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ストレスが身体に与える影響

前回のnoteでは「メンタルヘルス不調になる過程とは」として、ストレスの原因やストレス反応としてどのようなものがあるか、心への影響などを書きました。
今回は「身体」に与える影響です。

筆者が伝えたかったのは、むしろこちらです。
心の影響については聞いたことがある人は多いと思いますが、身体の影響については見過ごしたり「持病が出たのかな」「風邪を引いたのかも」と捉える人が少なくないからです。

私自身、20代前半のころストレスで営業で外回り中に腸が破れてトイレの便器が血だらけになったことがありました。
また、私の親しい友人はパワハラによるストレスで消化器に病気を抱えてしまい肝臓を移植しなくてはならない事態になってしまいました。
(私も友人も今は元気です)

身体の病気が「ストレスから来ているのかも」と考える人は少ないでしょう。ストレスから生じることがある、その原因から逃げるこも必要であることをお伝えしたいのです。

※前回のnoteも併せてご覧ください。

5.心身症

心身症とは、各科が対応する身体疾患の内、発症や経過に心理社会的ストレスの影響で機能的(器質的)な障害を伴った疾患群です。日常生活で仕事や対人関係などの心理社会的ストレスに無頓着や無自覚な場合に発症・悪化することが多く一般的治療では改善困難です。身体症状と心理社会的ストレスの間にある“心身相関”の理解を心療内科は重要視します。
その疾患群の中でも代表的なものとして、過敏性腸症候群、機能性ディスペプシア、本態性高血圧、アトピー性皮膚炎、頭痛(筋緊張型頭痛、片頭痛など)、疼痛性障害などが挙げられます。
なお、神経症・うつ病などの精神疾患に伴う身体症状は心身症ではありません。また、摂食障害は精神疾患を合併することが多く、状態によっては精神疾患として対処し、他の医療機関に紹介することもあります。予めご了承ください。

国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター病院 ホームページより

上記にもあるように、気づかないうちに発症・悪化することが多いものです。

心身相関の理解を促すことが治療には重要とされています。
下記は心身相関のイメージ図です。
大勢の人の前で挨拶すると、汗が出てくる、震える
など、心と体は影響し合っています。
自律神経を乱すほどのストレスがかかると内分泌系・免疫系が乱れ不調が現れます

出所:一般社団法人EAPコンサルティング普及協会「第2版メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種Ⅲ種テキスト&問題集」翔泳社(2017)

この心身相関は、最近(令和2年)に神経伝達路が発見されました。
「心身相関」は広く知られていることなのですが、脳の中で、ストレスや情動といった「心」の信号がどのようにして「体」を調節する仕組みに作用するのかは大きな謎でした。
それが解明され、パニック障害や心因性発熱などのストレス関連疾患の治療法の開発において有望になると言われています。

このように、身体の不調は心からの影響を受けることが脳の仕組みによっても明らかであり「気のせい」で済ますものではありません。

6.予防・対処法

劣悪な職場環境から離れるため転職をすることや、人間関係で悩むなら相手との距離を置く・袂を分かつでも良いでしょう。
それは最後の手段として、予防方法としていくつか紹介します。

休養・睡眠・運動・食事を規則正しく、適切に行うことが基本です。
具体的に、睡眠について見ていきます。
下記は厚生労働省が公表している「健康づくりのための睡眠指針2014」です。

1 良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2 適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
3 良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4 睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
5 年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
6 良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7 若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
8 勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
9 熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
10 眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
11 いつもと違う睡眠には、要注意。
12 眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf

厚生労働省健康局「健康づくりのための睡眠指針 2014」


リンク先をご覧ください。12箇条の解説として、睡眠の長さや、睡眠の3~4時間前には食事をとらないなど詳細が説明されています。

他には、リラックス方法として腹式呼吸をゆっくり行う、腕や肩に力を入れ緩める漸進的筋弛緩法、自律訓練法などがあります。

自律訓練法は手順が多く少し難しいかもしれませんが、正しく行いたい方は下記リンクを参考にすると良いかもしれません。

上記のように「整えること」が良いのであり、イライラにまかせて暴飲暴食をしたり、たくさんのタバコを吸ったり、深酒したり、ギャンブルに走ることは好ましくありません。これらは生活リズムを崩したり、さらに状況を悪化させてしまうことがあります。

7.ストレスの負荷の感じ方


ストレスを感じ、心や身体に不調をきたすのは当人が特別だからではありません。
日本人の6%が一生に1度はうつ病になると言われているのですから、メンタルヘルス不調はとても身近なものです。
メンタルヘルス不調は、その人の発病のしやすさと、おかれている環境が絡んで起きると言われています。

同じ職場であっても、発病する人・しない人がいます。その違いは、根性論では語れません。

例として
Aさん:同僚のCさんが陰湿な嫌がらせをする。Aさんがメンタルヘルス不調になる。
Bさん:Cさんは優しく接し、Bさんは他の人とも関係良好なのでメンタルヘルスも良好。

このように、その人特有の環境(人間関係など)が影響していることがあります。
また、業務上の人間関係は何とも思わないが、家族付き合いが苦痛であるなど、人によってそのストレスに強い・弱いがあるでしょう。

身近な問題と思い、自分を過信しないこと。そして周囲への配慮も忘れないようにしたいものです。

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