるものにすること
・自分たちの言葉で議論できるものにすること
・自分の行動を振り返られるものであること
・座学で学ぶ知識を使って考えるという内容であること
・その知識を使って議論できること

などを考えながら話し合いました。

それ以外にも特に自分ごとに感じてもらうためには、自分が加害者になりうる場面の仕掛けなどが必要と考え、ひっかけ要素も入れました。

■自分が行為者になり得る

ゲームの中で調査を進めていくと、加害者、ハラスメントの件ではよく行為者と呼びますが、行為者と被害者それぞれに背景があり、一概に誰が悪だと言い切れない設定になっています。

実際の職場でもそういったグレーなことが多いと思います。そういった設定を取り扱うことで、ハラスメントは身近なことであり自分の職場でも起こり得る事で、自分が行為者になり得るということを学んでいただきたいです。

ゲーム中にチームでどう判断するのか議論をする状況があり、実際にハラスメントの事件が起きた時にどうするのか、正しい1つの答えは出しにくいですが、知識をもって議論を交わすことで、より良い判断をするためのトレーニングになると思います。

■最後に

体験型ゲームは、参加者が能動的に行動し仲間と協力して困難に立ち向かう体験をすることで、自身が物語の主人公になることができるものです。
この仕組みを研修に利用することで、自身の物語として研修のテーマを体験し、自分ごととして印象に残すことができるのはもちろんのこと、それは楽しい体験です。

楽しいことは学習にとって非常に重要なことだと思いますし、一緒にゲームに参加したチーム内の懇親にも繋がるものです。
そしてハラスメントというテーマは、学んでおいて損のない良いテーマだと思いますし、職場環境の改善、会社の居心地の良さや業務の効率化にも繋がるものです。

ゲームとしても完成度が高く、研修としての学びや価値が生み出せたと感じています。研修を検討している方にはぜひ体験していただきたいですね。

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■株式会社ハレガケについて

ハレガケはリアル謎解きゲームをメインにイベントの企画制作を専門とするイベント会社です。(創業:2013年)270以上の企画実績を持ち、周遊型謎解きや公演型謎解きをはじめARやVRを使った最新のプロモーション、懇親会や研修などの社内イベントまで幅広いコンテンツを提供しています。

ライター:曽根 智宏(制作)
編集者:榮 健伸(マーケティング)

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