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純国産クイズ番組「アタック25」を世界遺産にしてほしい、という話

このnoteで日曜お昼のクイズ番組「アタック25」の終了に際していろいろと書いてきましたが、いよいよ明日(9月26日)の放送を持って本当に最後ですね。覆らないとは思ってたけどやっぱり覆らない。本当に寂しいです。

この番組が終わるのは本当にもったいないと思ってまして、単なる番組ファン(それに優勝経験者ですし)・クイズファンだから悲しく思っているというだけでなく、「46年の長寿番組は簡単に新たには作れないので、BSに持って造りを少しライトにするとかでもいいからブランドを残した方が」というビジネス的な残念さもあります(テレビ好きな人のあいだで「笑っていいとも」残しておけば・・・みたいなタラレバを聞くことがありますが、止めてしまったことによる空白はどうやっても取り戻せないものです)。

そして残念だと思うさらに大きな理由のひとつが「アタック25は純国産のクイズ番組だから」というのもあります。先般の記事でもやりましたがクイズ番組を2つに分けるとこういう分け方もあります。

ひとつは、
アメリカ横断ウルトラクイズ
アタック25
世界一周双六ゲーム
クイズタイムショック

もう一つは、
クイズ100人に聞きました
クイズグランプリ
クイズミリオネア
ウィーケストリンク 一人勝ちの法則
です。

そう、上は「純国産のクイズ番組」で、下は「海外のクイズ番組をヒントに生まれた番組」もしくは「海外からフォーマットを購入して作られている番組」つまり広い意味で「輸入物のクイズ番組」です。

70~80年代に視聴者参加クイズ番組がたくさん放送されていましたが、それらにはアメリカのクイズ番組のシステムを拝借したものが多く、「クイズ100人に聞きました」の元となった「Family fude」、「クイズグランプリ」の元となった「Jeopady」、伊東四朗司会で人気を博した「ザ・チャンス」の元となった「Price is right」など日本版はとっくに終了してしまいましたが、アメリカではいまだに人気で放送を続けています。

また2000年代頃から多くなってきたのが世界的にフォーマットが販売されてつくられるクイズ番組で、特に有名なのが日本ではみのもんたが司会をした「クイズ・ミリオネア」。これは世界70カ国近くで各国のバージョンが放送されています。またNHKで2012年から14年までお昼の帯番組として放送された「連続クイズ ホールドオン」は元はフランスの番組、2002年にフジテレビで放送された「ウィーケスト・リンク 一人勝ちの法則」はイギリスから購入したものです(ちなみに「99人の壁」がアメリカの「1vs100」というアメリカのクイズ番組のパクリだというニュース記事がありましたが、多少海外のクイズ番組を見る勢からするとこの2つは「ぜんぜん似ていない番組」で、とんだ言いがかりでした)。

これらのフォーマット購入によるクイズ番組は日本では放送をあまり長命なものはなく日本では放送を終了してしまっていますが、ミリオネアのアメリカ版は何回かマイナーチェンジをしながら昨年まで放送されていましたし、フランス版ホールドオンはコロナ禍でも絶賛放送中、アメリカ版ウィーケストリンクはセットをより現代的にリニューアルして最近放送を再開しました。とても根強い人気を誇っているのです。

クイズ番組は問題さえ現地仕様に置き換えられれば他の国でもヒットする可能性があります。日本ではテレビ放送開始以来、たくさんのクイズ番組が作られてきましたが、残念ながら輸出されてヒットしたという番組がありません。そういう意味では46年も続けられた「アタック25」の番組システムはある種の普遍性を宿していると言え、(多少何かの調整は必要でしょうが)世界で楽しんでもらえるものになれるんじゃないかな、という期待をもっていたのです。

「世界遺産」は言い過ぎだとしても世界の人が楽しむクイズになれたんじゃないかな、と勝手に思っているのですが、皆様いかがお思いになりますでしょうか?

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