タイガーマスクとの出会い

初代タイガーマスクの鮮烈なデビューから早や40年。そのアニバーサリイヤーにコアチョコはあの名試合をモチーフにしたTシャツの2種同時発売を敢行! 「伝説の虎」初代タイガーマスクとの出会いをMUNE代表が語る!

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MUNE、プロレスに出会う

―プロレスはいつごろからご覧になってるんですか?
MUNE 東京だと土曜の夕方の5時半から6時半までみたいな時間帯で全日本がテレビでやってたんですよ。小学校1、2年の頃。これがプロレスだっていうのを認識したのがそれで。ファンクスとかブッチャー、シーク。その時代ですよね。マスカラスとか。
―全日本の黄金時代ですね。
MUNE で、馬場、鶴田みたいな感じで。好きとか嫌いとかじゃなくて、何かやんわりと見てたんですよ。ウチはパーマ屋だったんですけど、母ちゃんが6時に店を閉めるんで、それを待ちながら店で過ごすことが多かったんですね。そこでテレビを回してたらプロレスやってて、何となく見てたみたいな感じで。シークが場外乱闘ばっかりずっとやってて。
ーハハハハハ。
MUNE ゴング鳴ってんのに、ずーっと場外乱闘やってるていうのが記憶にあるんですよね。
―リングがあるのに、ずーっと場外でやってる(笑)。
MUNE 全日本がとっかかりではあるんですけど、その後、金曜日の夜8時に新日本っていう別の団体がテレビでやってるってのを知ることになるんですよ。
―もうひとつプロレス団体があるんだって。
MUNE そうそうそう。認識してなかったんですね。で、母ちゃんが石原裕次郎大好きだったんで、「太陽にほえろ」を毎週見てたのは憶えてるんですよ。
―当時、テレビはだいたい1台で。
MUNE そう、1台でしたね。CMのときにチャンネルをガチャガチャ回すのが好きで、回してたらプロレスやってたんですよね。「あれ?」ってなって、「プロレスがこの時間にやってんだ」って、見たんですよ。そしたら全日本とはぜんぜん違う雰囲気で。マスクド・スーパースターとか出てましたね。「あ、いつものとは違う!」ってなって。けどまあすぐ回したんですけど。そういう感じで、「太陽にほえろ」の合間にガチャガチャ回すのがずっとあったんですよ。そしたら、こっちは猪木っていうのがトップなんだなって、だんだん分かって来て。
―こっちの団体のトップはこの人かと。
MUNE そうそう。坂口とかストロング小林とか。あ、坂口と長州が組んでたな。
―北米タッグですかね。
MUNE そう、北米タッグ。
―まだ長州がパーマ頭のころ。
MUNE 長州力っていうリングネームがヘンテコだなって(笑)。
―アハハハハ。
MUNE シューズも白いし。それで、タイガーマスクが次週出るって予告を見て「あ、これは見なきゃな」って思ったんですよ。タイガーマスクのアニメの再放送をやってて好きだったんですよ。それの実写版というか、本物が出てくるのは見逃せないなって。で、母ちゃんに「このときだけは『太陽にほえろ』じゃなくて、タイガーマスクの試合だけ見せて欲しい」って。
―今までのようにCMの合間に見るのではなく。
MUNE だから、ダイナマイト・キッドとのデビュー戦っていうのは、俺の中できちんとプロレスを見ようと思って見始めたきっかけだったんですよね。
―いちばん最初の「これは見たい!」っていう。
MUNE タイガーマスクの試合はそれからも見ましたね。藤波と長州が抗争してたのもすごく面白くなって来たし。猪木の相手が国際軍団だと面白いんですけど、外人レスラーだとピンと来なくて。
―日本人対決のほうがグッとくるというか。
MUNE 当時、ハンセンが新日本のトップ外人で、アンドレとかホーガンもいましたよ。
―いましたいました。
MUNE ブラックジャック・マリガンとか。あと誰だろう、主力は。まだマードックは来てないし。
―ブロディもいないですね。
MUNE そうそうそうそう。それがきっかけで、うちの母ちゃんもだんだんプロレスを好きになってくるんですよ。
―そうなんですか(笑)。
MUNE 圧倒的に正規軍派で、長州がちょっと不潔だっつって(笑)。
―アハハハハハ!

MUNE 藤波ばっかり応援してたり。あと、猪木を応援してて、国際軍団大嫌いだったりとかって感じで。うちの母ちゃんもハマりつつあったんですよ。
―国際軍団は3人がかりでちょっとずるいんじゃないかと。
MUNE 正規軍と維新軍の全面対抗戦のときに、谷津が猪木を裏切ったんですよね。そのときに、猪木とのシングルマッチが実現したんですけど、谷津がなかなか猪木と組み合わないで、ニヤニヤニヤニヤしてんですよ。それ見て、母ちゃんがめちゃめちゃ激怒したのを覚えてます。
―アハハハハハ! 最高のプロレスファンです! お茶の間も熱い!
MUNE プロレスをお互い好きになって。特に俺はもう完全にプロレスファンになっちゃったから、母ちゃんが「生で一回観に行きたいだろ」って、近所のスナックのママにチケットを頼んで。で、蔵前国技館の試合を見ましたね。
―プロレス観戦デビューは蔵前!
MUNE 蔵前の正規軍対維新軍の。綱引きだったかな。
―あれ、現場で見てたんですか!
MUNE でもタイガーマスクいなかったんですよ。もう引退してて。

見たことのないプロレスを見た

MUNE 基本的に虎が好きなんですよ。
―タイガーマスク、阪神タイガース。
MUNE 動物でもライオンより虎が好きだったし、前提として虎が大好きなんですよ。虎かっこいいなってずっと思ってて。図鑑とかにも書いてあるんですよ。ライオンは百獣の王だけど、虎もひけを取らず強いみたいな。
―タイガーマスクは「虎」っていうところにもグッと来たんですか?
MUNE そうですね。
―普通のマスクマンのデビューっていう訳じゃなくて、「あのタイガーマスクなんだ」って。
MUNE アニメのタイガーマスクがすごい孤独な話じゃないですか。虎の穴を抜けて来て、はじめは残虐ファイトだけど、正統派になって、けど迫りくるものに最後の最後に反則殺法をまた出すみたいな、すごい悲しい話でもあるし、孤独な戦いなんですよね。日本勢が仲間であって仲間でないみたいな部分もあるから、そういう物語に強く惹かれて。昔って、「あしたのジョー」もそうだけど、そういう自分との戦いみたいなのって多いじゃないですか。「巨人の星」とかもそうだけど。
―すべて梶原一騎原作という(笑)。
MUNE だから「タイガーマスク」にはすごくはまって、それの実写版が出るみたいな感じで、もう飛びつきましたね。で、あの動きですからね。
―デビュー戦の予告の時って何の映像もなかったんですか?
MUNE ないですね。
―ただ、来週タイガーマスクが出るとの情報だけで。
MUNE 謎の覆面レスラーが出る、みたいなノリですよ。
―私はリアルタイムで見られなかったんですが、最初画面にタイガーマスクが出てきた時ってどんな感じだったんですか?
MUNE タイガーマスクが出てきた時は、「あれ?」とは思いましたよね(笑)。マスク見てね。
―あのデビュー戦のマスク!
MUNE 手書きのやつ。いま思うとあれもいいんですけど、最初は「あれ?」って思いましたよ。思ってたのと違うみたいな。だけど、それを軽く凌駕する動きで。
―試合が始まって、動き出した瞬間に「うわっ!」って。
MUNE いやーもう凄かった、見たことのないプロレスでしたね。いくらマスカラスの空中殺法とかいっても、ぜんぜん比にならないくらいの。びっくりしましたね。
―同じ新日本の猪木、坂口、藤波、長州とも違う。
MUNE いまのプロレスの空中殺法ともぜんぜん違うんですよ。戦いの中に空中殺法を取り入れてるから。空中殺法前提じゃないんですよ。サマーソルトキックだって、ちゃんと効いてるし、当てたふりみたいなのがないので、そこに本物を感じたんですよね。
―これはリアルだぞっていう。
MUNE ソバットとかもちゃんと入ってて。デビュー戦はダイナマイト・キッドだから成立したみたいな話もあるじゃないですか。
―そう言われてますよね。
MUNE ダイナマイト・キッドは藤波のライバルだったとか、国際プロレスに出てたとか知らなくて、タイガー戦で初めて見て知って。あのふたりの戦いを見られたことが奇跡ですよ。そりゃあ、ハマるよって。中途半端にプロレス好きっぽかったけど、「あ、俺プロレス大好きなんだ」って確信したのがタイガーマスクですね。
―あらためて自分の気持ちに気が付いた。
MUNE 本当のプロレスファンになったんですよ。それまで、やんわりとシークとかジプシー・ジョーを見てましたけど(笑)。タイガーマスクを見て「はっ!」として、それで本屋行ってプロレス雑誌を見て。それまで、テレビマガジンとかテレビランド、コロコロを買ってたのが、月刊プロレスになりましたよ。とにかく写真が見たいから。
―その当時(1981年)は小学校低学年ですよね。
MUNE 小2ですね。
―小2で月刊プロレスは、まわりは誰か読んでました?
MUNE 誰も読んでないですよ(笑)。プロレスの雑誌を本屋で見て、あとはワニの豆本とか。いしかわじゅんが「プロレス大好き」って本を出してたり、そういうのを見たりとか、あとはプロレス大百科とかプロレス大全科とか。
―ケイブンシャの。
MUNE そのへんを漁って見てましたよ。
―外国人レスラーについた異名を覚えたりとかして。
MUNE そうそうそうそう。「あー国際プロレスの外人、地味だなあ」とかって(笑)。「ホースト・ホフマン、めちゃくちゃ地味だなあ」って思いながら見てましたね。
―同級生とかでプロレス見てる子はいました?
MUNE タイガーマスクはさすがにいましたね。ちょっと社会現象になったじゃないですか。半年遅れぐらいでみんな見始めたかもしれないですね。浅草にデパートの松屋があるんですけど、そこでタイガーマスクのサイン会があって。俺行ったんですよ。
―おお、サインもらえたんですか?
MUNE もらいました。ちびっこがいっぱい集まって、福袋的なものを買うとサインしてもらえるみたいな感じで。で、その福袋見たら、ひまわりナッツとミキプルーンが入ってましたよ(笑)。
―それを買ってサインを(笑)。
MUNE そのセット買ってサインをもらうっていう。タイガーマスクがいて、ケロちゃんが横にいて、タイガーマスクのうしろに青いジャンパーを着た、あれたぶん山崎(一夫)とかじゃないかなって。
―で、サインと握手みたいな。
MUNE そうですそうです。やさしかった(笑)。あこがれのタイガー。それは友だちと連れ立って行ったわけじゃないから、ハマってたのは自分だけなんですよ。
―それから見られる限りのタイガーマスクの試合は見てた感じですか?
MUNE TVマッチはほぼ見てると思いますよ。だから何でそこまで好きだったのに、観に行かなかったのかが不思議なんですよね。
―生のタイガーが見られたかもしれなかったという。
MUNE 「観に行きたい行きたい」って言えば行けたかもしんないけど。「どうやって行ったらいいの?」っていうのもあって。プロレスのポスターとかも、地方行くと貼ってあるんですけど、東京ってあんまり貼ってなかったんですよね。ウチの母ちゃん、実家が福島の会津若松なんですけど、夏休みに行くと新日のポスターとか貼ってんですよ。ブラッディファイトシリーズとか。
―体育館の名前が入ってて。
MUNE そうそうそう。で、ずーっとそれ眺めてました(笑)。
―アハハハハハ! 「新日本、来るんだ!」って。
MUNE そうそう。だけど、やっぱり東京には貼ってないんですよ。だから何処で見たらいいのかっていうのが、まず分からなかったし。

世界中のレスラーがタイガーの首を狙っている

―タイガーマスクの特に記憶に残ってる試合ってあります?
MUNE やっぱりウルトラマンとの試合とか、ビジャノとかいっぱいありますよ。マスクド・ハリケーンもそうだし、小林邦昭もすごかったし、主要なライバルたちとの試合はすごくグッと来ましたね。
―そのときは、タイガーを応援してるんですか?
MUNE タイガーです、完全に。相手を応援したことはいまだかつてないですね。ただ、タイガーの2年4ヶ月のすごい所って、手の合う仲間どうしでずっとやらなかった所なんですよ。新日本の若手時代のライバルであったり、メキシコ時代のライバル、イギリス時代のライバルみたいな感じで、きちんと棲み分けされてるんですね。あの時は分かんなかったけど。
―当時はそこまで分からないですよね。
MUNE あの頃は梶原一騎の影響で、世界中のレスラーがタイガーの首を狙ってるって思ってたんで(笑)。だけど、サトル・サヤマとかサミー・リーのライバルが来てたってことですよ。ブラック・タイガーのマーク・ロコ、スティーブ・ライトとかも。大人になってみて、いちばんすごい試合はスティーブ・ライト戦なんですけど。
―ミレ・ツルノとかも。
MUNE ミレ・ツルノ(笑)。
―ピート・ロバーツもヨーロッパ時代の先輩ですね。
MUNE いろんなレスラーをタイガーの対戦相手用に来日させてたんですよね。ブラソ・デ・オロ、ブラソ・デ・プラタとか。
―ブラソス。
MUNE あんなにブレイクするとは思わなかったですけど。ビジャノもそうだし、けっこういろんなタイプの対戦相手も出てきて、ぜんぶハマりましたね。カネックもよかったし。
―カネック戦も壮絶な試合でした。
MUNE そうそうそう。バリバリヘビー級のカネックがジュニアヘビーとやらされるなんて、よく怒らなかったって話ですよ。あんまり噛み合わなかったのは、レス・ソントンとかぐらいじゃなかったでしたっけ。ウルトラマンとの試合とかもよかったですよね。
―今回、また新しくタイガーマスクのTシャツが2種同時発売になりました。これまでも、小林邦昭さんだったり、ブラック・タイガーだったり、たくさんリリースされてる中、いよいよこれが! っていう2種が。
MUNE 最初に出したやつって、やっぱりタイガーのカチッとしたライバル、ダイナマイト・キッド、ブラック・タイガーみたいなところあるじゃないですか。あと巨大な壁と言われてたカネック。だけど、そこから次やりますよってなった時に、もう今度はマニアックな攻めをしていいんだろうなって、Gスピリッツ的な深堀りをしてもいいんだろうなっていう自分の中でのお許しが出ましたみたいな(笑)。
―アハハハハ!
MUNE 売れるかどうかは別ですよ(笑)。

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―絶対、響く人はいますよ。
MUNE やっぱりGスピリッツのボビー・リーのインタビューとか、すごいグッと来て。「ああ、そういう事情があって来日したんだ…」って。もうメキシコでマスクも取られてて、「え、また日本でマスク被るの?」みたいな話だったじゃないですか。そこでタイガーが非情な、腰にいちばん負担のかかる技をやるっていう。
―その決定的なシーンが…
MUNE 引導を渡したシーンでしょ。
―実際、ボビー・リーはこれで…
MUNE 引退です。引導を渡すってやっぱりすごいですよね。
―タイガーマスクなりの介錯みたいな感じで。
MUNE そういう思い出に残る試合みたいなのは、アパレルでも残した方がいいと思うんですよ。コアチョコとしては一歩踏み出して、踏み越えたところに行こうって部分がすごくあるんですよね。じゃあ他のブランドがタイガーマスクのアパレルやりますってなった時に、マスクド・ハリケーンはなかなかいかないですよ。寺西勇戦、いかないじゃないですか。
―いかないですね(笑)。
MUNE ここがコアチョコの肝なんですよ。思い入れで勝負してるよっていう。
―私もこの2種が候補で上がってきたとき「おおマジか!?」と思いました(笑)。
MUNE もしこれが売れて、次があるとしたらクロネコ戦が出ますよ。ふわふわのぬいぐるみマスクの時の(笑)。
―マスクド・ハリケーン戦は「俺がTシャツにして残さないとダメだろう」みたいな気持ちもあるんですか?
MUNE そうですね。だからカラーリングはマスクド・ハリケーン寄りなんですよ。緑にシルバーっていう。こういう足の裏の影とかも「これは必要だろう」って入れてますよ。
―おお!残してますね(笑)。
MUNE これがなかったら真っ白になっちゃうんで。「写真貼り付けただけじゃんか」っていう人がいるんですけど、そうじゃなくていろいろあるから。剛竜馬って分かるようにするとかね(笑)。
―このセコンドはたしかに剛さんですね(笑)。
MUNE 俺の中でのこだわりがあるんですよ。この客席の人の服のボーダーはちゃんと分かるようにしようとか。マットの色とかも、新日本のセルリアンブルーのその感じを分からせないとダメなんですよ。そうじゃないと当時感が出ないんです。
―文字はマスカラ・コントラ・マスカラで。
MUNE タイガーの伝説のマスカラ・コントラ・マスカラの試合を祀るっていう、そういう意味も含めたTシャツです。
―こんな名選手のこんな名試合があったっていう。
MUNE これは語り継がれるものであって。
―この原(悦生)さんの写真が、また素晴らしくて。
MUNE そうなんですよ。躍動感があって。タイガーマスクのふとももの感じを出すのにこだわってるんですよ。写真処理はマジで命懸けてますからね。佐山さんは分かってくれると思うんですよ、これをご覧になって。「ボビー・リーの色じゃん」って。
―そうだと思います!
MUNE Gスピリッツとか買わない人は、「タイガーマスクなのに何でこの色なんだろう」ってなるかもしれないけど、そういうのが好きな人は「おお、分かってるな」って(笑)。

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デザインではなく息吹を吹き込む

―佐山さんに分かって頂けるのはうれしいですよね。そしてもう1枚がこちらの赤いTシャツ。
MUNE 寺西勇ですね。
―「THE END」って書かれています。
MUNE これは初代タイガーの新日本時代の最後の試合で。蔵前ですね。
―奇しくもよくご覧になっていた国際プロレスの選手という。タイガーマスクのTシャツも数々ありますけど、このシーンっていうのは…
MUNE ないですよね。タイガーマスクっていったらこっち(黒と青のタイツ)なんですが、俺、結構パンタロン好きだったんですよ。
―カッコいいですよね。
MUNE マーシャルアーツスタイルで。そのパンタロンに合わせてボディカラーを赤にして。寺西勇もいろんな人から「Tシャツにしないのか」っていう要望がすごいあったんですけど。
―たしかにほとんど見たことないかもしれないですね、寺西勇Tシャツ。
MUNE ベストな形での寺西勇Tシャツですよ。
―これは当時、タイガーを応援してたファンからすると感慨深いですよ。
MUNE そういう人が買ってくれたらいいんですけどね。コアなファンに届いてるのかなっていうのがあって。そういうこっちの思いみたいなのを含めてのタイガーマスクじゃないですか。説明しなきゃいけないんだけど、説明するのって説教臭くって、いやじゃないですか。
―ヤボな感じがしますね(笑)。
MUNE タイガーマスクはわずか2年4ヶ月でしたけど、Gスピリッツとかでも結構掘ってるじゃないですか。それがやっぱり全部響くっていうか、検証しがいのある2年4ヶ月だったなって。漫画やアニメだと、50何話とかあるじゃないですか。黎明期にはこれと当たって、中盤はこれでクライマックスに持っていくみたいな。そういうものが2年4ヶ月にきちっと行われてるような気がするんですよ。最後の相手が寺西とかね。締めた感あるじゃないですか。
―この緑と赤の2作同時発売以降はどうなるんでしょうか?
MUNE やっぱり売上次第ですね(笑)。スティーブ・ライトもあるし。あと、ソラールもやってないですね。そういう名場面をぜんぶやりたいんですよね。みんな覚えてるんですよ、名場面を。
―Tシャツにしたら、その名場面をずっと手元に置いておけるわけじゃないですか。
MUNE コンプリートしてほしいです。プロレスグッズもやっぱり、一歩踏み込まないとダメなんですよ。
―プロレスのTシャツをデザインするにあたって、ここはっていうこだわりはあるんですか?
MUNE これはもう息吹ですね。息吹を吹き込む。仕事じゃなくて、息吹を吹き込む。その人のことを考えながら、デザインをするみたいな。
―ボビー・リーなんかまさにそうじゃないですか。
MUNE いつも選手のテーマ曲とか古舘さんの実況を聞きながらデザインしてますよ。
―そうなんですか(笑)!
MUNE 洋楽とかかけないですよ。
―息吹を吹き込むために、自分を鼓舞するんですか(笑)。
MUNE ホントにね、そこは重要ですよ。へんな洋楽とかかけちゃダメ。自分がその時の気持ちに戻らないとダメなんで。
―この話はみなさん知らないんじゃないですか?
MUNE 知らないでしょうね(笑)。参考にもならないと思いますよ。
―これを真似してもどうなるかは分からない(笑)。
MUNE そうそうそう(笑)。

<2021年4月 BARバレンタインにて収録>


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