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ベートーヴェンを毎日聴く150(2020年5月29日)

『ベートーヴェン/悲歌 op.118』を聴いた。

ウィーン中心部にあるベートーヴェンゆかりの場所として、訪れるべき「パスクァラティハウス」。4階にあるベートーヴェンが住んだ部屋がベートーヴェンの記念館になっていて、遺品を始め、様々な展示がされている。

引っ越し魔としても知られるベートーヴェン。出たり入ったりしたようだが、この部屋に一番長く住み、交響曲第4・5・7・8番とフィデリオという主要作品の作曲が行われた。まさにベートーヴェンが生き生きと、そして悩みながら、作品を生みだしていた場所に足を踏み入れるだけでも、気分が高揚する。

この家の大家、友人で音楽が好きだった「パスクゥアラティ」男爵。その妻は20歳前半という若さで亡くなった。その3年後の命日のためにベートーヴェンが作曲。「悲歌」というタイトルから印象を受ける悲しい曲調ではなく、静かで透明感ある作品は、故人を偲ぶように、じんわりと心に染み入る。

パスクゥアラティ男爵はとても喜んだことだろう。

(記:2021年1月29日)

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