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うまくやれなかった自分を許す

学生時代、友人グループの中で1人、どうしても苦手だった子がいた。違和感を覚えながらも共通の友人も多くいたため、なんとなくやり過ごしていた。

具体的に違和感というのは、その子はとにかく自分以外の人間が話題の中心になっていると不機嫌になったり、急に無視してきたりすることだった。(細かく言えばもっとあったのだが、ただの悪口の羅列になるのでこの辺りに留めておく)。

この頃学生だったのもあって、自分と割と合う子がどういう性格かとか、そんなことを考えたこともなかった。よくわからないまま、手当たり次第に人と関わっていたのもよくなかった。

ただ私が傷ついたのは、この子だけが原因だったわけじゃない。傷つきを加速させたのが、その周りにいた子たちだ。(周りを巻き込んでしまったのは間違いないので被害者ぶるつもりはないが、トラウマを浄化させるために書いていく)。

私は信頼関係というものを全く理解していなかった。勝手に卒業しても関係が続いていくんだろうな、と思っていた。しかし精神的に病んだとき、上記に挙げた苦手だった子と会うのが本当に無理になり(割とギリギリまで我慢していたのもあって、ある日突然もう無理だ!と爆発した)、これからも友達として付き合っていくのが難しいと判断した。

バカ真面目に「あなたが苦手です」と伝えるつもりはなかった。でも私が距離を置き出した瞬間、その子はすぐそれに気づいた。私が離れる前は私(や周りの子)に対し利己的に振る舞い、人の気持ちというか尊厳を軽視していたわりに、自分から人が離れる時だけは敏感な人だった。(そういう人に限って利己的に振る舞うというのは、今は私の中で常識だが当時は意味が分からずただ翻弄されていた)。

それを察したその子は周りに「私(ai)から距離を置かれている、嫌われている」と言い続け、それに疲弊した周りの子が「もう直接、aiからその子に距離を置く旨を伝えてほしい」と言われた。やむをえず私は「もうこれ以上付き合っていけない」ということをその子に伝えた。

その子からはなんの返事もなかった。しかしやはり激昂していたようで、周りにはめいっぱい私の悪口を言っていたらしい。

苦手だったり相性が悪いのはもう人間同士なので仕方ない。けど結局何年も付き合いがあったにも関わらず、結局その子がしたことは最後までシカトするということであった。そして周囲の子たちにも、「面倒くさいよね、もう2人でやってほしい」みたいなことを言われていたらしく、周りの友達も一緒に失った。

前述したように私も悪い。ギリギリまで我慢して自分の意図を相手に伝えず、黙ってフェードアウトするというのは誠実ではない。それはもう、距離を置く過程でそう思いながら距離を置いていた。

それにその子は今思えば不安定で、その中に自分の嫌なところを見て嫌悪していたところもある。

予想外だったのは周りの子達だった。ただの私の思い上がりだったわけだが、味方−といったら女子中学生みたいだけど、思ったよりも突き放されたことがショックで、恋人との破局も合間って、大袈裟かもしれないけど人間不信になってしまった。よっぽどトラウマになったのかショックだったのか、この後3年くらい(幼馴染たちを除いて)人との関わりを避けるようになる。

友達とのトラブルなんてよくあることだし、私も全てのトラブルにいちいち傷ついてきたわけじゃない。別に衝突して疎遠になったからといって(特に10代の頃は)、あまり気にしないことの方が多かった。(友達ができやすい環境だったのも影響していると思うけれど)。

この頃昔の友達に偶然再会することがあったのだが、それも軽くではあるが厄介なことになってしまい、会わなきゃよかったと思うことがあった。この頃は本当に碌なことがなかった。

このトラブルは置いといて、何かが起きた時にそれを深く掘り下げて考えることに、「面倒臭い」とか「そんなこと考えて何になるの」「もういいじゃん」と言われてしまう人間関係はなんだか合わないんだな、と思ったしあまり信頼関係を築けないなと思った。

事実私はだるいんだろうけど、だるがらずに聞いてくれる人もいる。私が精神を患っている時も会ってくれていた、子供の頃から付き合いのある同性の友達2人と、そのトラブルの詳細も知っていて、それ込みで遊んでくれた(学生時代は別のグループだった)子だ。

その3人は私の話を「そんなこと考えたって、しょうがないじゃん」とかは言わず聞いてくれる。(本当はどう思っているかは、本人たちにしか分からないが)。痒いところに手が届くというか、同じ感覚を持ち合わせているのだと思う。

何か起きても、「まあ考えてもしょうがないし、いっか」と思える精神も、それはそれで大切だとは思う。考えすぎると思い詰めて不健全になっていくし、思い込みは加速するし。けどこの場合は少し違くないか。

とにかく未熟な精神からくるコミュニケーション不足だったと思う。何年付き合いがあったとかは関係ない。

学生時代に戻って、「その子たちとは嘘みたいに疎遠になるよ、だから今のうちに嫌なことは嫌だと言っておきな」と言ったら、当時の自分はどんな反応をするんだろう。

これらのことも、これらを引きずることも、自尊心の低さからきている。そして私が距離をおいたその子も、自尊心が低かったんだろう。


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