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ベートーヴェンを毎日聴く167(2020年6月15日)

『ベートーヴェン/大フーガ(4手ピアノ版)op.134』を聴いた。

もともと、弦楽四重奏曲 第13番 op.130の第4楽章として作曲されたが、別の単独作品として出版された「大フーガ」には、ビアノ連弾による楽譜も出版された。それは難解であったとしても、作品としての存在感は大きいものであったこと、そして、その難解さ故に、出版されてもあまり理解されない、近い作品にならない恐れもあっただろう。そのため、弦楽四重奏ではなく、身近に演奏できるピアノ版として編曲を行うことになった。

編曲はアントン・ハルムに頼んだが、ベートーヴェンからOKは出ず、その後、カール・ツェルニーにも依頼されたがNG。結局、ベートーヴェン自身が編曲することとなった。ベートーヴェンでしか理解できないような、こだわった作品なので、他者では満足できなかったのだろう。

「大フーガ」は弦楽合奏版もあり、音の厚みがあって聴きごたえがあるが、逆にピアノ版は、贅肉がそぎ落とされ骨格が浮き彫りにされたようにも感じる。最初聴いたときは、物足らなさも感じていたのだが、何度か繰り返して聴くと、なかなか面白いなと思う。同じ旋律を追っかけて繰り返すフーガは、息を合わせる必要が多くあると思うのだが、映像で見ると弦楽四重奏とは一味違う、そのような点も垣間見ることができて興味深く思う。

AliceKeyStudioによるPixabayからの画像

(記:2021年2月16日)

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