見出し画像

日本最後のキャバレーに行ってきた

昨年11月に、かねてより念願の「キャバレーニュー白馬」に行ってきた。知る人ぞ知る熊本県八代市にある「日本で現存する唯一のキャバレー」。いつかは行ってみたいと思いつつもコロナ禍となり、何かの弾みで閉店されてしまうのではないかとヒヤヒヤしてたのだけど、2021年のコロナが比較的落ち着いていた時期についに無理矢理機会をつくりました。東京から飛行機で福岡へ。そして博多駅から九州新幹線で新八代、それからタクシーで10分ほどという道のり。

キャバレーニュー白馬の正面。ロゴも建物もイカしている
店内右側の座席からの景色

事情に詳しくない人でも「『キャバレー』という業態の店がなんとなく減っているな」くらいは想像されることと思うが、実際は減っているなんてものではなく完全に絶滅寸前で、2018年に再開発著しい銀座の中で異彩を放っていたキャバレー「白いばら」がなくなり、同年末に一時は大チェーンであった「ハリウッド」の赤羽と北千住の最後の二店舗もなくなり、東京からはすでにキャバレーと呼ばれるお店はもうなくなってしまっている。そして東京にもないこの業態が日本で唯一残っているのがこの八代の白馬なのである(ちょっと注釈あり、後述)。

↑キャバレーニュー白馬については、こちらの記事をご参照ください。

21時に到着して、とりあえずワンセットかなと思っていたのだけど、代わる代わるスタッフの方に着いていただいてお店のお話をあれこれ聞かせていただくうちにあっというまにセット(80分5500円)が終わり延長決定。すると大正生まれの大ママが着いてくださり、そして最後は社長御自ら。写真を撮りたい旨をお伝えすると中やお店の外を案内くださって(SNSへのアップもご承諾)、けっきょく熊本への終電ギリギリまで堪能させていただくことに。いやはや本当に素晴らしい空間でした。

(大正生まれの大ママさんと記念写真。今でもお店に出られている)
(エントランスの立派な絵を背景に、キャバレーニュー白馬の池田社長と記念写真)

※注釈 キャバレーの定義だが、風営法では「設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客の接待をして客に飲食をさせる」施設とされており、すなわちダンスフロアとダンスのための生バンドがあることを条件とするのが狭義の「キャバレー」である。これを両方とも満たすのはいまでは白馬だけである(ややグランドキャバレーとインテリアなどの風情が異なるものの、川口で2020年にオープンされた「レトロクラブ」さんが、生バンドとダンス用のステージを用意されており、グランドキャバレーの空気を継承しようと頑張っていらっしゃるというような例はある)。

ただ、もともとキャバレーだったものの、ニーズの変化で生バンドやダンスフロアを止めてしまったお店も「キャバレー」として紹介されることもある(広義のキャバレー)。2020年に閉店してニュースで「最後のキャバレー」として取り上げられた新宿の「ロータリー」さんも、もともとはダンスフロアがあったもののなくなったお店であり(ニュースの中で、関係者の方も「キャバレー風と言った方がいいかもしれない」といったコメントをされていた)、また、生バンドがないものの昭和のキャバレーの風情を大いに残している大阪の「ミスパール」のようなお店もあるが、これとてかなり少なくなってきている。

蒲田カルチャートークのデザインやお手伝いスタッフの謝礼など運営費用に使わせていただきます。大田区の街をこれからも盛り上げていきます!