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ベートーヴェンを毎日聴く282(2020年10月8日)

『ベートーヴェン/ロプコヴィッツ・カンタータ「我らの尊き殿、万歳 WoO106』を聴いた。

ロプコヴィッツ家はチェコのボヘミア地方の貴族。プラハには宮殿が今も残っていて収集された美術品やベートーヴェンをはじめとした作曲家ゆかりの品が展示されている。

わたしがプラハに行ったとき、ここの観光をすることをすっかり忘れてしまい未だに後悔している。今度行ったときは必ず訪れたいところである。

ロプコヴィッツ家とベートーヴェンの関係は、フランツ・ヨーゼフ・マクシミリアン・フォン・ロプコヴィッツ侯爵が芸術家の支援に熱心で、ベートーヴェンの才能にほれ込み、活動の場を与え、資金支援をしたことによる。

そのため、ベートーヴェンは交響曲第5番「運命」、第6番「田園」など主要作品をロプコヴィッツ侯爵へ献呈した。中でも元はナポレオンのために作曲するつもりだった交響曲第3番「英雄」はウィーンのロプコヴィッツ邸で非公開の初演が行われている。

いまでは演劇博物館になっているが、初演の会場は素晴らしい天井画があり「エロイカザール」として当時のまま残っている。

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この小さなカンタータは、侯爵の長男の誕生日に作られたもの。「親愛なる王子様万歳!」と歌われる。すでに、侯爵は亡くなっていたが、ベートーヴェンがウィーンで活躍のために大きな後ろ盾となった侯爵の息子にも、格別な思いはあったことだろう。


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