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ベートーヴェンを毎日聴く307(2020年11月2日)

『ベートーヴェン/カノン「恋人は腕の中で安らかに休む」WoO159』を聴いた。

カノンはベートーヴェンの意外な一面をみせてくれる作品。どんな意外なことなのかは後半に回すことにして。

カノンと聞いて思いつく作品は?と問われると、恐らく「パッヘルベルのカノン」を挙げる方がいちばんのではないだろうか。カノンは簡単に言ってしまえば「蛙の歌」で有名な輪唱のことである。同じ旋律が複数、追いかけるようにして演奏される技法。

ベートーヴェンもカノンの技法を作品中に取り入れていて、第九の第4楽章でも現れる。

しかし、「ベートーヴェンのカノン」は、「パッヘルベルのカノン」のような優雅な作品ではない。

とても短くて、内容も冗談やユーモアのセンスが生きた作品達である。

恋人は腕の中で安らかに休んでいる。
でもどこであろうと疲れている人にとって場所の違いはない。
大地の上でも安らかに休むのだ。

このカノンはベートーヴェンがたくさん作ったカノンでも、23~24歳の時のもので、一番最初に作られたものと思われる。

ベートーヴェンの意外な一面。それはあの険しい表情が似合うベートーヴェンからは想像できないユーモアあふれる人物像である。

今後、このようなカノンをたくさん紹介していくことになるのでお楽しみに。


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